ぼやき日記


7月21日(水)

 野球中継を見ていて気になったことを書く。
 7回のタイガースの攻撃の前にファンがロケット風船をとばしたあと、みんなで「六甲颪」を歌うんですわ。そうすると、アナウンサーが「さあ、『六甲颪』の大合唱です!」てなことを言うんだ。思うに、合唱というのは「男声二部合唱」やとか「混声三部合唱」というようにいくつかのパートに分かれて歌うのをいうわけなんやけど、どう考えても応援席の「六甲颪」はみんな同じパートをそろって歌うてるようにしか聞こえんのですな。これはつまり「斉唱」やなかろうか。入学式や卒業式では「校歌斉唱」というやん。スタンドの「六甲颪」も同じやないかなあ。
 む、今日の中継は横浜球場からやった。もしかしたらハマのタイガースファンは、外野席で上のパート、内野席で下のパートと分かれて歌うてるんかもしれんぞ。それやったら甲子園も負けてられへんな。ライト側は上のパート、レフト側は下のパートというようにちゃんと「合唱」せんとな。これが実現したら凄いぞう。守っている相手チームの野手も聞き惚れるかもしれんな。
 そんなあほな。

7月22日(木)

 いかに泥酔していたからとはいえ、ナベツネ氏が朝日新聞の行った世論調査の結果に対して「何がファンの声だ。君らが勝手に煽動しといて。そんなことはね、関係ないよ」と発言したのは、新聞社の会長としてはいかんのではないかい。それも記者出身ですぞ、この人は。「世論は関係あるよ。あるけど、君らの予想が間違ってんだよ」と、まるで調査結果自体が間違いやといわんばかりやないですか。それやったら読売新聞でも同じ世論調査をしてみたらどないだ。そこで朝日と同じような結果が出たらどないするんや、この人は。ぜひ他紙も同じような世論調査を実施してほしいものでありますね。

7月23日(金)

 とうとうHDDレコーダーを買うてしもうたのじゃ。前々から欲しいとは思うていたんやけれども、機能も出そろい価格も安定してきたみたいなんで、えいやっと買うことにしたのじゃ。むろん、カタログを熟読玩味してどういう機種がよいかを検討したのはいうまでもないけどね。
 ヨドバシカメラから送られてきた情報誌に、ハードディスクに2つの番組を同時に録画できる機能のついた機種が発売される旨書かれていたので、こういうのが欲しかったんやと狙いをつける。しかも、アンテナを現在使用しているVHSのデッキにもつなげば、一度に3つの番組を録画することも可能や。DVD−RWとDVD−RAMの両方が使用できるというのも決め手の一つ。互換性があるから、職場の同僚からどちらの方式で録画されたものを借りても大丈夫。また、どちらの方式が市場から脱落しても慌てんですむしね。
 設置に一苦労。正しくつないだはずやのに、テレビ番組を受信でけへん。なんでかなあ、ケーブルテレビの会社からマンションに一括して送られてくる電波やからかなあ。何度も設定をやり直したけれど、どうもうまくいかん。同軸ケーブルが傷んでるのかなあとアンテナのコードをつなぎ直して初めて気がついた。私はHDDレコーダーにアンテナをつながず、直接VHSのデッキにアンテナをつないでいたんや。そら写らんわい。
 ちゃんとつなぎ直して、無事設置は完了。まず試しにHDDに今写っている番組を予約してみる。おお、美しい映像や。録画予約のやり方を覚えるために何度も予約セットをしてみる。だいたいやり方は覚えたぞ。
 その他、ごちゃごちゃと機能はついているけれど、今日はこれくらいで許したろ。とりあえずVHSでできたことくらいはできるようになったぞう。しかもテープの入れ間違いやら入れ忘れやら、これまで繰り返してきた失敗をせんですむぞう。
 さて、HDDレコーダー操作の習得はこの夏でどこまで進むかな。まずは職場においてあるビデオを持ち帰って編集し直してDVDに焼いてみようかな。またひとつおっさん用のおもちゃが増えたみたい。もっとも、このデッキを一番使うのは妻やろうとは思うんですけどね。

7月24日(土)

 私はちゃんと見てへんけれど、妻は見てます「冬のソナタ」。もっとも妻は「ヨンさまぁ〜」などという具合に熱中してるんやなくて、ストーリーやドラマの作りが昔の日本のドラマを思い出させるのを面白がって見ている感じですね。
 で、妻が今日「冬のソナタ」を見ていて言うには、「ペ・ヨンジュンが受けてるのは吹き替えの声が萩原聖人やからかもしれんね」というような指摘をした。優しそうな声がええんやそうな。というのも、民放の別の局でペ・ヨンジュン主演のドラマをやっていて、妻はちょっとだけそれを見たそうなんやけれど、声を聞いただけで「違う!」と見るのをやめたらしい。
 確かに、「刑事コロンボ」はやっぱり小池朝雄やないとと思うしね。「新・刑事コロンボ」では石田太郎が小池朝雄の声色でやってて実によく似てるんやけれど、芝居のニュアンスがちょっと違う。ピーター・フォークが出演した映画で女子プロレスのマネージャー役をやってた映画(タイトルを忘れた)では穂積隆信が声を当ててたけれど、はっきり別人のような気がしたしね。もっとも、映画館でピーターフォーク主演の「ブリンクス」という映画を見た時はもちろん字幕スーパーで本人の声やねんけれど、絶対こいつピーター・フォークと違うわと思うたもんなあ。穂積隆信の方がフォーク本人の声に近いんやけどね。いやほんまに声は大事ですよ。例えば冬樹蛉さんがかん高い声やったら、かなり印象は違ってたと思う。
 というわけで、ヨン様人気を支えているのは実は萩原聖人やったのです。その割にあんまり報われてへんように思うぞ。気の毒なことですなあ。

7月25日(日)

船渡御
 今日は天神祭。日本三大祭の一つやね。というたら、妻は「ほんまに?」という。大阪が誇る盛大な祭なんやから、それくらい知っといてほしかったなあ。まさか岸和田のだんじりや布団太鼓が日本の三大祭の一つと思うてたんと違うやろうね。そこまでやないですか。
 大川のほとりをぶらぶら歩く。船渡御が始まったばっかりで、チヤンチキチャンチキとお囃子に乗って川面を進む船もあれば、演歌歌手が歌う船もある。それぞれの船の司会はたいてい若手の落語家や漫才師。そうかあ、天神祭は若手芸人の書き入れ時やねんな。船が橋の下を通る時、橋の上の見物客に「うーちましょ、もひとつせ、祝うて三度」と大阪締めの手打ちを船の客がする。見物客も合わせて手を打つ。それぞれ逆方向に進む船が通り過ぎる時も「うーちましょ」をやる。なんか、見てるだけで楽しい。橋や船が近いから、ほんまに交流してるなあと思う。落語に「遊山船」というネタがあるけれど、あの噺で橋の上から船に向かって声をかける場面があった。あれを思い出したね。
 凄かったのはサントリーの出している船で、船の舳先にばかでかい缶ビールが飾ってある。これ、あまりにでかいんで、橋の下を通れそうにない。どないするんやと見ていたら、ビールをおろすと空気を抜いてたたむ。ビール缶を乗せていた氷をかたどった台もぺしゃんこにしてしまう。橋を通り抜けるとまた速攻で膨らましている。ここらあたり、宣伝上手のサントリーらしいなあ。
 天神祭というと、これまではテレビでしか見たことがなかったけれど、こうやって生で見るとなんかものすごく楽しい。私は祭になると血がうずく、というようなタイプやないんやけれど、今日はほんまになんか胸がわくわくするようで楽しかった。
 夜店のお面を見ながら、「あれはデカレンジャーでこっちがアバレンジャーやな。おお、仮面ライダーカリスのお面があるぞ。こら珍しい」とはしゃいでいたおっさんは、私です。夜店では鶏の空揚げがよう売れていたなあ。
 来年は橋の上から見下ろしてみたいなあ。そしたら花火もよう見えるしね。

7月26日(月)

 朝青龍が泥酔して高砂部屋の玄関のガラスを割ったとかいう騒ぎがあったそうな。一部報道によると師匠である高砂親方との間にトラブルがあるらしい。師匠と弟子のトラブルで思い出すのは、先代立浪親方と横綱双羽黒のトラブルやね。親方夫人が双羽黒にやられたと腕を吊って報道陣の前に現れたのがいまだに強く印象に残っている。結局双羽黒は、親方が廃業届けを出してしまい、角界を去った。先代立浪親方はそのあと娘婿の元小結旭豊に部屋を譲り、その当代の立浪親方ともトラブルを起こした。親方株売買に関する訴訟は、ついこの前敗訴が確定している。
 どちらに非があったのか、今さら犯人探しをしても仕方がない。問題は朝青龍と高砂親方のトラブルやね。高砂親方は穏便に解決しようとしているけれど、朝青龍はどうやろうか。もし朝青龍に非があったとしても、朝青龍は「勝てばいいんだ」くらいに事態を見てる可能性はあるね。というのも、昨年の今ごろは朝青龍と旭鷲山がトラブルを起こし、スポーツ紙も週刊誌も朝青龍にかなりきつい非難を浴びせていたけれど、秋場所に朝青龍が優勝すると非難はばったりとやんだ。私は横綱としての朝青龍についてはここに書いたことがあるけれど、こういう事件が起こると、やっぱり朝青龍の育ってきた文化と大相撲のしきたりというのはあい入れんもんなんかなあと思う。朝青龍なりに理解しようとつとめてはきたけれど、勝てば非難が止まるのならば、文化を受け入れるよりも勝ち続けたらそれでええということにもなるやろう。とすれば、師匠でも受け止められんものを誰が受け止められるか。
 モンゴルや東ヨーロッパからやってきた力士たちが上位陣を占めるようになったら、大相撲の文化を師匠がどこまで理解させるか、その理不尽さをどのように力士本人が受け止めていくのかがますます大きい問題になっていくやろうね。そのためにも、今回の事件をきっかけに朝青龍がこれからどうすればええのか、相撲協会は師匠に任せっきりにしとかんと、ちゃんとした方針をたてるべきやろうと思う。そうやなかったら、こういうトラブルが次々と出てくるんと違うかな。

7月27日(火)

 まず1リーグありきという発想が気にくわん。いや、プロ野球の話ですけどね。オーナー会議でもまだ正式に議題にあがっておらん1リーグ実施やのに、それを前提に会議が動いているのが気にくわん。タイガースの野崎球団社長が性急に1リーグ化を進めるんやなく、時間をかけて進めようと提案しているにもかかわらず、ジャイアンツの三山氏はアジア各国の優勝チームを加えたプレーオフを実施してその勝者がアメリカのワールドシリーズのプレーオフに参加するという夢みたいな提案を打ち出してきた。こらこら、来年それは確実に実施できるんやな。韓国や台湾のリーグもアメリカのメジャーリーグも了承してるんやな。それやったらやったらええがな。1リーグにしました。それから世界一決戦を各国に提案しました。そやけど全ての国から断わられました。したがって日本シリーズにかわるものはなくなりました。てなことになる可能性の方が高いんと違うか。なんでこんな夢みたいなことを平気で提案するようなチームの言い分が通って、ファンや選手のことも考えた現実的な案を出しているチームの言い分は異端者扱いされるんや。まったくもって不可解なことばかりやねえ。

7月28日(水)

 中島らもさんの訃報に接する。享年52。死因は脳挫傷。去る7月16日に階段から転落した際に頭部を強打しそのまま意識不明となり、意識を失ったまま……。
 早すぎる死か、あるいは予想されていたものか。鬱病、アルコール依存症、そして大麻所持。現代では珍しい破滅型の作家やったんかもしれん。おそらく繊細で、そして頭のまわる人やったに違いない。そして、そういう人にとって、この社会はほんまに生きにくいもんやったんやなかろうか。
 私が初めて中島らもさんの名を知ったのは雑誌に掲載されていた「かねてつ」の広告やった。シンボルキャラクターのかねてっちゃんを使った親子のシュールな笑いは、当時学生やった私には非常に刺激的なものに写った。朝日新聞で「明るい悩み相談室」を連載し始めた頃やと思うけれど、NHKが中島さんを「十日戎」のレポーターに起用するという大胆なことをしていたのが今でも思い出される。テレビの画像を見た私の父が、「なんでこんなフーテンみたいなんが出てる!」と怒っていたことまで覚えている。盛り上がる祭を背景に、ぼさぼさ頭にサングラスでぼそぼそとしゃべるというミスマッチが無性に面白かった。
 私を打ちのめした小説は「ガダラの豚」で、呪術をモチーフにして描き出される悪夢のような世界に圧倒された。かなり分厚い本やったけれど、一気に読んだ。「こんな小説が書ける人がいてるんや……」。読了後、しばらく何かしようという気も起こらんというような傑作やった。
 演劇活動に関しては、その舞台をちゃんと見てへんのでコメントは差し控えるけれど、そうやって自分が動くことによって社会との折り合いをつけて生きていった人やったんやなかったかなあと思う。こういう人はめったに出てこんやろう。最後の最後まで「破滅型」を貫いて生きた。いつかは訃報に接することになるやろうと覚悟はしていたけれど、実際にこうして死亡記事を読むと、やっぱりショックやったね。
 謹んで哀悼の意を表します。

7月29日(木)

 昨日が5時間37分、今日が4時間41分。合わせて10時間18分。何の数字かというと、タイガースとドラゴンズの試合の時間であります。2日も続けて延長戦をしまいまで見ていると、とにかく疲れる。
 朝から暑さでだくだくに汗をかいて疲れ、昼は仕事で疲れ、夜は野球を見て疲れ、夜中は熱帯夜で寝苦しくて疲れてたんではばてるのも当たり前ですな。というわけで、今日の日記はここまで。いやほんまにしんどいんだ。
 週末はなんと東から台風がやってくる。なんじゃそらという感じですな。朝からシャアシャアシャアシャアとクマゼミが鳴いてるのを聞くだけでよけい疲れる。日記のネタを考えるとよけい疲れるんで、こんな日記になりました。すまんのう。

7月30日(金)

 台風が近づいてきていて、風が強い。私の家は高層マンションの中程にあるんやけれど、それでもかなりの高度で、風の音がびゅうびゅうと響いてくる。職場からの帰宅途中に、妻に電話をしたら、「風が強くて怖い」といわれた。地表にいると心地よいくらいやったんで面喰らった。家に帰ってやっと妻の気持ちがわかった。音の響きが違うんですな。高くなればなるほど風は強くなるんかなあ。今も窓の外の風の音がびゅうびゅうと聞こえてくる。建物に風が当たる音やろうか、どおおおんという音が時々まじる。どこかで反響しているのかぼぼぼぼおんという音も聞こえてくる。
 リビングの窓を開けてると強い風が気持ちよく、冷房もいらん。とはいえ音は変わらず響いてくる。風の心地よさと音の激しさのギャップが怖さを増幅させるのかな。ベランダは風で飛ばされた箱などが散らばったりしている。何か飛んできたら危ないなあ。
 窓を閉めたら音は小さくなったけど、蒸し暑い。うちはエアコンは2人ともあかんので買うてもいないから、それはそれで不便ではありますね。

7月31日(土)

 昨晩の「朝まで生テレビ」は、プロ野球をテーマにした討論会。何かというとサッカーの例を持ち出す二宮清純、ナベツネ氏の親友として登場し、ライブドアの堀江社長がTシャツ姿なのをなじることしかでけん三宅久之、ジャイアンツあってのプロ野球を強調する役割を与えられながら最後までその立場を貫けなんだヨネスケ、論点や話の流れを読めない発言を繰り返していたライオンズの前監督東尾修と、なんだかなあと思うような人たちもいたけれど、さすがに政治家もできる江本孟紀や、上岡龍太郎と上野千津子に弁舌を鍛えられた遥洋子はポイントを押さえながらも言いたいことをわかりやすく主張していた。
 なによりもその存在感で圧倒していたのは古田選手会長ですな。選手会の主張をきっちりと伝えた上で、とんちかんな発言に対しても理路整然と反論し、プロ野球界の問題点を非常に明晰に提示してみせた。この人物ならナベツネ氏の恫喝にも負けんのやないかと視聴者に思わせたと言うてええやろう。そういう意味では昨夜の「朝まで生テレビ」は古田のためにあった番組みたいな印象を残した。私としてはサッカーの成功例をつきつける広瀬という人の発言よりも、長年球団経営にたずさわってきたクラウンライター、西武、ダイエーの元球団社長である坂井保之の意見というものをもっとたくさん聞きたかったんやけれども。
 影が薄かったのは元スワローズの栗山英樹。ちゃんとしたことを言うてるんやけど、古田と発言がかぶるんで、せっかくの球界きっての理論派やのにあんまり出番がなかったなあ。
 ともかく古田は凄い。偉い。彼が指導者になったらどんな野球をするんやろう。それだけやない、監督をやめたあとはぜひ球団経営に参画するかコミッショナーになるかしてほしいぞ。
 出席者の顔ぶれを見ていて思うたのは、ここに星野仙一がいてたらなあということ。星野が一喝したらヨネスケなんか謝っていたんと違うか。出席していないことで逆にその存在感の大きさを感じさせるという人はそうはいませんぞ。


てなもんや囲炉裏端 ゆっくりまったり掲示板ですお気軽にご利用下さい。

メールはこちらまで。どうぞよろしく。


過去の日記へ。

ホームページに戻る