ぼやき日記


1月21日(月)

 プロ野球中継で解説者が「今の現状は……」てな言葉遣いをしているのを聞くと「もっと言葉の勉強をせえよ」とつっこむだけですんでたんやけど、最近それ以外のところでも耳につくようになってきた。
 テレビでコメンテーターが使うてるかと思うと、職場で同僚の先生までが使うたりする。いやしくも最高学府をでたような人がこんなけったいな間違いをするかねえ。学歴は関係ないか。
 使うてて気持ち悪くならんのかなあと思う。しかもこの言葉はわりと真剣な話をしている時に使われたりするんで、いちいち訂正すると話の腰を折るような感じになるんで指摘するタイミングが難しかったりする。
 「現状」という言葉を使いたかったら「今」はいらんし、「今」を強調したかったら「今の状況」と言えばすむことやのにねえ。それとも「今」と「現状」を重ねることによって「現在」ということをより強めようとしてるんかな。そうではないように思うけど。
 こういう言葉を使って平気でいられる人は「馬から落馬」というても違和感を感じなかったり、「受験を受ける」てな言葉でもおかしいとは思わへんのやろうか。
 こういうけったいな言葉が市民権を得てしまうのは嫌やなあ。嫌がられるのを覚悟してやっぱり常に指摘した方がええんやろうか。
 ついでに、うちの職場では「朝の朝礼をはじめます」という人がけっこう多い。ううむ、「昼の朝礼」や「夜の朝礼」もあるんやろうかといつも思う。気持ち悪くなるなあ、ああいう言葉は。なんで平気で使えるんやろう。私にはわからんよ。

1月22日(火)

 今月はじめには思うてもみなかったほど、一気に原稿書きの仕事がくる。今月いっぱいは家に帰ってもパソコンにへばりついてんならんのかな。いや、その前に原稿を書くために読まんとあかん本もかなりあるしなあ。忙しい時は集中するね。新年当初は「へへん、今月は書評1本でおしまい」とへらへらしてたんに。まあ、仕事がくるうちが花ですからね。文句いわずに原稿原稿。

 BGMに今年の「ウィーンフィルニューイヤーコンサート」を聴いている。なんと1月1日におこなわれたコンサートやのに、15日ごろには輸入盤がCDショップに入荷され、20日ごろには国内盤が発売された。私は輸入盤と国内盤と同じものが店に並んでたらたいてい輸入版を買う。安いんです。外資系の「Tレコード」やと輸入盤の新譜は1750円。ところが国内盤は3000円くらいする。内容が全く同じで(音質は微妙に違うらしい。私の耳では確認でけへんけど)これだけ値段が違うたら国内盤なんかアホらして買われへん。
 ところが、今年の「ニューイヤーコンサート」のCDは国内盤が1950円。しかも輸入盤では割愛されている曲と指揮者と楽団員が新年の挨拶をいろいろな国の言葉でやったのとが収録されているという。となると、200円ほどプラスして国内盤を買うてもええよなあ。楽曲解説も日本語の方が読みやすいし。
 というわけで、国内盤のCDを買うた。ブックレットに楽曲解説はなくてあまり面白くない読み物が載っていたのには閉口したけど。ブックレットの写真が全部リハーサルのものなんは発売時期を考えたら無理もないか。もう少し発売が遅くてもええから当日の写真の方がええと思うんやけどね。指揮棒をもってる写真がジャケットに使われてる。当日は指揮棒は使うてへんかったからね。テレビで見てただけに変な感じがする。
 なんと、このCD、オリコンのチャートで第9位に入ってるらしい。ううむ、小澤効果は凄い。まあ、値段の安さもあるかもしれへん。80分収録で2000円は安い。ポップスのCDやと40分くらいで3000円する。これはレコード会社の企業努力が実ったということかな。やろうと思うたらできるんやん。
 というても、来年のアーノンクール指揮のニューイヤーコンサートのCDはこの価格設定でもまさかオリコンベスト10に入ったりはせんやろけどね。それにしても、こない小澤征爾が人気者とは知らなんだ。でも、私はニューイヤーコンサートのCDはカルロス・クライバーの時(1989年と92年)のをお薦めするけどね。

1月23日(水)

 シュールストレミング試食会のことを書いた日記は今でも検索エンジンによくひっかかるらしく、時折「缶詰の入手経路を教えてほしい」というようなメールがきたりする。私は知らんので、返事には必ず「スウェーデンの大使館に問い合わせて下さい」と書くことにしている。あののち各地で試食会はおこなわれているらしいけど、われわれの時のような強烈なものはなかったみたいやね。あれは発酵してたんやなく、腐敗してたんと違うか。
 昨日やはり「シュールストレミングに関するお願い」なるメールがきた。タイトルだけ見てまた「スウェーデン大使館に云々」という返事を出すことになるなと思うていたら、これがびっくり、私の日記をテレビで紹介するという話でありました。
 関西ローカルの深夜番組ではありますが、朝日放送テレビ「ごきげん!ブランニュ」という番組やそうです。司会は赤井英和さんとトミーズ雅さん。いやいや、こんなメンバーの番組で紹介されるなんてなんか嬉しいなあと思わずミーハーしてしまう。日記だけやなしに私本体も出演したいくらいなんやけど、さすがにそういう依頼ではありません。はたしてどないな紹介の仕方をされるのか、楽しみではありますね。
 放送は1月25日(金)24時54分からであります。つまり明後日の深夜なんですな。わくわく。
 なんか舞い上がって宣伝してしもうたけれど、ボツになって紹介されへんだらどないしよ。週刊誌にしろテレビにしろ、こっちが思うているほどきちっと紹介してくれへんもんやからなあ。そこらあたりは経験上ある程度わかっております。ボツにならへんことを祈るしかないな。
 それにしても、なんでも食べておくもんですなあ。

1月24日(木)

 今日、家に帰ってくつろいでいると、いきなり部屋中にサイレンが鳴り響いた。
「フェワンフェワンフェワン。地下1階より火災が発生しました。避難して下さい。フェワンフェワンフェワン」。
 新居は高層マンション。私たちの部屋は20階くらいのところ。とりあえず大事なものをもって部屋を出る。非常階段から下におりる。ひたすらおりる。煙があがってきてへんみたいなんで、それほど緊迫感はない。というよりも、地下1階で火災が発生してるのにわざわざそちらに向かっておりていくというのもおかしな話やね。そしたら上にあがって屋上にいったらええかというと、そうしたところでどないもならんしなあ。
 なんとか1階におりて、外へ出る。この間「フェワンフェワンフェワン」は鳴りっぱなし。やかましいくらい。1階のコンコースで様子を見てたら、「フェワンフェワンフェワン。調査の結果、火災はありませんでした。フェワンフェワンフェワン」とアナウンスが変わった。
 下にいた大量の住人たちはみなやっぱりなあてな感じでエレベーターがおりてくるのを待った。エレベーターが開いたら、ぎっしりと人が乗っている。この人たちはエレベーターで避難したんか! いくらなんでも非常識やないか。ほんまに火事やったら閉じ込められて一巻の終りやぞ。常識やないか。サイレンにも驚いたけど、それ以上にエレベーターで避難してきた人に驚いたね、私は。
 部屋に戻って妻が言う。「もし地下で誰かがわざと火をつけて火災報知器を動かして、みんなが避難してる間に空き巣に入ろうとする、ていうことも考えられるねえ」。念のために全部鍵はかけて出たから心配はなかったけど、そういう家ばっかりやないやろう。
 実際、ほんまに強い火事やったらどう避難したらええんか、今日非常階段をおりてみて考えさせられた。そういう意味では避難訓練的な感じになったな。高層マンションの場合、ハシゴ車が上までとどかへん。火事になったらそこである程度覚悟は決めんならんのかもしれへん。そんなことを考えさせられる警報やった。
 ところで、今日は勤務先の学校でもいたずら好きの生徒が非常ベルのボタンを押してサイレンを鳴らしたりしたんですな。学校のサイレンと、マンションのサイレンは全く同じ音。避難を呼び掛けるアナウンスも全く同じ。同じ機械をいれてるんやね。学校ではちょくちょく生徒がいたずらで非常ベルのボタンを押したりして、このサイレンは聞き慣れている。家で同じサイレンを聞いた時、「あ、あいつまたいたずらしよった」と一瞬思い、いやいやここは自宅やと思うとなんか変な気分がした。これもいたずらやという感覚になってしもうた。イソップ寓話の「狼と少年」やないけど、これって危険やなあ。一日に二度も、しかも勤務先と自宅で同じサイレンを聞くなんてかないませんわ。

1月25日(金)

 職場で突発的に残業することになる。原稿の進み具合もあって、今日は早めに帰って本を読んで……なんて考えてたんやけど、そううまいことはいきません。まあ、本業を優先させるのは当然やからね。明日と明後日で一気に原稿を片付けてしまう予定ではあるのですが、さてそう予定通りにいくものやら。

 毎日毎日よくまあこれほどと思うくらい携帯電話に出会いサイトの宣伝メールがくるけど、マンションのポストには「出張ファッションヘルス」なるものの小さなチラシがこれまたしょっちゅう入っている。そんなものを利用しようという人がマンションにたくさんいてるんかいなと思うたりもする。
 チラシの裏には、ヘルス嬢を募集する求人の案内ものっている。もしかしたらこちらが主眼なんかな。新築マンションのローン返済のために、奥さん体で稼ぎませんか、てなことかも。
 人の欲望にはきりがない。性欲、金銭欲、そういったものをあおるこの手のチラシ一枚とっても、そこからいろいろな物語が生まれるのかもしれへんな。旦那の浮気、女房の隠れアルバイト、ばれた時の修羅場……。あれこれと想像してしまう。マンションの場合、住人の顔が見えにくいだけに、そういった物語は生まれやすいのかもしれへん。
 実際のところはどうなんやろうねえ。

1月26日(土)

 今日はひたすら原稿書き。催促の電話がかかってきたりして尻に火がついてしもうた。依頼された分の3分の2くらいまで書く。残りは明日。そのあとに座談会の構成がまっている。こちらはテープ起こしした原稿をいただいた。とにかくひたすら書くしかない。あ、bk1の書評もあったんや。ううむ。

 昨日の深夜、朝日放送テレビ「ごきげん!ブランニュ」という番組を見る。1月23日の日記に書いた、シュールストレミング缶の日記が紹介されるという、あれです。
 トミーズ雅さんの鼻がよくなったんで、お祝いにシュールストレミングの缶をもらう、というシチュエーションで、「シュールストレミングとはなにか?」と解説するVTRで出てきましたよ。「世界一臭い食べ物」というテロップが出たあと、シュールストレミングに関する日記などがいくつか紹介される。中には野尻抱介さんのページもあった。なかなか「ぼやき日記」出てこないなあと思っていたら、一番最後に「さらに極めつけ、『カラスが一斉に姿を消した』!」と登場。日記の背景色もはっきり写っておるぞ。
 結局、雅さんはレインコートにゴーグルというかっこうで閉め切った箱の中にいれられて缶詰を開ける。ぶしゅっとやったあと、「なんやこの臭いは!」「これまでやった仕事のうちで3本の指にはいる嫌な仕事や」と言う。そらそやで、あんなもん閉め切った箱の中で開けたらあかんで。いや、スタジオでやること自体むちゃくちゃや。せめて水の中で缶を開けるくらいにしておかんと、あのスタジオ、しばらく臭いがついて使い物にならんと思うぞ。
 あれはあの臭いをかいだ経験がないとわかってもらわれへんと思う。わかるからこそ笑えるということはあるんやけど。しかし芸人さんも大変やなあ。あんな箱の中でシュールストレミングの缶詰を開けさせられるなんて。
 鬼畜や。

1月27日(日)

 おお、昨日と今日で原稿がずんずん進み、書評関係は全て書き終えた。これで明日から座談会の構成に取り組める。締切りに間に合うかも。こうさくさくといきたいね。学校の方では今月中に学校新聞の原稿をあげねばならん。学校でも自宅でも締切りに追われるというのはしんどいのう。ともかく大量の原稿があがって気分はいいぞ。

 鈴木宗男衆議院議員の顔を評して「アホの坂田」というのは坂田利夫師匠に失礼やないかと思う。造作は確かに似てるかもしれへんけれど、坂田師匠は決してあんな品性のない顔はしてへんぞ。師匠は芸人としての味わいが顔からにじみ出ている。鈴木議員の顔には愛嬌がない。比較するまでもない。というか、芸人さんをあまりにも馬鹿にしてると思いませんか。坂田師匠は芸の上で「アホ」というキャラクターを作っているんで、ほんまのアホやないはず。対するに鈴木議員は権力で人に自分のいうことをきかせようというほんまのアホ。田中真紀子外務大臣が泣こうがわめこうが私の知ったこっちゃないけど、鈴木議員が自分のしたことを隠蔽しようとするような人物やないかというのは顔を見たらなんとなくわかる。ほんまはどうか知らんけど、そんな風に思わせるところがある。ああいう絵に描いたような悪徳代議士というような雰囲気の人物が現実に存在しているというのがお笑いではあるが。もっとも、坂田師匠は人を笑わせ、鈴木議員は人に笑われという大きな違いはあるかもしれへんね。

1月28日(月)

 上野瞭さんの訃報に接する。死因は胆管癌。享年73。
 上野さんといえば人形劇にもなった「ひげよさらば」などの児童文学、そしてドラマ化された「砂の上のロビンソン」などの小説が有名やけど、私には実は一編のエッセイが鮮烈な印象として残っている。
 高校時代やったと思う。京都新聞にそのエッセイは掲載されていた。内容は、今江祥智さんに触発されて自分もヒゲをのばしはじめたがそのヒゲに混じる白髪に気がつき、自分の老いというものを見せつけられてのばすのをやめた、というものやった。
 そうか、老いというものはそのようにしてあらわれるもんなんかと、その時は実感もないままに読んでいたけれど、なぜかその文章は心に残っていた。
 長じて自分もヒゲを生やすようになる。生やしはじめた時には白髪なんかなかった。ところが、ここ2年ほどの間に、一本太い白髪が混じるようになった。これか、と思うた。それでも自分が老いてきたことをあるがままに受け止めようとヒゲはのばし続けている。それが、昨年の夏頃からさらに2本、かなり目立つように生えてきはじめた。さすがにこれはつらい。その2本はのびてきたら切るようにしている。
 なんでそのエッセイのことをおぼえているのか、いまだにわからんけど、こうやって白髪がヒゲにまじるようになって、上野さんが書きたかったことがなんかわかるような気がしてきた。自分はいつまでも若いままでいたつもりなのに、現実に突きつけられる老い。その象徴としてのヒゲの白髪。ヒゲをそることによりどうしてもその老いを認めないようにしたいという気持ち。それが痛いほどわかる。
 そのことを高校生であった私に予告してくれていた上野さんのエッセイ。毎朝鏡に向かうたびにそのエッセイのことを思い出す。大人のエッセイというものはかくありたい。そう思わずにはいられへん。
 謹んで哀悼の意を表します。

1月29日(火)

 教師という仕事をしていてなにが嬉しいといって卒業生が社会に出て立派に活躍している姿を見ることやろうと思う。それは健常児であろうと障害児であろうとかわりはない。
 今日は学校に自分かかつて担任をした生徒がたずねてきてくれた。彼女は軽度の知的障害で、卒業後は1年間の職業訓練施設に通って、現在は大手製パン会社の工場で働いている。ケーキを作るラインにいるということで、現在はバレンタイン用のチョコケーキを大量に出荷する関係でけっこう忙しいそうだ。「そのあとは、ひな祭りのケーキを作るんで忙しくなるねん」という姿は一人前の社会人。決して家庭的に恵まれているわけやなく、在学中も家庭の事情で長期欠席することもあった。そんな彼女がにこやかに仕事の話をする。自分の仕事そっちのけで話を聞いてしまう。
 この不況の中で、障害者の就労事情は決してええわけやない。補助金のおりる2年間は就労させておいてそれが過ぎると首を切るという企業もあった。小さな商店に就職して家庭的な雰囲気の中長く仕事を続けていたけど、不景気が続いて雇い主がどうしても雇い続けられへんようになったというケースもある。そんな状況でも、持ち前の素直さと明るさで仕事を続けている彼女が顔を見せてくれたことで、仕事の疲れも吹き飛ぶ気分。
 講師をしていた中学校の卒業生たちはどうしてるかな。彼らももう成人してるはずやな。もしこのページを読んでくれてたらええのにな。一介の講師やった私にはクラス会や同窓会の案内もないから、近況なんか知りようがない。そういったものがわかると嬉しいんやけどねえ。

1月30日(水)

 一体全体一日に何通無用な携帯メールがくるのやら。いちいち消していて勘定もしてへんけれど、20通以上はあると思う。
 以前は出会いサイトの宣伝ばっかりやったけど、最近はそれ以外の宣伝の方が多い。
 とにかく、や。私は「薄消しハードコアDVD」も、「媚薬」も、「精力剤」もいらん! いったん流出したアドレスは市場をまわっていろんなところにいくんやなあ。
 それにしても、つまらんメールを受けるだけで電池がどんどん減っていくし、携帯電話料も馬鹿にならんのや。こういう宣伝を利用してあやしげな商品を購入する人がいてるからこの手のメールはあとをたたへんのやろうけれど、世間の人々はそれほど性欲が強いんか? それほどセックスのことばっかり考えてるんか? 他にすることはないんか? 私に性欲がないとはいわんけど、こんなわけのわからんもんを何千円も出して買いたいとは思わんぞ。
 やっぱりメールアドレスを変更する以外防御法はないんかなあ。

1月31日(木)

 今日は耐寒遠足。生徒といっしょに川べりをえんえんと歩く。往復9kmの道のりであります。片道4.5kmってわざわざ書かんでもよろしいか。ふだん運動をしてへん者が、つまり私のことやけど、いきなり9km歩くのはきついね。2年前の日記を見ると14km歩いてるんですな。よう歩いたなあ。
 町中を流れる川やからさして見るべき風景もない。お日さんは照ってたけど、川風がきついから汗ばむこともない。ほんまに今日は寒かった。
 そんな寒い川べりで、ゴルフの練習をしている人が何人もいてるのにはちょっと驚いた。あれはショート・アプローチというんですか。アイアンのクラブでボールを軽く叩いてちょこんと飛ばしてる。グリーンに乗せるような場面を想定してるように見えた。なにぶんゴルフはやらへんもんで、それで合うてるんかどうかわからんけど。ボールを足下に何個も転がしておいて、こっつんこっつんと打っている。ただそのこっつんこっつんを繰返すのみ。あんなことしてておもろいんかいなと思いながら通り過ぎる。折り返し点で弁当を食べて、少し休憩してから帰路につくと、同じところで同じおっさんがまだこっつんこっつんをやっている。2時間はゆうにたっていたぞ。その間、ずっとこっつんこっつんをえんえんとやってたんかなあ。となると、あれはそうとうおもろいもんとみえる。
 こっつん。おっ、思うたところに飛んだぞ。こっつん。あ、ちょっとずれた。こっつん。ああ、スライスしたがな、あかんがな。今度こそ、こっつん。おお、だいぶええとこにいったぞ。こっつん……。
 こんな感じかな。しばらくあるくと別なおっさんがこっつんこっつんをしている。あれはもしかしたらめちゃめちゃ面白い練習なんかもしれへん。もうしばらく歩いたら4人ほどでこっつんこっつんをしている。こちらは「いやあ、やられたなあ」てなことをいいながらわいわいと楽しそうや。してみると、ゴルフというのはグリーンに出んでもこっつんこっつんだけで十分楽しめるもんらしい。それやったらわざわざ山奥にカントリークラブなんか作らんでも河原に芝生をしいといたらそれでええような気がするな。
 あのおっさんたちは平日の昼間に河原でこっつんこっつんを長時間やってたわけやけど、仕事はせんでもええんやろうか。もしかしたら失業中で無聊をかこっていてやることがないからこっつんこっつんをえんえん続けてたんやろうか。ようわからん。
 ゴルフというのはかなり面白いものらしい。そやからというて私自身やろうという気には今はならんけどね。


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