ぼやき日記


6月11日(日)

 1ヶ月くらいかけて読んでいた本をやっとのことで読了。間に1冊小説をはさんだのでよけいに時間がかかった。そやけど、これを読んでしまうまでは他の本にかかられんような気がして、なんか義務感みたいなものまで生じてしまうとかえって読みにくいもんやねえ。来週からはもう少し読書のペースもあげていきたい。というか、義務感の生じないような読み方をしたいと思う次第。
 結局ここのところ休みの日はひたすら録画した番組を見るのに費やしているからよけい本を読む頭になってへんのかもしれんなあ。今日も今週末までに放送された続き物をひたすら見る。毎朝サンテレビで再放送している「トムとジェリー」は、毎週金曜日に京都テレビでやってる分も含めて週に6本もあるからなあ。
 それにしても「トムとジェリー」にはただただ感心するのみ。ネコとネズミの追っかけあいだけで数10本の短篇アニメを作ってるわけやからね。ずっと見続けているとさすがに食傷気味になるけれど、1950年代の劇場アニメやから、動きも色も美しいし、ふんだんに盛り込まれたアイデアが飽きさせへん。当時のアメリカの風俗なんかもようわかるし、じっくり見ているといろいろと発見も多い。
 特にクラシック音楽がBGMにうまくアレンジされて使われている。それだけクラシックの曲が大衆にひろく親しまれていたということなんやないかなあ。エピソードの中にはトムがピアニストになってリストのハンガリー狂詩曲を弾くのをジェリーが邪魔するものや、トムが指揮者になってオーケストラを指揮するのをジェリーが邪魔するもの、ヨハン・シュトラウスの家に飼われているトムがワルツをピアノで弾くとジェリーがそれにあわせて踊りだしウィーン中の評判になるものなど、秀逸な作品が多い。さすがミュージカルでならしたMGMの製作だけのことはある。
 私の劇場アニメ初体験は3歳の時に連れていってもろうた「トムとジェリー」やと親から聞いた。とにかくでかい声でげらげらと笑いっぱなしやったそうや。3つ児の魂100までというけれど、もしかしたら私の脳の奥深くに「トムとジェリー」の面白さは刻み付けられているのかもしれんな。

6月12日(月)

 私たち夫婦は録画していた「ブラックジャック21」やら「探偵!ナイトスクープ」やらを見たあと、それぞれ本を読んだりホームページを作っていたりしていたら、マンションの隣家から歓声が。あ、そうかあ、サッカーのワールドカップが始まっていたんやね。日本チームが得点したんで喜んでいるのかな。オーストラリア帰りでオーストラリアの得点に喜んでいる、ということではなかろう。
 別に主義主張があってサッカーを見てへんわけやなく、ほんまに関心がないんです。日本チームが勝とうとトリニダード・トバゴが引き分けようと、私はどうでもよいのです。別に他の人と話題をあわせるために見たいとも思わんし。実際、私が毎場所相撲を幕下の取り組みから熱心に見ているからというて、誰かが話題をあわすために相撲を見てくれますか。
 確かにサッカーも見始めていたらそれなりにエキサイトするし、面白い競技やと思うけれど、熱狂的に応援はでけんのです。それに、日本代表やから応援するという気になられんというのも大きいかも。野球でもWBCやらオリンピックやらの混成チームにはあんまり関心が向かんのですね。これはもうそういう質やからとしかいいようがない。
 私にはそれよりもタイガースの勝敗の方が重大なのです。試合がない日はほんまに寂しいなあ(4年前もこんなことを書いたような気がするけど、4年ごとに私は世間の話題から外れるとうわけですね)。

6月13日(火)

ツァイス型プラネタリウム
 今日は勤務校の障害児学級の生徒たちと校外学習で「大阪市立科学館」へ。
 いろいろな科学原理を体感できる展示がたくさんあって、子どもの理科教育にはええ場所やね。生徒たちも喜んでいた。私たちが行った時には幼稚園の遠足で小さい子どもたちが館内にわらわらと広がっていたけれど、彼らも楽しんでいたらしく、どんなはしゃぎ声も耳障りにならん。
 一通り展示を見てまわったあと、プラネタリウムのホールへ。入り口のところに旧式のプラネタリウム投影機が展示してあったので、なんや嬉しくなって携帯のカメラで撮る。これって、瀬名秀明さんの小説でも描かれていた型のやつかなあ。この無骨なスタイルがええよね。
 で、私たちが見たのはプラネタリウムやなく、「オムニマックス」というドームの天井いっぱいに投影する映画。今は「ミラクルダイナソー」という、恐竜をテーマにしたものをやっていた。案内役で関根勤さんとはしのえみさんが登場していた。関根さんは「博士」と呼ばれていたけど、なんか博士っぽくないぞ。というか、バラエティ番組で見るキャラクターそのままやったし。ここはやはりマッドサイエンティスト風の役者さんか大学教授風の役者さんを起用してほしかったところ。
 たぶん家のテレビで見たらCGが鼻についてしまうんやろうけれど、天井いっぱいの大画面でアロサウルスが咆哮すると、かなりの迫力になる。
 恐竜滅亡の秘密として隕石が地球に落下してきたというような説明をし始めると、ついこの前までそういうことについて書いた本を読んでいたから、その先はもうええわという感じになってしもうたけれど。
 「オムニマックス」の次は通常のプラネタリウム。入れ替え制なんで館内から出ていったけれど、プラネタリウムを待って並んでいる団体さんはどうやら老人会の人たちらしい。幼稚園児からお年寄りまで、というのがええね。プラネタリウムを見にくるお年寄りというのもええなあ。私も25年後くらいにはそんなお年寄りになっていたいなあ。
 プラネタリウムは久しぶりに見たくなったぞ。あと25年したら見に来よう。いや、年寄になってから見に行かんでもええんやけれど。

6月14日(水)

 オーケストラ指揮者、岩城宏之さんの訃報に接する。享年73。死因は心不全。
 残念ながら生で聴いたことはない。大阪フィルハーモニーを指揮して「惑星」を演奏するというので食指が動いたことはあるけれど、大フィルで「惑星」は聴きたないと思うてやめにした。聴きにいった人から「管が出を間違えて変なところで音を出した。がっくりきた」と聞いて「やめてよかった」と思うた。そやけど、他のオケで録音してくれへんかしらと思うたのを覚えている。
 やっぱり、子どもの頃にテレビで見ていた「オーケストラがやってきた」の岩城さんの姿が印象に残ってるなあ。「手を使わなくても指揮はできるんです」と首を振り視線を動かしてオーケストラを操る姿が今でもすぐに浮かんでくる。山本直純さんというアイデアとサービス精神の塊のような人も、岩城さんのような優れた協力者がいてへんだら、あんな番組は作られへんだと思う。
 文章では「フィルハーモニーの風景」などのエッセイが有名で、もちろん抜群に面白いんやけれど、私が好きなのは「森のうた」という青春記。岩城さんと山本さんの結びつきの深さや、音楽家がどのようにして育っていくかなどが生き生きと描き出されていた。絶版になっているものも多いんで、これを機に復刊してほしいなあ。特に朝日文庫から出ていた週刊誌の連載エッセイなんかね。
 その文章力も、金沢に国際的に活躍できるオケを作ったり日本の作曲家の新作をどしどし初演したりというプロデュース能力も、豊かな音楽作りの力も、すべては秀でた表現力からきているものやったんやと思う。
 謹んで哀悼の意を表します。

6月15日(木)

 いやまあよう降る雨やこと。気圧が低く湿度が高く、そのせいか体が重い。
 職場からの帰宅途中でコンビニに寄って買い物をした。小銭がなかったので千円札を渡しておつりをもらう。だいたいコンビニでは釣り銭を渡す時に客の掌にレシートを敷き、その上に小銭を置くのが普通で、その若い女性の店員さんもそのようにして渡してくれた。これはおそらくじかに肌が触れんようにという知恵なんやろう。と思うたら、この店員さんは何を思うたか私の手の甲にもう片方の手をまわし上下から包み込むように両手で私の手をひしと握るやないですか。いやー驚いた。
 帰宅してから妻にそのことを報告すると、ファミレスなどではわざわざそういう接客をするようなマニュアルもあるとか。スキンシップによって固定客をつかむというような戦略らしい。想像するにくだんの店員さんもどこかコンビニ以外のところで働いていた時にそういう接客を教わったんやろう。
 私はスキンシップというのが苦手な方で、よほど親しい人やないとべたべた触られるのは嫌やねん。たまにしか寄らんコンビニのおそらく初対面の店員さんに手を握られるというのは、私としては正直あまり嬉しくない。コンビニの心のこもってないマニュアルあいさつも好きやないけれども、こういうスキンシップもどうかと思う。
 それにしても接客マニュアルに忠実であればあるほどそのサービスが薄っぺらく感じられるというとを店の側はわかってるんかしらん。お約束やからとこちらもなるべくさらりと流すようにはしているけれど、ねえ。

6月16日(金)

 最近右肩をあげるとかすかに痛む。やーな感じの鈍い痛みですわ。
 つい最近四十肩になった人にその話をすると、「いつから始まったか」ときかれた。一週間くらい前からやったと思う。
 「3ヶ月くらいたったら、くるよ」と宣告された。それは困る。私は右利きで、肩が上がらんようになったら、板書でけんようになるやんか。それはいかん。私の右肩はいわば商売道具なんやからね。
 なんでも、肩の関節全体を動かして血行をよくするとええらしい。肩こり体操みたいに肩を上下させるだけではあかんのやそうな。あくまで関節全体をまわすようにせんと。また、筋力も多少はつけておかんといかんらしい。アイロン体操というのがええんやそうな。アイロンくらいの重さのものをゆっくりまわすように動かすものやという。
 肩こりがいかんのかと、この1週間は肩こり体操ばっかり暇を見つけてはやっていた。徒労やったか。まあ、それはそれで凝り固まった肩の筋肉をほぐすことはできたからええんやけれど。
 プロ野球の投手やないけれど、教師も肩は大事にせんといかんということを実感した。聞くところによると、四十肩になるとほんまに痛うて肩が上がらんらしい。今なら間に合うか。がんばろう。

6月17日(土)

 今日の夕食は外食にすることにした。
 レストランチェーンの特別メニューハガキが送られてきたことと、昼前からざざ降りの雨でこんな日にわざわざ外に食べに行くという人も少なかろうという目論見があってのことです。夕食には少し早めの午後6時ごろに行けば、がらすきとはいわんまでも行ったらすぐに座れるやろうという予測やった。
 混んでました。結局待ち時間約35分でテーブルに誘導されたわけやけれども。
 つまり同じことを考える人が多かったということやろう。なにより腹がたつのは自分の考えが世間一般の人々とそう大差なかったということで、待たされることはそう苦にはならなんだ。
 裏を書いたつもりで真ん中高めに速球を投げさせたら見事にホームランを打たれてしまうようなリードをしてしもうたキャッチャーは、こんな気分なんかなあ。
 ええいくそ。

6月18日(日)

 今日はたちよみの会例会日。元京フェス実行委員長の大澤さんが来てくれた。就職活動の話などをきく。
 梅田のあたりでも京都の河原町あたりでもサッカーW杯がらみの看板広告に加え、青のユニフォームを着た人々が町を闊歩していたりする。うーむ、わずか10数年で日本人がこんなにサッカー好きな国民になるとは思うてなんだぞ。というか、国際試合というものに対して思い入れが強い人が増えてきたということかなあ。ワールド・ベースボール・クラシックでも本選になったら急に野球好きが増えたみたいに見えたのと同じか。
 前のW杯の時にも、あるいはWBCの時にも思うたんやけれど、ここまでサッカーや野球に燃え上がったんやったら、国内のリーグも応援してやってくれよ。行ったことないから人にきいた話になるけど、Jリーグの試合はそれほど人が入ってなんだりするらしいやないか。
 サッカーの中田にしても、野球のイチローにしても、海外のチームに行ってから応援するんやったら、その前に日本にいてた時にもっとスタジアムに足を運んでやってほしかったと思うしね。正直、そこらの心理は私にはちょっとわからん。
 ひいきチームがあって、球場に年に何度か必ず足を運ぶファンと、それとは別個のファンが存在しているんやろうなあ、たぶん。そして、それぞれ相手の心理が理解でけんのに違いない。そんな気がするね。

6月19日(月)

 今日は朝起きた時から眠く、午前中授業をしていても眠く、午後の授業が終ると眠くなり、放課後も眠く、帰宅してから野球を見ていても眠かった。
 今も眠い。
 ここまで眠い1日というのも年にそう何回もないやろう。別に前夜夜更かしをしたというわけやないのに。
 なんでこんなに眠いかなあ。眠け覚ましにとコーヒーを飲んでみたりしたけれど、焼け石に水状態。
 というわけで、今日はもう寝るぞ。これで布団にもぐりこんだら目が冴えて眠れないようになっていたりするんかなあ。まあ、往々にしてそういうもんやないかと思う。

6月20日(火)

 とうとう阪急と阪神が統合された。で、今日の朝日新聞大阪版の夕刊に、阪神今津駅前商店街副理事長への取材が掲載されたりしていたんやけれど、なんと朝日の記者は記事の前振りにあの幻の名作、かんべむさしさんの「決戦・日本シリーズ」を引っ張り出してきていた。まあ、阪急と阪神というと、私らくらいの年代のSFファンなら「決戦・日本シリーズ」を思い出すのは当然と思うんやけれど。うーむ、この記事を書いた朝日の記者さんはもしかしたら中年以上のSFファンなのかもしれん。というよりも、そうやなかったら「決戦・日本シリーズ」なんか思い出したりはせんと思うぞ。
 もっとも、「決戦・日本シリーズ」をしようにも、阪急はとっくに球団を手放し、今津線を両電鉄が共有するのも不可能になってしもうているわけやけれど。もし今津線を共有できる状態が続いていたら、阪急と阪神の乗り入れというのが現実のものとなってしもうていたかもしれん。
 それにしても、戦前の関西を解説した文献などを読むと、阪急と阪神の競争というのはものすごく激しかったことがわかる。それが統合ということになるわけやから、時代が変わったということなんやねえ。まあ、三井住友銀行なんていうものが誕生した時点で、どことどこがひっついても驚かんようにはなっているけれどもね。


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