ぼやき日記


5月21日(月)

 ここのところCDで「春の祭典」ばっかり聴いている。ええかげんあれこれとやらんならんので疲れているんやけど、この派手で爆発的で野趣たっぷりでなおかつ美しい音楽を聴くと血がたぎってきて気合いが入るんや。
 例によって1枚のCDを繰り返し聴くんやなく、いろんなオケ、いろんな指揮者のものを聴き比べるようにしている。マルケヴィチのようにとことん暴れまくる演奏が好きやけれど、時にはカラヤンみたいにひたすら美音の「ハルサイ」もまぜるとそれはそれで心地よい。ただ、ブーレーズだけは若い頃のも最近のも受け付けない。ひたすら音を分解して並べるような「ハルサイ」のどこがええんやら。その演奏が音楽評論家から絶賛されてオールタイムのベストに選ばれているというのは私には理解でけへんぞ。
 私はホルストの「惑星」が大好きでCD化されたものはほとんど持っている。たいして意味を感じないレヴァインやカラヤンのCDが音楽評論家の投票では上位に並んでいるというのが、なんとも悔しい。音楽評論家が全ての曲を理解しているとは限らない。ようわからんから、どんな音が聞こえるかがわかりやすいものをとりあえず1位にするんやろう。
 いやしかし、「春の祭典」はええぞ。現代音楽が苦手な私やけど、「ハルサイ」は有機的に音楽が作られてるという感じがして気持ちよい。さ、明日も「ハルサイ」で気合い入れていくぞ。

 明日から、二拍三日で修学旅行。私は引率で生徒といっしょに北海道に行きます。したがって、次回更新は木曜の深夜の予定です。

5月24日(木)

クラーク博士
 ごぶさたしておりました。ぶじ北海道から帰ってまいりました。
 3年ぶりの北海道。3年ぶりの修学旅行。修学旅行以外で北海道に行ったことがないというのは悲しいな。それはともかく前回は洞爺湖方面中心の観光やったけれど、今回は小樽水族館に羊ヶ丘展望台と全く違うところを観光。同じところに何度も行くのもええけれど、行くたびに違うところを見るのは見聞を広めるという意味ではありがたい。
 まあ、障害のある生徒を指導しながらの観光やから、生徒たちのペースで見てまわらなあかんというのが、仕事とはいいながらしんどいところではありますが。まあ、羊ヶ丘展望台のクラーク博士も指をさして「生徒はあっちだ、写真なんか撮ってる場合か」と叱っておられます。
トドのダイビング
 ところ変われば品変わる。蒸し暑い大阪から新千歳空港に着いたら、吐く息が白い! 地元の方にきいたら、なんでも「ライラック冷え」というんやそうです。桜の季節に「花冷え」というのがありますね。あれのライラック版ということらしい。「ライラック冷え」というのはなんやおしゃれな響きかも。
 小樽はそれほど冷え込んでへんかったんやけれど、水族館ではトドのショーなるものを見る。イルカのショーやアシカのショーやったら全国各地で行われてれけれど、トドのショーというのはなかなか珍しい。でかいです。500kgくらいある巨体で器用に逆立ちしたり前足を振ってごあいさつしたり鼻先でボールを回したりと、アシカのショーさながらの芸を見せてくれる。クライマックスでは高い飛び込み台からご覧のように巨体を踊らせてダイビング。迫力ありまっせ。
 この水族館は北海道でも有数の水族館らしく、遠足の小学生たち、そして平日なのに観光客がかなりいてた。
世界の羊ショー
 「アリスファーム羊ヶ丘」では「世界の羊ショー」を見る。19種類の羊がずらりとステージに並ぶのは壮観。ジェイソンと名乗る外国人の案内役がたわいないギャグを飛ばしながら楽しく紹介。牧羊犬が笛の音に合わせてステージを走り回り、羊たちの背中に乗って飛び回ったり、羊の毛をでかいバリカンで一気に刈り上げたりとなかなか面白い見せ物。羊の背中も触らせてもらえる。実は初めて羊毛というものをじかに触ったけれど、あれはふかふかしててなかなか気持ちのよろしいものですねえ。
 なんでもこのジェイソンさんは昨年の修学旅行でも同じショーを実に愛想よくやっていたらしい。1日何回やるんかしらんけれど、羊の気分を常にショーに間に合うように落ち着かせたりなんかせんとあかんのやろうなあ。見ているこちらは気楽なもんやけれど、舞台裏はかなり大変なんやないかな。
大倉山シャンツェ
 ほかにも大倉山のシャンツェに立ち寄ったりと、なかなか大阪では見られへんもんをいっぱい見せてもらいました。大倉山シャンツェもこれがでかい。あの高さからスキーで滑り降りて空中を跳び着地するんやから、ジャンプ競技の選手というのはすごいなあ。
 木々の緑が鮮やかで、ええ色をしているのも印象に残った。同僚の美術の先生によると、落葉樹中心なんでそういう色になるらしい。これも北海道ならではということなんでしょう。
 前回は修学旅行の担当者やったからとにかくせわしなくまるで旅行会社の添乗員さんみたいな仕事もしてたけれど、今回はサポート役として生徒の指導中心にまわったんで、けっこう観光客気分を楽しむことができた。いやあ、この季節の北海道は実によろしいです。
 帰りは空港で好物の「ハスカップゼリー」を土産に買い求め、先日大阪空港で見学したJASのMD90に乗って帰阪。
 実は飛行機の中できつい思いをしたんやけれど、それはまた明日の日記で書くことにして、ひとまず観光レポートを締めておくことにしましょう。

5月25日(金)

 とにかく飛行機の着陸時がきつかった。大阪空港から新千歳空港への行きの飛行機では、まず耳がツーンとして何度も深呼吸したりつばを飲み込んでも治らへん。それどころか耳から鼻、そして目頭から頭にかけて締めつけるような痛みが走った。頭を抱えて着陸を待つ。着陸したら頭痛は治まり、飛行機を降りてしばらくしたら耳ももとの感覚に戻った。この前飛行機に乗った時はこんなことはなかったんになあ。
 帰りの着陸時は頭痛こそなかったけれど、やっぱり耳がギリギリと痛む。痛むだけやない。耳がツーンとした感覚は家に帰ってもそのまま。つばを飲み込むと右の耳は雑音のような響きがする。左耳はといえば、あくびをすると鼓膜が外れるかと思うくらいに痛い。こらあかん。医者に行かなあかん。
 幸い今日は休みをもろてたんで、朝から最寄り駅前の耳鼻科に。なんか地元の老人会に来たみたいな待ち合い室。支払いをすませた年輩女性が友だちとおしゃべりを続行して「ほな、ぼちぼち帰るわ」。ちょいと不安がよぎったけど、まあ診てもらわな仕方ない。
 診断は中耳炎。鼻の具合が悪かったんで、その鼻の中の雑菌が気圧の変化で耳まで押し出されるように入っていったらしい。「潜水はやるかい?」と医者の先生が言う。「ダイビングですか」。「あれで『耳抜き』というのをやるやろう。あれをせんといかん」。「せんといかん」と言われてもそんなんやり方を知らへんがな。「飛行機に乗らんと船に乗るか電車に乗るかして帰ったらよかったんや」。たまらんギャグをかます先生であります。なんでも『航空中耳炎』と名前がついてるくらいよくあるケースやとか。ほんまかなあ。ギャグくさいなあ。
 聴力検査をしたらちゃんと音は聞こえてるんでまだそんなに症状は進んでないと言われ、ちょっとほっとする。抗生物質と点鼻薬を処方してもろうた。
 まだ耳の具合はまだピリッとしないけど、とりあえず月曜までは薬をのんで様子を見ることになった。
 いやしかし、まさか飛行機に乗って中耳炎になるとは思わなんだ。今もあくびしたら左耳が少し痛くなった。嫌な状態やなあ。早いとこ治ってほしいもんです。

5月26日(土)

 今日は所用で京都へ。昼食は喫茶店に寄ってとる。隣のテーブルには友だち同士と思しき若い女性が二人。大きな声で喋ってるから、聞き耳をたてるわけやないけれど否応もなく会話が耳に入ってくる。
 どうやら二人は高校時代の同級生らしい。二人とも女子高出身で、片方は共学の大学に、片方は専門学校に進学したばかり。喋ってるのはほとんど大学に進学した方で、専門学校の方はもっぱら聞き役に徹している。
 「うち、高校では男役やったやん」、ほうほうそうか、女子高やと男役にまわる子と女役にまわるのか。男子高でも男役と女役はあるのかな。あまり考えたないな。「サークルで女の子扱いされると違和感あるねん」、どんなサークルなんやろう。けっこうはっきりした顔立ちやから、男性たちは狙うやろうなあ。「うち、はっきり物を言う方やしぃ、友だちもみんなそうやったやんか。うち、それがあたりまえやと思うてたんやけど、女の子って、みんなとろいんや」。
 横で聞いてて、なるほどなるほどとうなずいてしもうた。前にも書いたかもしれへんけれど、いわゆる「女の子」な性格の人と「男」な性格の人は男女関係なくいてるよね。私は「女の子」と話すのは苦手で、高校時代から女子の友だちといえば「男」ばっかり。たいてい恋愛感情にはいたらず、今でもええ友だちやったりする。大学時代、「女の子」とうまくいかへんで困ったこともあった。
 ふと考えたんやけれど、「男女型性格診断」というものをまとめて本にしたら売れへんやろうか。簡単なテスト項目を作って「男の子」「男」「女の子」「女」の4種類に性格を分け、それで相性を占うというもの。血液型性格診断よりもわかりやすいぞ。「動物占い」の方が楽しそうなんであそこまでヒットはせえへんやろうけれど。故畑田国男さんの「兄弟姉妹型」に近いものになるやろうけど、あれはちょっと複雑でわかりにくかった。
 「先輩がな、高校時代に友だちととったプリクラを見て『おっ、この子がかわいいやんか。紹介してや』、言うねん」。こういう先輩は「男の子」型ですな。単純で深く物を考えない。
 食事か終わり、時間もなかったんで続きを聞くことはでけへんかったけど、いやいや、楽しい食事の時間でありました。

5月27日(日)

 今日は散髪に行く。夏向けにかなり短く切ってもらう。
 私がいつも行く理髪店はマスターとサブの2人だけが理容師としているんやけれど、実はマスターよりもサブの人の方がうまい。私は頭の毛穴が多いんか知らんけれど、髪の量が多い。頭髪が薄い人には贅沢な悩みと言われそうやけど、髪の毛が伸びてくると頭がぼさぼさになってしまい、しばらく理髪店行きをさぼると朝起きた時に頭が爆発してたりする。
 サブの人はそこらあたりをうまくわかってくれてて間の髪を細かくそいでくれる。そやから多少髪が伸びてもそれほど髪型がひどいことにならずにすむ。下手な床屋にかかってみ、しばらくしたらヘルメットみたいな頭になるんやから。パイナップルみたいに広がることもある。ところが、サブの人にやってもらうとそれがない。そしたらマスターはというとそこらあたりがちょっと雑。特に下手というわけでもないんやけれど、同じ店やからやっぱり比較するよね。
 妻にその話をすると「指名したらええやん」と言われた。美容院は指名できるんですね。理髪店はでけへんのです。ここらあたり、ちょっとしたカルチャーギャップかな。また理髪店の場合はヒゲそり洗髪全てセットで価格が設定されてるんで、美容院もそうかと思うてたら違うんやね。カットと洗髪とは別料金になってるんやそうで、私は全然知らんかった。
 こうやって考えると、自分は思ったよりも狭い世界に暮らしているんやなあと思う。日常的なことでこうやもの。非日常的な世界にまで広げたら、ほんまに物を知らんと思わされるよね。それを補うのが読書であったり映画であったりするわけやけれど。
 それはともかく、髪を切ってもらってすっきりさっぱり。頭だけは夏モードであります。

5月28日(月)

 昨晩0時過ぎにこのページを更新しようとネットにつないだけれど、電話はつながってるのにちっとも認証してくれへん。おかしいなあ、どこか設定にミスがあるんかなあとチェックしようとしたけど、ふと思いついてメールソフトを立ち上げてみた。
 受信メールからプロバイダのものを探し出し、確認してみる。やっぱりね。メンテナンスのためにアクセスでけへんようになってたんや。しかも今回のメンテナンスは電源関係で22時30分から翌日10時まで11時間半もかかる! 私は昨日はけっこう時間をかけて書いたんやけど、更新でけへんのではなんともならん。しかも通常なら深夜の数時間でメンテナンスが終わるから、朝に起きてすぐに更新できる場合がほとんどなんやけど、今回はそういうわけにもいかへん。
 結局昨日の分を更新できたんは、19時30分ごろ。仕事の帰りに耳鼻科に寄ってたりしたから、帰るのもいつもより少し遅めになった。というわけで、いつも0時30分くらいから19時30分くらいの間にこのページにアクセスしてくれてはる方は、2日分いっぺんに更新されてるんで「えらい一気に書いたんだなあ。よくそんな暇があるなあ。仕事をさぼって出勤時間中に書いたんじゃないか」などと勘ぐらないように。
 それよりもメールサーバにアクセスでけへんかったから、緊急のメールがもし来てたらどないしようとちょっと心配してしまいましたぞ。ほとんどがメールマガジンか「Hな画像がいっぱい!」というアダルトサイト案内のダイレクトメールか「メールアドレス5000件を格安で販売!」という不法販売案内のメールか「在宅で月収100万円!」という一獲千金マルチ商法案内のメールやった。ああもう、なんでそんなクズメールが山のように来るんやろう。私がなにか悪いことしたんか。許してくれい。助けてくれい。やめてけえれげばげば。「メールを配信しないで下さい」と返事を書いて送っても、「ERROR!」とかいうてメールが相手に届かず返ってくる。ええかげんにしてくれい。おおかみさまかみさま助けてぱぱあや。
 今日はたぶん安心して更新できます。よかったよかった。

5月29日(火)

 昨日の日記を読んだ妻が「疲れてるの? 疲れが文章に出ているよ。何を書いてるのかわけがわからんよ」という。私もそう思う。というか、先週のタイガースの戦績を書いていると疲れがどっと出たんかもしれません。今日もテレビを見てるだけで疲れてしもた。それやったらタイガースの試合を見るのをやめたらええやんと言われそうやけれど、こればっかりはもうやめられません。とことんつきあう大馬鹿者です。病気です。

 ちょっとした必要があって、「薬師経」の全文を入手したいと考えた。仕事帰りに書店でお経の本をあさる。人気があるのは「般若心経」。解説した本やら予言書としてトンデモ解釈をしたものまでざくざく出てくる。次いで「観音経」。日本における観音信仰の深さを思い知らされた。あとは宗旨ごとに分類されたお経を集めたもの。真言宗、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、禅宗と揃っている。ところが、薬師経を読むのは法相宗なんですな。上記の宗旨では薬師経は読まんのです。
 こうなったらネット検索や。ありませんな、これが。新興宗教めいたサイトに「薬師カード」をお守りとして頒布しますというページがあって、薬師経の一部を抜粋したものが掲載されていた。ないよりましとダウンロードしたけど、私のほしい部分は書かれてない。薬師寺のサイトがあったんでそこのページをくまなく見てみたけど「薬師経、写経セット 4000円」という案内しかない。4000円出してまでしてほしいわけやない。「大鏡」全文掲載なんていうびっくりするようなサイトは見つかったけど(これは「薬師経」で検索したらヒットした)、お経のサイトはあらへんのやねえ。ネットやとたいていの情報は入手できると思うてたけど、お経は無理ですか。
 これだけ大量のホームページがあるんやから、『ネット写経』のサイトかなんかがあっていろんなお経をアップロードしている人がいたりしてへんかなと期待したんやけど、まだそこまで酔狂な人はいてませんか。
 あとは仏具店に行ってきいてみるしかないか。確か職場の近くにあったと思うたけど。あるいはネット書店か古書店のサイトで検索をかけてみるか。薬師寺まで行って買うという余裕もないしね。
 まあ、なければないですまされるもんなんで、私としてはそんなにがっついてほしがってるわけやないけど、資料としてあるにこしたことはない。しかしなあ、写経サイトもあってもおかしくないと思うたんやけどなあ。ちょっと虫のよい願いやったかな。

5月30日(水)

 昨日の日記で書いた「お経のサイト」やけれど、なんと台湾のサイトにあるというメールをいただいた。確かに仏教も漢字も日本だけのものやないからね。そこまでは思い至らんかったなあ。ご教示に感謝の言葉もありません。やっぱりネットの世界は奥が深い。

 一応私はまだ「童話作家」を名乗っているけれど、現実には新作にとりかかることができていない。アイデアはいろいろとあたためているのだが、とりかかる余裕がないというのが実態ではある。
 ところが昨日、古い友人から嬉しい話を教えてもろうた。その人は二児の母で読み聞かせの会などにも参加したりしてはるんやけれど、その人の参加してない読み聞かせの会で私がかつて雑誌に発表した
「おおごえこぞう」を読んでくれた方がいてはるという。
 あの作品が発表されてから3年。雑誌に掲載されたまま、絵本として出版するという話もなく、雑誌のバックナンバーがなくなった時点でいわばどこかに埋もれてしもうたと思うていた。ところが、そうやって読み継いでくれている人がいてる! このことを知った時、なんともいえない感情に襲われた。そして、あれ以来童話を発表できていない自分が情けなく感じられた。
 現在、私のものかきとしての仕事の中心はもちろん書評である。そやから、書評を読んでくれはる人の反応なんかはある程度予想できるようになった。ところが、童話の場合は相手が子ども。私の書いたものがどう読まれているかは正直わからんかった。雑誌掲載時、もしかしてあったかもなかったかもしれへん「読者のおたより」は私のもとには届いてへん。反響があったんかなかったんか、それがわからん。
 それが昨日知らされた話で、少なくとも一人は私の作品を読んで、それを他の子どもたちにも読んで聞かせてくれる人がいた! こんなに嬉しいことがあるやろか。この前作家の
林譲治さんと話をして創作意欲をかきたてられたけれど、この話でいよいよその気持ちが強くなった。転居の準備やなんかで忙しいけど、「おおごえこぞう」の読み聞かせをしてくれはった方のためにも私はやっぱり創作活動を再開したいと思う。
 よし、書くぞ! ただし、そろそろ「S−Fマガジン」書評欄の締切りがきてるから、それからね。うううう。

5月31日(木)

 以前にも日記のネタにさせてもろたけど、ABCラジオの野球解説者、元世界の盗塁王、福本豊さんの解説は全く傑作で、ローカルラジオのリスナーが独占しててええもんやない。全国のみなさんに紹介せずにはおられん。
 今日の対カープ戦の試合前、大阪のスタジオからスポーツキャスターの佐々木修さんが「今日のタイガースはどうですかねえ?」と質問したら、福本さんは「今日はいけるよ」と断言。「その理由は?」と重ねてきくと「今日は僕がベンチに寄ったからねえ」という返答。「なんですか、それは?」と怪訝そうに佐々木さんが言う。「僕がベンチに寄ると勝つんや」と福本さん。佐々木さんは「そ、そうなんですか」と困ってしまう。「僕はねえ、たまにしかベンチに寄らんからね。寄った時は必ず勝つ」と福本さんは自慢げに言う。「根拠はそれだけですか?」という質問には平然と「そうや」。全く解説になってへんぞ。タイガースで2年間コーチしてたけど、こんな調子やったんろか。だいたいその2年は毎日福本さんがベンチにいてたのに最下位やったぞ。あ、外部からベンチに寄るからええんか。
 話はまだ続く。佐々木さんが「それじゃあ阪神はお金を積んででも福本さんに毎日ベンチに来てもらわなきゃいけませんねえ」とまぜっ返すと、それに対する福本さんの答えは……「金やない、運や!」……。わからん。福本さんの言語感覚には私は混乱するばかり。
 この試合の途中、スクイズバントで本塁をついてタッチアウトになった田中秀太選手の走塁を評して「へたくそや」と一言。この身も蓋もない率直な解説! まあこれはあとでどこがへたくそなのかを解説してくれはったけど。
 世間では川藤幸三さんが率直で面白い解説者の代表として物真似のネタにも使われてるけれど、実際に川藤さんの解説を聞いていると懇切丁寧で論理的やったりする。福本さんのような天才的な言語感覚と論理の飛躍には勝てません。試合は5−0と、福本さんの予言(?)通りに勝ちました。いやあ、福本さんは凄いなあ。

 明日は都合で更新はお休み。次回更新は土曜の深夜になります。


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