ぼやき日記


7月1日(月)

 湿度が高くて体がベトベトし、疲れやすい。嫌な季節やね。昨年の夏は「疲れを取るには酢を飲むのよ! 黒酢は高いのよ! もったいないのよ!」と妻がミツカン酢とりんごジュースのオリジナル・カクテルを出してきたものですが、なんと今年はちゃんとした飲料用の酢を買うてきてくれたやないか。「琉球もろみ酢」なる紙パックの飲み物。「沖縄石垣島の自然の恵み」とパッケージには書いてあり、シーサーの絵が添えられている。そのわりには「マルキン忠勇」とまるで醤油メーカーみたいな社名が入っている。販売者の表記を探すと、香川県小豆郡……。小豆島の醤油メーカーに違いない。なんか嫌な予感がしたけど、ジュースみたいで飲みやすかった。よかったよかった。いやしかし、醤油メーカーといえどもそればっかりでは今どきあかんのやろうね。まあ健康食ブームでもあるから、醸造技術を生かして商品開発をしているのやなあ、生き残るのは大変やなあ。それにしても小豆島の「琉球もろみ酢」というのも不思議な商品ではあるなあ。もっとも、たぶん原材料は沖縄産なんやろうから、外国産の和牛やらに比べたらまともな商品やないかね。

7月3日(水)

 今日は妻といずみホールへ。狂言風オペラ「ドン・ジョヴァンニ」管楽八重奏版という公演を見にいく。演奏はドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン管楽ゾリステンに狂言は茂山宗彦さん。
 モーツアルトのオペラを狂言風に翻案し、茂山宗彦さんが独り芝居のような形で演技をし、そこに管楽の演奏でアリアがはさみこまれる。「カタログの歌」や「シャンパンの歌」などおなじみのアリアが、音色のまろやかな木管で奏でられる。
 面白い試みやね。桂小米朝さんが「オペらくご」というのをやったりしてるけど、オペラと古典芸能はけっこうあうんかな。会場には狂言ファンの人もけっこういたみたいで、そういう人たちがオペラのCDを聴いてみたり、またクラシックファンの人たちが狂言にも関心を持ったりしたらええんやけど、そこまでいくかなあ。
 宗彦さんは袴に足袋でバレエを踊ったりと熱演。ただ、初演ということもあって、ややぎこちない部分もあった。いっそのこと、音楽抜きで翻案の狂言にしてしまうのも面白いんと違うかな。それくらい、うまいこと翻案でけてたと思う。
 それにしてもいずみホールは残響があってええ音に響くなあ。もっとも、狂言の台詞は残響が多いとかえって聴き取りにくくなるという難点もあって、そこらが難しい。
 とにかく、これは今回だけの企画にするには惜しいね。再演をするなどして宗彦さんの持ち芸として深めていってほしいと思う。いや、楽しい一夜でした。

7月4日(木)

 いやほんまに蒸しますなあ。ちょっと歩いただけで汗が体にまとわりつく。去年も暑かったけど、今年も暑い。去年の今頃は汗をだらだら流しながらコンクリートむき出しの部屋で本を箱詰めしてたんやなあ。それに比べたらまだ快適なはずなんやけどね。

 一昨日も昨日も外出、今日は家にいてたけど、タイガースの試合はラジオでしか中継してへん。こういう時に頼りになるのがスポーツニュース。で、昨日も一昨日もフジテレビ系の「すぽると!」を見てたんやけど、これがなかなか野球ニュースをしよらへんのです。ほなら何をしてるかというと、とっくに終わったW杯サッカーの話題で番組前半をつぶしている。スポーツニュースなら、スポーツニュースらしく、最新のニュースを優先的にやるべきでしょう。しかも、やっとプロ野球ニュースが始まったかと思うと、ハイライトともいわれへんものをじゃんじゃかじゃかじゃかじゃんじゃんじゃんといううるさいだけの音楽をバックにちょろりと流すだけ。得点シーンを少しだけと藪が三振をとってるシーンを少しだけしかやらん。
 これがあの「プロ野球ニュース」の後継者やと思うと情けなくなってくる。「プロ野球ニュース」はそれまで結果だけを報道していたスポーツニュースに対し、プロ野球全試合を解説つきできっちりと見せる画期的な番組やった。たとえ中継を見られへんでも、「プロ野球ニュース」ではハイライトシーンだけでも十分にその試合の面白さが伝わるというありがたい存在やった。それやのに、この構成はなんや。あのジャイアンツの広報番組「スポーツMAX」がジャイアンツ以外の試合でもそれなりにちゃんと報道してるのとえらい違いや。私は日本テレビもジャイアンツも嫌いやけど、それでもまだ「スポーツMAX」の方がましやと思うてしまう。
 どうした「すぽると!」。「プロ野球ニュース」時代の志はなくなったんか。もうこれからは「すぽると!」は見んとこう。たとええんえんジャイアンツの試合を見せてそれを報道と思いこんでいる御用番組であっても、「スポーツMAX」を見ることにしよう。ビデオに録画しておいたら、そんなものは早回しでとばしたらええこっちゃからね。ハイライトとさえいわれんちゃちな映像を流すだけの「すぽると!」には愛想をつかすことにする。
 「プロ野球ニュース」の初代キャスター佐々木信也さんはどう思いながら「すぽると!」を見てはるんやろう。先人への敬意も何もない後継者に内心忸怩たる思いをいだいてはるんやないかと思わずにはいられんね。

7月6日(土)

 昨晩はクラシックファンのためのスナック『ショパン倶楽部』へ。おなじみのメンバーで楽しく呑む。場所が京都なんで腰をすえてというわけにいかんのが残念やけどね。

 結局「ウルトラマンコスモス」の杉浦太陽は不起訴。被害届を出した方が前言を撤回したりと不可解な展開。もっとも、杉浦太陽の出世ぶりをやっかんで訴えたはいいもののことが大きくなりすぎた、やとか、訴えをとりあげた時点で守口警察が有名人対象ということで張り切りすぎて一つの証言からむりやり大きな結論を引き出そうとしたか、なんて推測はできるけど。一番の被害者は切り刻まれた「総集編」なるものでわけのわからん最終回を見せられることになった視聴者やろうね。もっとも、毎日放送は未放映分の放送を検討し始めたそうな。となると、お蔵入りしかけている分が日の目を見ることになる。再放送時には杉浦太陽ぬきの総集編はカットされるこことになるやろうから、これを録画していたら、それはお宝になるかも。はい、私録画してました。わーい、お宝お宝。
 スケールの小さいお宝ではあるなあ。

7月7日(日)

安倍晴明人形
 今日は大阪市役所の催しで、新作の文楽「恋の陰陽師」を見に行った。安倍晴明(写真左)を主人公にして、蘆屋道満ならぬ「有馬道蘭」と術比べをしたり、帝位を狙う「葛城親王」の野望を防ぐべく式神をとばしたりする。もっとも、本筋よりも道蘭がよこした刺客「舞姫梨枝」との恋物語が見せ所となっていたんやけど。
 会場は市役所の玄関のだだっ広い空間に作られた特設ステージ。座席はパイプ椅子。観客は事前申し込みをして当たった大阪市民。つまり、大阪市の文化事業の一環として、文楽初心者にも楽しめる舞台というのがこの催しのコンセプトであります。そやから、義太夫も文語文を極力排し、現代文に近づけるなどということをしてる。そやけど、節回しは義太夫やからね、かえって違和感があったな。ストーリーもかなり単純で、それなりに面白かったけど、ちょっと食い足りん。
舞姫人形
 というても、私らのような初心者にはとっつきやすかったのは確かやね。少しゆっくりめにいったんで、席が後ろの方しかあいてへんかったんで、人形の細かい動きなんかをよく見られへんかったのが残念。それでも本番前に人形の動きを紹介してみたり、終了後に撮影会をして人形といっしょに写真をとらせてもろうたりできて、なるべく文楽に興味をもってもらおうという試みがされてたんがよかった。妻も気に入った人形と並んでおすまし。ここにアップした写真も、その撮影会で取ったもの。舞台での写真もズーム機能でとったんやけど、距離が離れすぎててぶれたりぼけたりしてた。
 文楽の人形の顔は品があってよろしいね。今回は太夫、三味線、人形遣と若手が力をあわせて作った舞台で、こういう企画はもっとあってもええと思うぞ。今度は国立文楽劇場に行って見てみたいもんです。大阪にあるのに行かへんのはもったいないわなあ。
 それにしてもタイトルの「恋の陰陽師」というのはちょっと恥ずかしいぞ。いくら新作でももう少し工夫したタイトルにならんかったんか。「安倍晴明恋の泰山府君」てなタイトルはいかがかな。いやほんま、恋人が死んだら泰山府君の法をするんですよ、この晴明。そんな簡単に死者をよみがえらせてええんか晴明。

7月8日(月)

 私がある生徒に「おジャ魔女どれみ」を毎週見ているというようなことをいうたわけです。すると、その生徒は「いい大人がロリータアニメを見てるなんて! きっと毎週標準モードで録画して保存してるんだわ!」てなことをいうわけです。いや、そこまで執着してませんがな。三倍モードで録画して見たら上から別な番組を入れてます。
 それにしても意外やったんは、「おジャ魔女どれみ」をロリータアニメと位置づけられたことでね。私も妻もそういう意識は全然なくて、細かいところまで行き届いた構成と、そのテーマ性の高さに毎回感心しながら見てるんですね。正直なところ、たまにちらりと見る大人向けのドラマなんかより、よっぽど脚本がしっかりしていると思う。魔女というファンタスティックな設定にリアリティを持たせるため、学校や家庭の環境などをきっちりと描きこんでいる。30分という時間にドラマを凝縮させているから、つい一所懸命見てしまう。声優さんも大阪弁をしゃべる子はちゃんと大阪出身の人を起用したり、チャイドルの役には元アイドルを起用したりと芸が細かい。少なくとも演技ができない人気タレントを起用して視聴者をなんとかごまかそうとアップ多用の上に小刻みなカット割りで演出するような小賢しいドラマ作りの姿勢とは違うと思う。
 そこらへんのよさが高校生にはわからんのかもなあ。少なくとも彼女らが生まれる前から私たち夫婦はアニメを見てきてるわけで、年期だけは入ってるからね。小学生の女の子が主人公のアニメを即ロリータアニメと決めつけてはいかんよ。それやったら、「魔法使いサリー」から綿々と続く魔女もの全てをそういう視点で語らねばならんことになる。それは間違い。視聴者をちゃんと想定しているから同世代の少女を主人公にしているというだけの話やろう。
 いわゆる「萌え」の要素を意識的に詰めこんで一部マニア受けを狙ったような作品とは違うと思うがねえ。そこらあたりの見きわめがつかんもんなんかなあ。

7月9日(火)

 あれだけ食玩がコンビニに並んでるのに、なんでかしらん手塚関係のキャラクターものにお目にかかったことがない。これは私には幸いで、そんなものが店に出ていたら店に置いてある分を買いつくしてもそろえようとするやろう。
 と思うてたら、ローソンだけのオリジナルらしく、サントリーのペットボトルに手塚キャラのボトルキャップがついているのを見つけてしもうた。職場で飲む飲み物は、紙パックのお茶と決めているから、これには手を出さんようにしたい。そうせんと、そこにあるCCレモンなどを洗いざらい買うてしまいそうになるからね。
 またこれがレジの横に置いてあるわけですわ。紙パックのウーロン茶をレジに置き、横目でちらちらと見る。「1本だけ……」。とうとうCCレモンに手をだしてしもうた。職場について袋を破る。ライヤのボトルキャップやった。そう、「ジャングル大帝」レオの彼女であります。しげしげと眺め、その造形が実にたいしたことないのを確認した。ああよかった。これが惚れ惚れするほどのできやったら、明日から私は毎日CCレモンを買うてるところや。この程度のできなら、集めたいとは思わん。
 それにしても、せっかくの手塚キャラなんやから、もっとていねいにこしらえてほしいなあというファン気質も首をもたげてくる。なんかこうもどかしいというか、複雑な気分ではありますね。

7月10日(水)

 先日、「パルナス」廃業という報道があり、朝日新聞の夕刊に一面でとりあげられた上にCMソングの歌詞が全部載っていたりなんかしてびっくり。この日記でもずいぶん以前に書いたことがあるけど、その記事を書いた人は同世代に違いない。
 実は昨日の朝、ラジオ番組「おはようパーソナリティー道上洋三です」でパルナスCMの曲の入ったCDをかけるというので急いでカセットテープをとってきて録音した。なんと道上アナウンサーの奥様が歌っていたりするそうで、これはびっくり。聴いて感激。そう、この声や。慈愛に満ちた母の声や。妻と二人してしばらくじーんとしていた。
 録音したテープには道上さんたちのおしゃべりがまじっている。当たり前といえば当たり前なんやけど、これはもう純粋にCDだけを手元に置いておきたい。話を聞いてたら、このCDは道上さんの奥様が持ってはったもんやそうで、とすると、市販はされてへん可能性がある。「パルナス」が何かの記念にプレスしたものかもしれへん。さっそく番組に電話して「CDは入手できませんか?」と質問したけど、番組ではとりあげてもらわれへんかったみたい。
 となると、ますますほしくなる。企業のCM集やからラジオ番組の企画としてはCD復刻というのはやりにくいやろうな。
 それにしても、たかがCMソングというなかれ。ここまで胸が熱くさせるCMソングが他にあるやろうか、というくらいじーんとした。ううう、道上さん、CDを貸して下さい! それは無理か。
 真剣なお願いです。どなたか「パルナス」のCMソング集のCDを持っておられる方はいらっしゃいませんか。いてはったらご連絡下さい! ほんまはどこかレコード会社が発売してくれたらその方がええんやけどねえ。


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