ぼやき日記


3月12日(日)

おがわさとし紙婚式
 昨日11日は、漫画家でイラストレーターで精華大学講師のおがわさとしさんと詩人である奥様の実駒さんの紙婚式パーティーに出席した。入籍1周年やそうです。いわゆる結婚式も披露宴もしてへんお二人のために友人たちが幹事となって遅ればせながらのお祝いのパーティーを開いたというわけです。
 「紙婚式」にちなみ、BGMは「イッツ・ア・オンリー・ペーパームーン」。なかなか洒落てるじゃありゃせんか。高校時代の先輩や同級生、コミティアのご友人、大学の教え子というような親しい人たちばかりが集まった手作りパーティーで、参加者には名刺が渡され、近くの人々と名刺交換をして交友を広げてもらおうという趣向。幕張のSF大会みたいや。
 実はこの名刺、余興のゲームのネタにもなっていた。まずおがわさんが、参加者のポラロイド写真を1枚ひき、当たった人が交換して持っている名刺から実駒さんが1枚ひく。その人の手持ちの名刺からまたおがわさんが1枚……。という調子で10人まで当て、その人たちがくじをひいてご夫妻が選んだ素敵なプレゼントをちょうだいするというゲームなんですね。ありきたりなビンゴ大会やジャンケン大会なんてところにいかないのがお2人らしくてよいなあ。

 で、おがわさんが1番最初にひいたポラロイド写真は……私でした。驚いたなあ。他には「SFマガジン」にも執筆しているスズキトモユさんなどが当たってました。私がいただいたプレゼントは、絵本史上に残る作家、武井武雄さんの本。お2人の共通の趣味ということで選ばれたらしい。実は私も子どもの頃から武井武雄さんの絵は大好きで、ほんまに嬉しかった。
 会場は京都の木屋町通りにあるフランス料理店やったけれど、ここの料理もワインもデザートも実においしかった。こういう趣味のええ会場を選ぶ幹事さんたちを友人に持っているというところに、お2人の趣味のよさが現れていると思うたね。
 おがわさんのタキシード姿は珍しいので、写真をのっけておく。ウェディングドレス姿の実駒さんは可愛らしくてよかった。配られた結婚ファンジン(?)を読むと、なんとお2人の年齢差は12歳! ひと回りも違うたんか。私はその驚きを「実駒さんは『宇宙戦艦ヤマト』の本放送の後に生まれた人やねんなあ」と表現したけど、妻にあきれられてしもうた。そやけど、私らの世代やったら、この方がわかりやすいと思いませんか。まあ、「燃えよドラゴンズ」発売の年という表現もでけんことはないけれど。タイガースファンとしては、金田正泰監督最後の年というと話が通じるか。よけいわかりにくくなったか。
 話がそれた。
 とにかくいい雰囲気の楽しいパーティーやった。おがわさんのデレデレぶりを見るだけでも値打ちがあったぞ。
 二次会のお誘いもあったんやけれど、昨日は夜は「日本芸能再発見の会」の久々の例会があったりしたんで、パーティーのみの参加となった。大阪に引き返し、心斎橋の喫茶店でしばらく本を読んで時間をつぶしてから例会に。こちらは例会の後の打ち上げに参加し、おいしくお酒をいただく。なんやかやと慌ただしいようなのんびりしたような、そんな日やった。
 今日は今日で私が顧問をしている演劇部の卒業公演が学校であって、朝から夜まで付き添い。高校生が「半神」というなかなか難しいお芝居に挑戦した。こちらも卒業公演らしく、カーテンコールでは3年生が感極まって泣いたりし、こちらもいろいろな思い出が浮かんできて胸の奥が熱くなった。

3月13日(月)

 朝青龍の相撲がおかしい。帰宅してすぐに録画しておいた相撲中継を見たんやけれど、まるで子どものケンカみたいな感じになっている。
 強い時の朝青龍の相撲というのは、強引に見えてもちゃんと流れと型を作っている。そやのに、今場所の朝青龍はおかしい。先場所、連覇が途切れた影響が出ているんやろうか。
 相撲というのは、ただの力比べやない。裸で組み合い、相手の呼吸を読みながら、バランスを崩した方が勝ちという「技能」の競技やと思う。一直線に押して勝つ場合でも、自分の押しのリズムを作り、相手のバランスを崩す「技能」が要求される。そやから、力任せに押していったら土俵際でいなされて逆転負けを食らうことになる。
 今場所の朝青龍には、そのリズムが感じとられへん。力比べの域を脱してへんのですわ。強靱な足腰で自分のバランスを保っているから勝てているけれど、下位の力士にはそれが通用しても、栃東や白鵬クラスの力士には通じないのやなかろうか。
 朝青龍ばっかり強うても面白くないけれど、がたがたに崩れてしもうたらもっと面白ない。頭のよい力士やからいくぶん修正はしてくるやろうけれど、体というのは実はそう思う通り動いてはくれんもんやからなあ。
 いったいどうした朝青龍。

3月14日(火)

 ワールド・ベースボール・クラシックの二次リーグ初戦で、日本チームが得点したと思ったら、アメリカの球審が判定をくつがえしたことが新聞で大きくとりあげられているけど、私はこういうことが起こってもおかしくはないなと冷静に見ることができた。
 なんでかというたら、以前読んだ「大リーグが危ない」という本にこの大会の開催意図が書かれていたからなんやね。
 日本で相撲人気が低調なように、アメリカでも「国技」たるべき野球の人気の凋落は激しいものがあるらしい。そこで、シーズン前にアメリカはこんなに野球が強いんですよみんな野球を見て下さいどうですアメリカの野球は世界一ですよというイベントを開催して、盛り上がったところで公式戦に突入という、まあそういう図面をひいているということらしい。
 ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手が不参加であるのは、公式戦を大切にしたいという思いがあるだけやなく、こういう図面がわかっているからなんやろうと思うし、イチロー選手が参加しているのも、もしかしたら日本代表としての栄誉よりも客寄せのイベントにのっかった方が得策やと思うたからかもしれん。ここらあたりの真意は、まあわからんけどね。
 というわけで、アメリカチームは何がなんでも勝たなならんという事情があり、そのためには審判が判定をひっくり返すくらい当たり前と思うて試合を見といた方がええということやと、私はかなりさめてます。もっとも、日本代表やのなんやのというナショナリズム的なものよりも阪神タイガースの勝敗というローカリズム的なことの方が私にとっては大切やから、かな。藤川も久保田も怪我をせんと帰ってこいよ。大リーグの客寄せよりも、タイガースの勝利の方が大事やねんからね。
 個人的にはマリーンズ監督バレンタインさんの「あの審判は『ミスターボーク』と呼ばれるほどボークばっかり取るやつさ」という審判への悪口がおもろかった。メッツ監督時代、くだんの球審とは判定をめぐってかなりやり合った間柄らしい。それやったら日本代表チームの監督にバレンタインさんを起用したら祭としたらぐんと面白くなっていたやろう。
 まあ、こんなオールスター・ゲームよりも秋にアジア・シリーズの優勝チームとワールドシリーズの優勝チームが試合するようなシステムを作ってくれんかな。野球のチームというのは、好守走のバランスが大切なんであって、花形ばっかり集めたからというてほんまに強いチームができるわけやないと思うからね。

3月16日(木)

 昨日は所属学年の打ち上げ宴会があった。京都のちゃんとした旅館が会場で、夜をあかして飲めるように宿泊つきという形に幹事さんがしてくれた。まともな旅館だけに、さすがに夕食と朝食もおいしかった。よう考えてみると、私は「京都の旅館」なるところにまともに宿泊するのは生まれて初めてかもしれん。
 学生時代に泊まりOKの宴会の幹事をしたことがあり、そういう形の宴会を用意しているホテルで寝泊まりしたことはあるし、「京都SFフェスティバル」ではとてもまともな旅館で合宿をしている。そやけども、これらのケースは観光旅館としてのサービスがついてへんから、まともに宿泊したということにはならんように思う。
 ちゃんと個別の寝部屋があり、広間に団体客用の膳と鍋が用意してあったりする。私は風呂にも入らず飲み疲れてそこらへんにごろ寝という、まるでSFイベントの合宿と同じことをしてしもうたけれども、他の方たちは食事前に入浴し、浴衣を着て夕食をとるという、いわばちゃんとした旅館での作法にのっとった泊まり方をしてはった。
 芦原温泉や赤城山温泉、あるいは有馬温泉など、旅館に泊まったことはあります。そやけど、「京都の旅館」に泊まるなんていうことは考えたこともなったなあ。そやかて、京都に住んでたんやもんなあ。多少遅くなっても深夜にタクシーに乗ったら家に帰れるわけやしね。
 他の地方の人たちやったら修学旅行で「京都の旅館」に泊まったりしてるやろうけど、そんな観光地に住んでいる人間にとっては、実は生涯縁がないところやったりするかもしれんのやなあ、これが。
 だからどうやということは全くないけど、「京都の旅館」なるものに初めて泊まったというだけで、なんか嬉しかったという、ただそれだけのことです。もてなしは特別他の温泉旅館と違うというようなところはなかったんやけどねえ。あっそうそう寝部屋のテーブルに「生八ツ橋」がおいてあったのに感激した。そうかて、温泉宿に行ったらたいてい田舎饅頭やねんもんな。

3月17日(金)

春場所2006
 ワールド・ベースボール・クラシックの2次リーグではアメリカ代表がメキシコ代表に敗れ、なんと日本チームが幸運にも決勝リーグに残ることになった。かくしてアメリカの野球機構の目論見はここにきて崩れてしまったのでありました。一応3年後に第2回が開催される予定らしいけれど、こうなると開催そのものが怪しくなってくるような気がする。どうでもええけど、今回は私の予想はドミニカの優勝やな。

 今日は休暇を使って恒例の大相撲春場所見物。携帯で写真をとったら、なんか大阪府立体育会館がキラキラと輝いている。こんな写真がとれるとは思わなんだので、ここにはりつけておく。土俵上では朝青龍が横綱土俵入りをしているんやけれど、全く見えませんな。
 今年は東方の上の方の椅子席で観戦。チケット販売のところでは今年も元琴錦に売ってもろうた。私の横で前売り券を買うていた外国人のお客に英語で受け答えしているのは元敷島やないか。英語が得意やとは知らなんだ。もぎりは元三杉磯。案内の女性がエレベーターに乗せてくれたら、元長谷川と乗り合わせた。相撲見物で楽しいのは、元力士の親方があちらこちらにいるのに出くわすことかな。
 私の左側に陣取った年配の女性2人はかなり相撲通のコンビ。会話の内容を横で聞いていると、国技館に行ったり相撲部屋にも行ったりしているみたいや。右側に陣取った老夫婦は、たいていの夫婦がそうであるように、夫であるお爺さんがええかっこをして奥さんにやたら説明して知識をひけらかす。間違いが多いので横でげんなりしてしまいました。幕下力士の福薗は、そのお爺さんによると「寺尾の弟」らしい。違うぞお、親戚やぞお。幕内以上の力士については正確な知識があるみたいやったけど、十両以下についてはかなりええかげん。毎日テレビで中入り後の相撲はみているけれど、十両以下についてはそんなに熱心に見てへんのやろうな。こういう人を見ると、くわしく知らんことについては人前で話してはいかんと自戒するね。そうかて、自分のまわりに座っている人の中にはきっと毎日のように本場所に通っている人かていてるかもしれんねんで。通ぶった説明が勝手に耳に入ってくるだけにこういう人が一番困る。聞きたない聞きたない。
 相撲は熱戦が多くて面白かったけれど、稀勢の里が立ち合いの変化で勝ったのにはがっかりを通り越して腹がたった。将来横綱を狙おうかというような逸材のそんな相撲を生で見たくない。それから、魁皇が全く力の入らん相撲で4敗目。実は、もしかしたら今日は魁皇最後の相撲になるかもという気がしたので、この日を選んだんやけれど、予感が当たらねばよいが。
 あと、アイスクリームの売り子のお嬢さんが可愛かった。妻がいっしょやったら相撲そっちのけで騒いでいたに違いない。
 打ち出しの後、難波の駅の手前で前任校の同僚と会う。その先生も相撲を見にきてはった。ただし、お子さんとごいっしょでしたが。買い物があったので日本橋に行くと、作家の都築由浩さんとばったり出くわす。いやいや、思わぬ人に会う日やな。こういうのって、なんか嬉しくなるね。

3月18日(土)

 職場で使用しているノートパソコンのハードディスクがとうとうへたれてしもうた。
 大事な書類を作成している途中にフリーズしたりエラーが出ていきなり画面が真っ暗になったりする。強制終了をその度に繰り返すから、ハードディスクはますますへちゃへちゃになり、起動ディスクが見あたらんから再インストールせいと命令し、リカバリディスクで起動させて再インストールしている最中にエラーが出たり。
 というわけで、これはもう修理に出してハードディスクをまるまる入れ替えねばならんという状況になってきた。とはいえ、何週間も修理に出していたのでは、仕事に支障をきたす。
 そこで、中古でええからノートパソコンの安いのを買い、修理している間はその中古を使えばええわいと考え、あちこちサイトをめぐって価格や機能やなんやかやを比較しはじめた。
 結論が出た。中古はやめ。ネットに出ているものの信用性云々をいうわけやないけど、これでカスをつかまされたら安物買いの銭失いやないかいな。某大手量販店が自社のオリジナル製品として出している新品の方がアフターケアも含めて、安くて性能もよく安心できるんやないかと判断した。かくして「みんなの集まる梅田には安くて大きな夢がある」大手量販店のサイトから通販で一番安くてしかもマイクロソフトオフィス搭載のノートパソコンを購入した。申し込んでから一両日中に製品が到着し、さっそく起動。ネットにつないでいろんなソフトの登録もすませ、週明けの出勤から新しいパソコンで仕事をすることができるようにした。
 この日のあるのを見越して、大事なファイルは全て外付けのディスクに移し替えておいたんで、もう大丈夫。
 それにしてもなんやかやと物いりやなあ。ノートパソコンは4年使用してとうとう新品を買わざるを得なくなったというのに、ほんまに買い換えたい自宅用のMacintoshはいつまでたっても1997年購入の骨董品をつかわなしゃあないとは。なんか複雑な気分ですわ。

3月19日(日)

 今日は「たちよみの会」例会でした。湯川光之さんが参加してくれはって、「SFマガジン」の「オールタイムベストSF」の投票結果の分析みたいなことをする。そのあと、河原町の「BALビル」に開店した「ジュンク堂書店」に探検に行く。新規開店であろうとなかろうと、「ジュンク堂」は「ジュンク堂」でしたな。内装や本棚の配列など、四条の店や堂島の店や難波の店と基本的なスタイルは変わってない。もう少し店ごとの個性を強く打ち出してもよかろうとは思うんやけどね。
 あ、大阪の「ジュンク堂」との大きな違いがあったぞ。京都の店には「小松左京マガジン」を置いてなんだ。まあ、「丸善」が閉店したのを埋めるのには十分その任を果たしているといえるかもしれん。そやからというて「丸善」的な個性が復活したというわけやないわけやけれどね。ただ、「丸善」「ブックファースト」と立て続けに書店がなくなったところに、やっとその欠落を補ってくれる書店が開店したことは喜ばしい。
 書店探検の後、毎回夕食を食べに行く「春陽堂」という中華料理店があるんやけれど、なんとここも閉店。「閉店あいさつ」には「50年のご愛顧に感謝いたします」という主旨のことが書かれていた。そうやねん。ここに「春陽堂」があるのは、京都人としてはあたりまえのことやったのになあ。なんか毎月「たちよみの会」に行く度に河原町の変貌を見せつけられるのは辛いなあ。
 かつて「丸善」があったビルに新たに入った「ジャンボカラオケ広場」が開店していた。建物の外装や入り口などは「丸善」時代のものをそのまま引き継いでいるだけに、2階の部屋で若者たちが踊りながら歌っているのが下から見えた時には、湯川さんと2人で大いに嘆いた。あそこで私たちはあれこれと新刊や旧刊を物色したりしてたんやなあ。嗚呼!

3月20日(月)

 番組改変期が迫っている成果もしれんけれど、私が毎週見ているアニメのいくつかは世界滅亡の危機に瀕している。「交響詩編エウレカセブン」、「ノエイン」、「ケロロ軍曹」、「おねがいマイメロディ」がそうです。「エウレカセブン」と「ノエイン」はスケールの大きいSF作品やから、こういう展開が予想されたけれどね。
夢を吸い取られた人
 面白いのは「ケロロ軍曹」と「マイメロディ」ですな。「ケロロ」は製作がサンライズだけに、こういう展開になるとさすがに緊迫感が漂い、普段のギャグアニメの側面がかなり弱くなっている。ところがすごいのは「マイメロ」やね。ダークパワーなるものが地球を覆い、人々の夢や希望を全て吸い取ってしまうという展開になっているんやけれど、吸い取られた人たちの表現方法がすごい。みんな左の絵のようになってしまうのです。これ、私が勝手に手抜きで書いてるんやないですよ。ほんまに町中の人たちがこんなんになるんです。
 これだけで驚いていてはいかん。ピンチを救うためにマイメロはダークパワーに対抗する歌を主要人物のコーラスで歌わせるんやけれど、わざわざアイドルグループみたいなコスチュームを着せる。そこに意味は全くあらへん。指揮をとるマイメロは、タクトが重すぎて途中で必ず倒れる。業を煮やした王妃様が1年間分の体力増強トレーニングを時間を早回しする魔法で一気にマイメロにやらせる。これでタクトが振れると思ったら、部屋の外の時間も1年分たっていて、ドアの外は真っ暗……。おいおい、世界が暗黒に包まれてしまったよ、でエンディングテーマが始まって……。私はこれほど緊迫感のない世界滅亡は初めて見たぞ。しかもこんなまぬけな終わり方も初めて……と思うたら、王妃様がエンディングテーマを無理矢理中断させて、「よい子たちががっかりするから」という理由で外の時間を一気に元に戻してしまう。ええんかこれで、ほんまにええんか。
 というわけで、大詰めにきても「おねがいマイメロディ」は侮れんのでありました。いやー、まいった。


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