ぼやき日記


9月21日(水)

 おかげさまで(誰の?)下柳の好投でドラゴンズに一矢報いまして、マジック6です。
 今季2度目の「お立ち台」では下柳投手は感想をきかれて「どきどきしています」。金本といっしょにインタビューを受けるのは「恥ずかしいです」。どういう気持ちで投げてたかというと「勝てたらいいな、と」。JFKのリリーフを応援している時の気持ちは「勝てたらいいな、と」。
 うけるツボを押さえてるというのか、簡単な言葉だけで満場の観客をどっとわかすのはすごいなあ。これはもう「芸」ですよ。ファイターズから移籍してきて3年目やけれど、ようこんなキャラクターを手放してくれたもんやね。しかもこれでなんと最多勝トップの13勝目。
 ここというところでの勝ち星が多いから、13勝全てに値打ちがある。ええぞ下柳。
 井川君、エースというのはこういう投手のことをいうのですぞ。目の前にものすごいお手本があるのになあ。
 そういえばジャイアンツにも工藤というお手本がいてるのに若手投手はなにも学んでおらんみたいな気がするな。
 とにかく、今日は下柳投手のおかげで仕事の疲れも吹き飛んだぞ。ありがたいことです。

9月22日(木)

 金田一秀穂さんがテレビ番組に出演して、言葉についての解説をしたりする時に、いちいち「じっちゃんの名にかけて!」というたりしたら面白く……もないか。それにしても金田一京助、春彦、そして秀穂と三代続けて言語学、国語学を専門にしているというのも考えてみたらすごいことやね。偉大な祖父や父の業績の前に恐れおののき身震いし、「私はハマダラカの生態研究に一生を捧げる」とかいうてもかまわなんだやろうにね。政治家の三代目なんかよりもよほど勇気ある行動やないかと思う。
 ただ、父の春彦さんが亡くなられたらその地盤を引き継ぐようにテレビに次々と出演しているし、「金田一」という姓は言語学者として立派な看板でもあるわな。ということは、政治家の三代目に通じるものがあるということか。

9月23日(金)

 デーゲームでタイガースが勝ちまして、マジックナンバーは5に減った。ナイトゲームでドラゴンズが勝ったので、一気に2つ減らすというわけにはいかなんだけれど、この3日間、タイガースが3連勝してドラゴンズが3連敗というパターンやと、一昨年と同じように試合が終ってから胴上げをえんえん待つということになってしまう。この3連戦が終った時点でマジック2くらいやとちょうどええね。それやったら甲子園のジャイアンツ戦に勝って胴上げができる。
 すんませんなあ、毎日こんなことばっかり(でもないけど)考えてますねん。浮かれはしゃぐんやなく、それでも内心どきどきしながら「その日」を待つ。私がものごころついてからこんなに前の優勝との間隔が短いのは初めてやからなあ。なんか落ち着かん変な気分なんですわ、これが。

9月24日(土)

 お彼岸なのでお墓参りにいってきた。霊園の入り口でけんかしている親子がいてる。息子らしいのが怒っていて、母親らしいのがべそをかいている。「怒らせてるんはそっちやんか!」「そんなん言うても、あんたわかってくれへんやない」。息子は30過ぎくらいか。もう少し若くて息子と顔がそっくりな女性が同じように怒っている。娘かな。嫁にしては顔が似過ぎてるもんなあ。そやけど、墓を目前に親子げんかすんなよ。なんか、反抗期に入った中学生くらいの男の子が、子離れのでけてへん親につっかかってるみたいやね。こういう場合は妹が「みっともないから、今はやめとこ」くらい言うた方がええように思うけれど、よその親子げんかに私が口出ししたって仕方ないし、だいたい聞いてて不快になってきたし、とっととバケツを手にして墓へ行った。人前で親子げんかだけはせんとこ。いかに恥ずかしいものかようわかる。親の前では自分は子ども時代に戻るなあと思うけれど、白昼に公衆の面前でええ年したおっさんが子どもに戻ってしもうてる姿というのは、実にみっともないものやとようわかった。

 お墓参りから帰り、野球中継を見る。快勝してマジックは4に。夜はドラゴンズが勝ったんで、最短優勝は甲子園でのジャイアンツ戦のある28日ということになった。ええがな、これでええんやがな。ふふふふ、皮算用通りにいってるぞ。けっけっけ。あと4つか。くっくっく。

9月25日(日)

 朝夕めっきり冷え、「暑さ寒さも彼岸まで」を実感しております。でも天気予報では明日の最高気温は摂氏30度の予想。体温調整の難しい時期だけに、隊長は宍戸開、いや体調を崩さぬように気をつけて下さいね。

 マジックは1つ減って3に。いやしかし、毎日放送もサンテレビと提携してリレー中継をしてくれよ。今岡の9回2死からの逆転ホームランをリアルタイムで見ることがでけんのはいらいらしますぞ。試合開始30分前からスタジオでトミーズや千秋などがわあわあ言うておりましたが、そんな企画よりも完全中継を見たい! それがでけへんのに放送権を取るくらいやったらサンテレビに譲ったってや。その方がファンといっしょに折り鶴を折るなんちゅう企画よりもよほどファンに喜ばれますぞ。

 マジレンジャーが今週の回でお約束のパワーアップ。大人は「こうやって新しい玩具を売るんやな」とわかるけれど、果たして子どもたちは毎年この時期に必ずあるパワーアップについてどう思うてるんやろうね。まあ鋭い子どもはだいたいわかってるやろうと思うけれど、あまり深くものを考えん子どもはどうなんやろう。こういうのは、自分の子ども時代を思い起こしても参考にならんのですよ。今ほど玩具を売るシステムが完成してなんだやろうし、仮面ライダーやウルトラマンの装備もシンプルやったからね。どちらかというと怪獣や怪人のソフビ人形が主力商品やったと思うなあ。
 小学生低学年までのお子さんをお持ちになっている方がいてはったら、そこらあたり教えていただければ嬉しいです。教えてもろうたからどうやというわけではありませんけどね。

9月26日(月)

 妻が先日録画した深夜映画『恋はハッケヨイ!』を食事時に見る。
 変なタイトルの映画やけれど、これ、1999年製作のイギリス映画なんですね。主人公は太っている人妻。失業中の夫にかわり工場で豆の仕分けの仕事を始める。ここの主任はなぜか太った女性をどんどん採用するのである。なんでかというと、秘密クラブである女性相撲のメンバーを集めてたんですな。秘密クラブやから夫にも内緒。帰りが遅くなる妻に不審を抱いた夫は、妻をこっそり尾行するが森の中でなにやら不思議な動きをしているのを見て、妻がエイリアンに乗っ取られたと思い込んでしまう。女相撲を日本からきた男性力士との公開試合に出場させることにした主任がスポンサーに取り組みのデモンストレーションをしているところに乗り込んだ夫は思わず土俵に乱入。力士に投げ飛ばされて大怪我をしてしまう。妻は試合に参加するのを断念するが、テレビ中継をしているのを見て思わず会場に直行し、みごとに相手のヨコヅナに勝利し、土俵上で夫と包容しめでたしめでたし。
 相撲の描写が微妙に変ではあるけれど、よく研究していて、相撲ファンの私としてもまあ許容範囲か。
 実はこれ、日本映画『Shall We ダンス?』の裏返しなんですなあ。日本映画が英国出自の社交ダンスを扱えば、英国映画は日本の国技である相撲にする。日本版が夫を主人公にすれば、英国版は妻が主人公。このひねり具合がまことにイギリスらしい。日本版をそのままリメイクするアメリカと違い、イギリスはそんな野暮なことはせんのやね。きっとイギリス人が見た『Shall We ダンス?』の社交ダンスは、日本人が『恋はハッケヨイ!』に見る珍妙な女相撲と同じくらい珍妙なんかもしれん。
 それにしても不思議な映画ではあった。日本公開時にどういう反響があったか知りたいところやね。とはいえ邦題の『恋はハッケヨイ!』というのはなんとかならんか。現代は『シークレット・ソシアル』つまり「秘密クラブ」というわけ。直訳やとなんの映画かさっぱりわからんけどね。妻の意見は『Shall We スモウ?』にしたら映画の意図がはっきりわかってもっと話題になったのに、というもの。確かにそうかもしれんなあ。
 いやいや、深夜映画には時々こういう謎な掘り出し物があるから油断がでけん。参りました。このまま削除するのが少し惜しくなってDVDに焼きましたが、果たして再び見ることがあるのか?

9月27日(火)

 今日はドラゴンズはベイスターズに勝利して、これで明日の岡田監督の胴上げはなくなった。一昨年の優勝と違い、タイガースは足踏みをしてへんけれども、2位のチームが踏ん張ってるからなかなか優勝が決まらん。下手したら10月5日の最終戦で胴上げなんてことになるんやないかと心配になってきた。そうなったら我が目で胴上げを確かめることができるから嬉しいともいえるんやけれど、負けたらプレーオフなんちゅうことにもなるわけやからね。ああ気が気やない。

 気が気やないのは自分のクラスの生徒の進路指導で、いやほんま、家に帰ったらへろへろになっている。17や18の生徒たちがいかに狭い世界で生きてて、世間の広さをわかってないかということを痛感させられる。もっとも、それがわからんから大きな夢を見ることもできるわけで、夢見る時期を過ぎたおっさんの理屈で彼らの世界をはかることはでけんのやなあ。可能性を秘めているというのはすごいことである反面、それだけの危うさもあるわけで、それが表裏一体になっているところに「若さ」の魅力があるんやね。毎日しんどい思いをしつつも、いろいろな発見があるわけです。
 ただし、ここでは具体的なことに一切触れません。読む人が読んだら誰のことかわかってしまうようなことを書くわけにはいかん。ヤンキー先生が母校を追われたのは、そこらあたりの感覚が欠落していたからやないかと私は思うている。養護学校時代の思い出はそろそろ書いてもかまわんかと思わんでもないけれど、それでも誤解を招かんような配慮は必要やから、慎重にならざるを得んのですよ。
 そらまあ書きたいことはいろいろあるわな。×××に××して×××で××したりするな、とか。××××せなんだら×××を×××でええんか!、とか。××××を前にして××で××になったりするな!、とか。は、なんのこっちゃわかりませんか。わかったらいかんから伏せ字にしてるのですよ。それやったら書かんでもええか。

9月28日(水)

 とうとうきたよ。タイガースが勝って、ドラゴンズが負けたよ。優勝マジックが1になったよ。明日タイガースがジャイアンツに勝ったら、ゆゆゆ優勝ですよ、旦那。あと15年は待たんならんと思うていたタイガースの優勝ですよ、奥さん。いざその日を前にすると、2年前に優勝してるというても、やっぱり落ち着かんのですよ、先生。明日、仕事が手につくんやろうかと思うわけですよ、大将。そやからいうて仕事を休んだりしたら家で1日ずっと貧乏揺すりをしながら18時開始を映っていないテレビの前で待って過ごしたりなんかしてしまうんやないかという気がするんですよ、兄貴。なんでここまで心乱れるのですかねえ、坊ン。
 ところで、明日の試合を録画する場合、サンテレビの中継かNHKBSの中継かどちらを取るか迷うている同僚がいてるわけですよ、お母さん。映像を美しく残したいならBS、興奮をともにしたいならサンテレビ、というわけですわ、社長。いっそのこと両方録画しはったらどないだ、と思うけれどもそこはそれダブルチューナーやなかったら同時録画はでけんよね、マスター。やっぱりここは選ぶなら負けても負けても負けても負けても完全中継を続けてきたわれらがサンテレビの実況を永久保存版にすべきやと思うけど、どないですか、お嬢さん。
 ああもう今からこんなに興奮してて今晩眠れるんやろうか、お師匠はん。
 とにかく! 頼んまっせ! 明日一発で決めてや、監督。

9月29日(木)

 岡田彰布監督は、強運の男やと思う。子どもの頃から大ファンやったタイガースにドラフト1位のくじ引きで当たり、新人の年にはオールスターでいきなり初打席初安打初ホームランという離れ業をやってのけ、21年ぶりの優勝ではクリーンアップトリオの一角としてバックスクリーン3連発など伝説的な場面の立て役者となって日本シリーズにも優勝し、タイガースを退団した後はしばらく雌伏の時を過ごしたけれど、監督となった時の優勝のシチュエーションはまるで誰かがシナリオを書いたようなものになっている。
 甲子園で勝って、相手がジャイアンツで、亡き父親の誕生日で、ウイニングボールは立て役者の金本がつかんで。嘘やろと思うくらい上出来のお膳立てやないか。
 吉田監督の胴上げは全てビジターで、しかもリーグ優勝の時は引き分けの幕切れやった。
 星野監督の時は試合では劇的なサヨナラ勝ちやったけれど、胴上げはマジック対象チームの敗戦が決まるまで待たんならんかった。
 岡田監督は、強運の星のもとに生まれてるんやないかと思う。
 タイガースが優勝しました。
 20年前は涙があふれて止まらなんだ。
 2年前は嬉しくて嬉しくてたまらなんだ。
 今年は、当たり前のように優勝が決まり、拍子抜けしたみたいな感じで胴上げを見つめていた。強いチームの優勝って、こんな感じなんやなあ。万年Bクラスのチームが突発的に優勝した時の感激とはまた違う、なんとも不思議な嬉しさ。
 タイガースが優勝しました。
 このサイトを開いた時から4年連続最下位やったのにね。この3年で2回も優勝やて。
 ほんまかな。嘘と違うよな。
 明日の新聞を広げたら堀内監督が胴上げされてる写真が1面を飾ってる、なんてことはないよね。
 タイガース優勝おめでとう。
 じんわりと、嬉しい。

9月30日(金)

梅田の駅売店にて
 一昨年の教訓を生かし、今年は東梅田の売店に直行しました。スポーツ新聞5紙セット袋付きを楽々ゲット。しかも今回は朝日、毎日、産経、讀賣とローカル紙の大阪日日もまとめ買いをする。かなり早めに行ったから、まだそれほどお客でいっぱいという感じにはなってへんだけどね。
 梅田駅の売店では、スポーツ新聞全てを並べ、セットも作った上で、まだ荷ほどきをしてない新聞の塊が写真のように積み重ねられていた。売店のおばちゃんが殺気だった様子で「スポニチそっちに出てる?」「今あけまーす!」と声を掛け合う。横手で見てたら迫力満点ですわ。
 仕事帰りには夕刊紙やいち早く出された優勝記念のタブロイド判なども購入。なんと「日刊スポーツ」は優勝してから半日とたってへんのにきちっとしたグラフ誌をもう発売していた。早い! ほとんど作って印刷もし、数ページだけ昨日の試合の写真を入れて夜のうちに刷ってしまい、午前中には製本裁断もすませて出荷したんやろうけれど、この早さには驚嘆したね。
 あ、全部買いました。明日から続けて出る予定になっている記念紙も買うでしょう、きっと。なんというのか、今回もやっぱりアホでした。ただ、2年前の記憶をもとにちゃんと学習して行動したんで、ロスが少なくなってますな。さて次はいつやろか。
 来年?

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