ぼやき日記


4月21日(日)

 サブマシンとしてノートパソコンを買おうかなあと考えている。職場がかわり、仕事をする上でどうも必要になってきたからであります。
 つまりその、私は自宅ではMacintoshを使うておるわけですね。ところが、これでは家で文書を作っても職場のWindowsパソコンでは使用でけへんという難点が生じてきたのであります。生徒と共用のパソコンはいっぱい職場にあるんやけど、例えばテスト問題の作成やプリントアウトは、それではちょっとやりにくい。
 ああもう、マイクロソフトに屈服するみたいでいややなあとは思うけど、背に腹はかえられんか。今日の「たちよみの会」でその話をしていたら、岡田英之さんがいろいろとお勧めのやすくてよいマシンについて教授してくれはった。やはりこういうのはくわしい人のアドバイスを聞くに限る。私が現在も使用しているパソコンを買うた時にも、くわしい人に相談したもんです。
 まあ、すぐには買わんけど、来週くらい電機店にいく用事がでけたんでちょと見てこようかなと思うている。それにしてもマイクロソフトの勢力はやっぱり強いよなあ。なんか悔しいなあ。まあ、MacとWindowsの両方が使えるようになる分だけ得やと、ええように考えるべきなのかもしれんけどね。

4月22日(月)

 昨日録画した「仮面ライダー龍騎」を見ていたら、カーチェイスの場面で車がフォッグランプをつけているのを妻が指摘した。このシリーズはロケ地を探すのが大変みたいで、「アギト」でもアクションシーンではみんな白い息を吐きながら戦っておりましたな。おそらく早朝夜があけると同時に撮影を開始していると思われる。市街地での戦闘が多いから、人のいてへんところで撮影せんならんのやね。苦労のあとがしのばれます。
 昔の仮面ライダーはショッカーの基地の近くでの戦いというのが多く、それはたいてい石切り場みたいなところやった。怪人はたいてい崖から墜落して爆発死しておりましたね。
 まあ、昔も今も人に迷惑のかからんようにロケをするという伝統は息づいているわけですな。
 それにしても今の仮面ライダーはみなさん早起き。宵っ張りの朝寝坊の私にはとうていライダーはつとまりまへん。カードを差し出されてもそれを理由にことわらなしゃあないねえ。

4月23日(火)

 今日テレビ大阪の野球中継を見ていたら、けったいなCMをやっていた。サラリーマンらしき男がエレベーターに乗ったら、いっしょに女性が乗ってきて、ドアがしまると一枚ずつ衣服を脱ぎだし水着姿になるんであります。エレベーターのドアがあいたら、そこはすぐにプールサイド。プールの前で振り向いたその女性は誘うように男を見る。男は急いでネクタイを外しはじめる。
 フィットネスクラブのCMかと思うたら、さにあらず。「安心できる先物信用取り引き」の会社のCMやった。いかにも怪しい。明らかに安心できませんな。女で男をつってエレベーターの途中でおろそうというコンセプト自体に何やらうさんくささを感じさせる。
 UHFローカルのCMにはなにか不思議なものが多い。昔見たので特に印象に残ってるのは、AV女優の憂木瞳が出演していたテレクラのCMというのもあるけど、子どもの頃に見たキャバレーの宣伝かもなあ。大橋巨泉みたいなキャラクターのアニメで「雨が降ってもササンサーン」という歌が流れるのと、同じキャラクターを使うた「まんまん満月十三の、まんまん真ん中サロンまん」という歌が流れるのであります。いったいどんなところか大人になったら行ってみたいもんやと思うていたが、キャバレーに行くような大人にはならんかったんで、「サン」や「サロンまん」という店が今でもあるのかすら知らん。
 関西のUHFのCMは時代を越えて怪し気なのでありますね。

4月24日(水)

 今月に入ってからほとんど小説を読んでへん。環境が新しくなって、心身ともに疲れのピークという感じで、そういう時には頭が働かへんから小説を読むのが実に難しい。それでも締切りをいくつかかかえているんや。今週末こそ原稿書きに邁進せねば。
 で、頭が働かん時はムックをながめているのが一番。星野バブルのおかげでタイガース関連本がちょくちょく出るのでありますが、先日買うた「猛虎大鑑」というベースボールマガジン社のムックはすごいぞ。過去にタイガースに在籍していた選手の中から安打数と勝ち星数の順に打者200人と投手100人をピックアップした選手名鑑があるかと思えば、その選に漏れた短期間の移籍選手や開花せずに終わった選手なども別項で紹介している。そして、チーム創立以来在籍したすべての選手の成績を選手名の50音順に並べた成績表も労作である。もっとも、昨年在籍した酒井投手が抜けているのはどうしたことか、というツッコミもできないことはないけれど。
 選手名鑑はとにかく圧巻。池田純一外野手、望月充外野手、池辺巌外野手、後藤和昭内野手、中野佐資外野手、桑野議外野手、東田正義外野手、片岡新之介捕手、ロバート・テーラー外野手、ダグラス・オルト内野手、キム・アレン外野手、池内豊投手、御子柴進投手、藤原仁投手、佐藤秀明投手……ああこんな選手いたなあ、地味やったけどけっこう好きやったなあなんて、子どもの頃からの記憶がよみがえる。
 ついでに現役ではタイガースにはいてへんかったけど、コーチとしてユニフォームを着た人も紹介してほしかったところやけど、そこまでマニアックなものは作られへんか。まあとにかくタイガースファン感涙ものですぞ。
 こうなったら、ベースボールマガジン社は他のチームのものも作って「大鑑」シリーズにしてほしいぞ。それでは採算があわんですか。

4月25日(木)

 本日発売の「S−Fマガジン」6月号に久々の新作SF童話『星の種』が掲載されております。いつもは人の作品を批評する側でありますが、今回は批評される側やねんなあ。ぜひ御感想をお聞かせ下さい。ボロカスな反応ばっかりやったらどないしょ。

4月26日(金)

 昨日から今日にかけて勤務校のホームルーム合宿のため神鍋高原へいってまいりました。夜のクラスミーティングでは、ふだん語ることのできないことをけっこう赤裸々に語ったりして、高1の入学すぐにこういう経験をするということは今後の人生においてもかなりインパクトがあるんやないかと感じた次第。本音で物を語ろうとするにはかなり難しいものがあるけれど、いろいろな意味でまだ人生の垢がこびりついてない年頃やからこそ、自分の内面を告白できる場というものは貴重なものやないかと思うた。それでいてテレビの「しゃべり場」みたいに妙に青臭くならんかったのは、ディスカッションという形式やなく短いスピーチという形やったからでありましょう。
 思えば私の15歳の時にこういう経験があれば、私も人間関係を構築する方法というものをそれなりに会得していたかも。実際、自分の趣味を一方的に語るオタク人間にどんどん進んでいったわけやし。もっとも、それをつきつめていって現在の私があるということを否定してはいかんのやけどね。
 飯盒炊爨でカレーを作った時に、これまでの養護学校経験がけっこう生きた。かまどでの火起こしの指導やなんかは毎年のように林間学校にいってみようみまねでやっていたことをそのままやっていけばよかったんでね。毎日「養護学校での9年のキャリアはなんやったんや?」と悩むことの多かった4月ではあったけど、まさかこういう時にそれが発揮できるとは予想もしてへんかった。というよりは、普通の高校ではそうそう飯盒炊爨の指導なんかやらへんわな。ジャージの袖口が熱で溶けだした女生徒がいて、そのジャージを私の手で脱がせるという行動を自然にとれたのも、養護学校勤務で得たものかもしれへん。教師がいきなり生徒のジャージの端を持って脱がせるというような指導は一般の高校ではあまりないと思うけど、養護学校ではしょっちゅうとはいわんまでもちょくちょくある。遠慮をせず何の抵抗もなくそういう行動をとれたということは、これ養護学校に勤務していたからこそかもしれへん。
 そういう意味では、新しい勤務校でいろいろときつい思いをしている自分をとにかく打破できるきっかけになる2日間になるのやないかという気がする。

4月27日(土)

 4月9日の日記に書いたビデオのリモコンの話でありますが、電機店にいってきくとリモコンは取り寄せになるというし、妻が「お客様センター」に電話したら「修理はできない、買い直してもらわねばならない」との返答。送料とあわせて1万円近くつく。こうなったらリモコン買い直すかあと決意して一ケ所だけボタンが馬鹿になったリモコンをあけてみた。予想通り基盤の接触が悪いということはわかったんやけど、これはもう手の出しようがない。
 それから妻が新聞の折り込み広告を見ていると、家電量販店で買うと新しいビデオデッキが1万2千円くらいで売られてるやおまへんか。リモコン一個を購入するのに1万円出すんやったら、少し足して新品のデッキを買い、今使うてるデッキと併用したらええやんかということになった。
 なんやかんやで忙しく、やっと今日家電量販店へ行く。商品の主力は完全にDVDとハードディスクビデオに移ったという感じやね。VHSのデッキの安いこと安いこと。Gコード対応やったりするとちょっとだけ値があがる(2千円程度かな)というくらい。
 リモコンは修理はきかんし買い直すくらいやったら新品を買うたほうが早いというのはどういうことですか。そらビデオデッキが2台あったら同じ時間帯に録画したいものが重なった時は便利やけど、我が家の場合、そこまでひんぱんに録画してるわけやないしね。堺三保さんはテレビのチャンネルの分だけデッキを揃えてはったけど、これはまあ仕事にも関係してくるからしかたなかろう。まあ、そこまでデッキを並べてどないすんねんと思わんこともないけどね。我が家はそこまでする必要はない。
 リサイクルのしにくい家電製品をこういう感じで消費するというのは、なんかおかしいように思うね。こんなことしてたらゴミが増えるのは当たり前やと妻が言うた。全くその通りやと思う。リモコン一台と新品のリモコンつきデッキ一台とが金額にして3千円程度しか違わんというのは、その理由は理解はできても納得はでけへんね。家電メーカーの周辺にはもったいないお化けがうろついたりはせんのやろか。今度小林泰三さんに会うたらきいてみよ。

4月28日(日)

 昨日の日記に対して、小林泰三さんから掲示板でお返事をいただきました。ビデオデッキが安すぎるということやそうで、これは流通の問題なんでしょうね。ちなみに私が問題にしているリモコンは録画予約のできるリモコンでして、今回壊れたのは予約設定の部分のボタンなんです。電機店で販売している各社共通リモコンではうちにあるビデオデッキでの録画予約はでけんのです。専用のリモコンやないとあかんのです。目のつけどころがシャープすぎるのです。会社ごとに録画予約のシステムが違うからしかたないのです。で、新しいデッキを買うた方が実は安上がりと、こういうことなんですね。小林さん、ありがとうございました。

 今日は昼ごろ外出し、妻とともに観劇。「扇町ミュージアムスクエア」に行く。ここでは以前北野勇作さんの所属する「虚航船団パラメトリックオーケストラ」の公演を見にいったことがある。今回は違う劇団で招待券が手に入ったんで疲れをおして見にいったんやけど、途中で眠ってしまう。芝居がつまらんかったというわけやなく、観劇に耐えられる体調やなかったということであります。
 ところで、この「扇町ミュージアムスクエア」は近いうちに閉館になるという。もともとガス会社が使うていたビルをメセナ事業の一環として改造したものやから、この不景気で採算が取れんかったらやむを得ないということになる。そやけど、小劇団にしたら、ここの閉館は大打撃やろうな。使用料はいくらか知らんけど、規模といい設備といい、ちょうどええサイズのもんやからね。
 一方では、バブル時に地方自治体によって作られたホールは入れ物はあってもそれに見合ったソフトがないということで問題になってるらしい。そういうところはホールにしてもけっこう規模が大きくて、小劇団向きやない。
 小劇団の公演というソフトはあるけど、それに見合ったハードがなくなろうとしている実態、そして大ホールというハードはありながらソフト不足に問題があるという実態。このいびつさは結局バブル景気の負の遺産ということになるんやろうなあ。ほんまにバブル時代を境目に、ものの価値観やらいろんなものがおかしくなってしもうたわけやけど、これもまたその一つの現れやと思うと、日本の文化をとりまく環境の貧しさということを再度考えさせられることではありますね。

4月29日(月)

 今月締切りの原稿2本をなんとかあげる。二つとも大幅に遅れての入稿。うち一つは初めて仕事をする相手先だけに、締切り破りだけはすまいと思うてたんやけど、休みの日にも出かける用件ができたり帰ってから仕事をしようと思うても疲れ切ってなにもでけへんという感じやった。
 一時は本も読まれへんという状況やったからなあ。本を読もうと思うても本に手がのびませんのや。普通の場合は気分転換に本を読むという感じになるんやろうけど、私の場合は長年の書評生活で読書は一所懸命するものになっていて、ちっとも気分転換にならん。
 どうも私は単細胞で一つのことに集中しはじめたら他のことがでけへんたちやねんな。つまり新しい勤務校での生活が自分のすべてになってしまい、余裕を失うという感じかな。
 書かれへんだけに原稿のことは気にはなってて、かえってそれがプレッシャーになってしんどったりした。昨日と今日でその原稿もあがり、やっとプレッシャーから解放される。ほんまにここ5年で一番しんどい4月になってしもうたなあ。その4月も明日で終わり。やれやれ。
 そろそろ小説が読めるようになってきたかな。5月はこれまでの分を取り返すぞお。

4月30日(火)

 食玩は買わんようにセーブしていたんやけど、「未来少年コナン」のラムネつきフィギュアが発売されていたんでついつい買うてしまう。造形はようがんばっているけれど、彩色が荒いのが難点。といいつつ結局そろえようとしてしまうんやろうなあ。それにしても今度は「未来少年コナン」ですか。さあ次はなんや。武部本一郎原画の「火星シリーズ」フィギュアなんてどうです。これは売れんか。

 ジョージ・アレック・エフィンジャーさんの訃報に接する。享年55とは若すぎる。共同通信配信の死亡記事では、代表作に「重力が衰えるとき」や「新・猿の惑星」シリーズとある。なに? 私の記憶ではテレビシリーズの「猿の惑星」のノヴェライゼーションを担当してたけど、「新・猿の惑星」シリーズてな表記やなかったと思うたが。
 というわけで、今回はちゃんと調べましたぞ。書庫にもぐりこんで引っぱり出してきましたよ。ハヤカワ文庫NVで「猿の惑星/逃亡者人間」「猿の惑星/明日への脱出」「猿の惑星/決死の逃亡」の3冊(いずれも1975年刊)。もっとも、著者名は「ジョージ・A・エフィンガー」になってるし、解説では「エフィンガーは七◯年代からSFの名門F&SF誌に短編を発表しはじめた新人ですが、最近の作家の常として、どうもとらえどころのない経歴の持ち主です」なんて書いてある。マーヴェル社で漫画の原作を書いたりしていて長篇2冊と短編集1冊が出たばかりの「かけだしの作家ですが、早くもその才能が見込まれてお声がかかったわけでしょう」という、まあ仕事ならなんでも引き受けていた時代の産物ですわな。それを代表作扱いされたんではあまりにもエフィンジャーさんに失礼というものでありましょう。ちなみに映画「新・猿の惑星」のノヴェライゼーションはジェリイ・パーネルの手になるものであります。これも手元にあるから間違いない。
 まあつまり海外SF作家の認知度なんてこの程度のものなんでありますね。SFファンとしては悔しいけど、これが実態なんやからどないしようもあらへん。
 テレビ版「猿の惑星」のノヴェライゼーションはエフィンジャーさんの代表作やないぞ。共同通信の記者は何を考えとんのじゃあ。
 謹んで哀悼の意を表します。

 明日は甲子園でナイター観戦のため更新はお休み。次回更新は木曜深夜の予定です。


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