ぼやき日記


9月12日(土)

 9月4日の日記で書いた「ロバのパン屋」について、徳島県の伊藤正一さんから情報をいただいたのでご紹介します。

「私の自宅(徳島県小松島市)の近所ではつい2、3年前にもやってきていました。最近は見かけませんが、県内のどこかではまだ営業しているのではないかと思います」

 おお、てっきり店をたたまはったと思ってたら、四国で健在でしたか。
 また、伊藤さんは続報もくださった。

「でも、あとでよく考えたら、去年か今年のはじめ頃にも、あのメロディを聞いた気がする・・・。このところ、記憶がボケボケで、あやふやなことを書いてしまいそうで怖い^_^;。念のため、母に確認したところ、この春までは見かけていたとの答えが返ってきました。
 ただ、夏以降はぱったり見なくなったとか。つい最近までやっていたのは、間違いないようですが、もはや絶滅寸前のトキ状態であるのは、たしかなようですね」

 なななんと、この春まで営業していたんですか。
 これには私もびっくり。
 残念ながら、他に「最近見かけた」という情報はなかったので、伊藤さんのおっしゃるように”もはや絶滅寸前のトキ状態”なんやろうね。
 「ロバのパン物語」なる本は探そうと思ったけど、どこに埋もれてしまっているのやら、見当もつかん有り様で。記憶に頼って書くので正確でないかもしらんけど、「後継者難である」というようなことが書かれていたように思う。いわゆる「のれん分け」というんかな、小松島にはまだ後継者がいたようで、こうなったら徳島までいって確かめたいという欲求がわいてきたぞ。
 四国というのは古いものを大事にするところなんかな。4年ほど前に高知へ旅行した時は、そこら中で「アイスクリン」を売っていたからね。「アイスクリーム」やないよ。「アイスクリン」。シャーベットをコーンカップに乗せたアイスですわ。これもこちらではあまり見なくなったなあ。
 とすると、「ポン菓子屋」もまだ日本のどこかで営業しいるかもしれませんな。コシヒカリを持っていってポン菓子にしてもらい、「さすがはコシヒカリやね。ポンに粘りと腰がある」。それはないか。
 伊藤さん、情報をありがとうございました。「最近見たよ」という方が他にもいらっしゃいましたら、またお教え願います。

9月13日(日)

 どう考えても読売ジャイアンツなるプロ野球のチームを好きになれるわけがない私なんやけど、またまた腹が立った。
 シーズン途中で大々的に記者会見して、現職の監督の留任を発表するな。そんなもの、広報が担当記者に文書にしたものを渡すというようなその程度のものでええやないか。留任ですよ、留任。いきなり首を切って、新しい監督を決めたというのならまだしも、留任ですよ。
 それもやね、たぶんそうすると各スポーツ新聞が一面で取り上げるという計算があるというのも見え見えやないですか。また、ちゃんとみんなその通りにしてるからね。
 これがね、試合も何もない月曜日にするとか、そういうのなら許すよ。そやけどやね、Jリーグやらなんやらいろんなスポーツのある土曜日にしますか、ふつう。
 今、プロ野球は両リーグとも優勝争いが面白くなってきてる時でしょうが。特にパ・リーグは2.0ゲーム差の中に4球団がひしめく大乱戦やんか。これから、首位チームが日替わりになるようなそんな展開の時に、パ・リーグなんか眼中にないというようなことをするか。
 推理小説で、さていよいよ事件解決のクライマックスという時に、脇役の警官の人事異動だけで1章さくようなもんやないか。
 SF小説で、宇宙船でコンピュータが反乱を起こして乗組員の命が危ないという時に、地球に残した乗組員の子どもが腹痛を起こして医者にいく話に1章さくようなもんやないか。
 歴史小説で、これから明智光秀が本能寺を襲おうとしてる時に、徳川家康が堺の町で下痢をして医者を呼ぶような話に1章さくようなもんやないか。
 SM小説で調教されている人妻がむち打たれることに快感を覚えはじめた時に、その夫が会社で商談をまとめる話に1章さくようなもんやないか。
 私小説で……私小説は読んだことがないのでどういう例えにしたらええかわからんやないか。
 そういうチーム体質であることはよくわかってますよ。今までもそうやったし、これからもそうやろう。そして、そのたんびにこうやって腹を立てるであろうということもやね、簡単に予測がつく。
 スポーツ新聞もスポーツ新聞。売り上げが落ちてもいいから、この日はこんな記者会見など3面において、トップではファイターズとライオンズの試合、バファローズとホークスの試合を扱うというような見識を示してほしかったけど、まあ無理か。駅売は見出しが勝負やからなあ。
 来季のジャイアンツの監督が長嶋であろうと、森であろうと、そんなことは今はどうでもええの。どこのチームが優勝するのか、そっちの方が大事やの。
 もっともその前日にウエスタン・リーグでタイガースの2軍が優勝したのを1面に持ってきた大阪のスポーツ紙もええ根性してるとは思うけど。

9月14日(月)

 今週の週刊誌各誌は申し合せでもしたかのように横綱貴乃花が整骨院の院長に洗脳されたという話題を掲載している。
 この院長というのがなかなかトンデモな人物のようでおもろい。
 鍼治療だけと違って、宇宙エネルギーとやらを注入するんやて。うさん臭いことこのうえない。
 なんでも体重を増やしたかった貴乃花はこの院長の指示に従って空きっ腹に夜食を詰め込んでそのまま就寝したとか。こらこら、そんな方法で体重を増やしてどないすんねん。なんか締まりのない太り方をしてたと思うたら、肥満児になってたんやねえ。一時内臓をいためて顔にできものを作ってたけど、寝る前に腹一杯にして肥えたんやったら体も壊れるわい。そんなことを勧める医者がどこにおる。
 夫人の花田景子さんが意見したら、この院長、貴乃花に「嫁さんは奴隷である」などと吹き込んだというから、全くもって困った人物である。宮沢りえちゃんは貴乃花と結婚しなくてよかったね。りえちゃんを奴隷扱いするようなことは何人たりとも許される所業ではないぞ。
 だいたいこの院長を二子山親方に紹介したのは東京佐川急便の渡辺元社長だというから、うさん臭さがぷんぷんだ。
 どの週刊誌でもここらへんのエピソードは書いてあるから、かなり事実に近いように思われますな。「週刊ポスト」ではこの院長が貴乃花に「若乃花は注射(八百長)して横綱になった」と言ったことになっている。執拗に八百長報道を続ける「ポスト」らしいのう。
 ともかく、貴乃花と他の家族がこの院長のせいで変なことになっていることだけは間違いないみたいやね。
 そやけど、これまで週刊誌も相撲雑誌も、こんなことは一切報道してなかったやないか。「美人のおかみさんが弟子を誘惑し不倫した」とかいうようなつまらんことばっかり報道していた「週刊ポスト」は、いつも角界に精通しているとかいう事情通氏の談話を引用してたけど、それやったらこの程度のことはとっくにスクープしていてもおかしくなかったのと違いますか。ええかげんな事情通がいたもんや。
 なんやなんや「サンデー毎日」だけは「曙が引退しプロレスラーになる」などという記事を載せているぞ。よそと差別化を図ろうとしているのかな。なんだかガセネタくさい。
 しかしなんですな、本屋でとっかえひっかえ週刊誌を立ち読みしてこの件に関する記事を読みあさってる私も私やね。そういうエネルギーはもっと他のことに使わなあかんね。我ながらあきれるね。

9月15日(火)

 先月レコード屋に行ったら、「キングレコード秘蔵名盤シリーズ」のチラシをもらった。1960〜70年代に録音されたクラシックの音源をCD化するという企画。まあ、本でいえば「復刊フェア」みたいなもんです。
 その中に山田一雄指揮の「ピーターと狼」というのを見つけて、これは買わねばと思うたのです。声の出演が気に入った。ピーターに池田秀一、小鳥に中野慶子、あひるは楠トシエ、猫は友竹正則、おじいさんが熊倉一雄で狼は小池朝雄だ。狩人が、なんとトニー谷!
 池田秀一は言わずとしれたシャア少佐の人。子役時代の出演に違いない。
 楠トシエは戦後明るくて陽気で歌も歌えるコメディエンヌとしてならした人。私は「おはよう、こどもショー」(NTV)のおねえさん”びんちゃん”で記憶してます。ろばくんとガマ親分で人気のあった時代ですから、もう30年くらい前の話ですわ。
 熊倉一雄や小池朝雄の名前を知らん人はおらんでしょう。いや、いてるかも。若い人は親兄弟にききたまえ。
 トニー谷は「さいざんす」「家庭の事情」「ばっかじゃなかろか」などなど珍妙な流行語を連発したボードビリアン。ここらになると伝説上の人みたいになってくるなあ。
 いやあ、子ども時代のシャア少佐にトニー谷が「あんたのお名前なんてェの」なんてきいてるんと違うかとか想像しただけでわくわくしてくるよ。
 で、レコード屋に行ったわけだ。
 あらへんのよ、「ピーターと狼」。
 ほかのCDは出てるのに、おかしいやないか。そう思うてよくよく見るとやね、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」というCDが怪しい。チラシを引っ張り出して読み直したよ、私は。
 発売予告では「兵士の物語」、「ピーターと狼」、「青少年のための管弦楽入門」(こういうタイトルの曲があるんです、ほんまに)の3曲が1枚のCDに収録されていることになってるのに、実際に出てるCDには「兵士の物語」しか入ってへんやんけー、やんけーやんけー。キングレコードはなにをやってンねン。
 チラシには「この機を逃すと極めて入手困難な逸品ばかり」「確実にご入手いただくために、最寄りのCD取扱店での早めのご予約をおすすめします」とか書いてるやないか。ほなら、予約してたらどないなったと思う。「ピーターと狼」がほしいのに、「兵士の物語」しか入ってないCDをつかまされるというわけか。返品はきくんか。「ピーターと狼」に関してはほんまに「入手困難」やないですか。しゃれになってないぞー。
 このシリーズは「第I期」とあるから、「第II期」もあるンやろうけれど、その時はちゃんとCD化してほしいものです。

 ところで、今読み直してみたら、私は「レコード屋」を連発してるね。今でも「レコード屋」と呼ぶのだろうか。「CD屋」とは言わんよねえ。世間一般ではなんと呼ばれてるんやろう。なんか気になってきたぞ。

9月16日(水)

 眼鏡を新調する。
 視力が落ちたため、というわけでなくてやね、レンズが傷だらけになってしまったためです。これにはちょいと説明がいるかな。えーと、生徒が私の眼鏡を取って投げるものだから、レンズに細かな傷がついていたのだ。こんな書き方をすると「校内暴力か」と誤解を招くな。
 私は養護学校に勤務していて、生徒の中にはパニックを起こす者もいる。それをしずめようとすると、相手もこちらの弱点をよく知っとるんですな。「この教師は眼鏡がないと動きが悪くなる。眼鏡を遠くに投げると取りに行く」ということを理屈やなしに解っておるんだ。で、邪魔者を排除するためにすきをついて眼鏡を取る、投げる。レンズに傷がつく、というわけ。
 フレームもそのおかげでガタがきていたのだが、先日眼鏡を自分で外したおりに手もとからぽとりと落としてしまった。地べたがコンクリートやってねえ。まともに落ちたもんで、ひびみたいな傷がついてしもた。
 今度のはレンズも軽いものにした。フレームはレンズ部分が小さめのものを眼鏡屋に勧められたけど、自分の好みで大き目のものにする。
 妻の感想は、「前のは四角くてちょっといかつい顔になる感じやったけど、今度のは丸みがあってやさしい雰囲気になるね。なんか、おしゃれな眼鏡やね。女物みたい」というもの。
 よく見たら、ツルのところに横文字で「こむさでもーど」と書いてある。あらら、ブランド品を売りつけられたんや。道理でちょっと高かった。
 そのことがわかると、とたんに妻の態度が変わった。
 「それやったら、いつも三つボタンのスーツ着てなあかんわ! 色はチャコールグレイでないとあかんわ! 眼鏡だけが顔から浮いてるわ!!」
 そこまで言わんでもええやろ。そらね、私はブランドにはうといですよ。そちらに金をかけるかわりに本とCDに金をつぎこんでいるようなもんですよ。いつも「ユニクロ」の綿パンに特売のポロシャツですよ。そやからいうてやね、顔から眼鏡だけ浮いてるとはどういうことかいね。失礼な。
 てなわけで、今日から眼鏡だけブランド品を身につけているんですわ。かけ心地はなかなかいい。新品なのに顔を締めつけるような感じがしない。自然に顔についている感じですね。だてに高いわけやないね「こむさでもーど」。
 この感覚は、眼鏡をかけない人にはわかりにくいかもしれへんねえ。

9月17日(木)

 毎日疲れて帰ってきている。
 運動会が近づき、連日「マスゲーム」の練習におつき合いしているからである。
 私は自分の担任してる重度の生徒にはりついて演技の補助をしているわけなんですけどね、その生徒はうまく下半身を動かすことがでけへんので、立つ時は手をとって介助せねばならんのだ。
 で、今年の演技やけど、むやみに立ったり座ったりが多いンやね、これが。そのたびに引っぱったり腰から抱えて動かしたりせんといかんのだ。
 これがきつい。その生徒も汗だくになるが、こっちも汗だくだ。
 なんやしらんけど、体育の教師は運動会や体育祭にマスゲームをやらせるのが好きやね。生徒たちみんなの一糸乱れぬ動きを見て「よーし、いいぞ」なんて言う。気色悪いなあと思う。これは教育やろかとさえ思う。
 人間ひとりひとり個性が違うんやから、その個性を尊重して長所をのばすというのが教育というもんやないか。みんなに同じことをさせて何がおもろいねん。そんな風に思う。こんだけ全員の動きがそろうたら、偉大な指導者のもとでマスゲームをすることを国是としている某国に連れていっても通用するんと違うやろか。
 以前に講師として勤務してた中学校では音楽に合わせてグランド内をえんえん行進するという鬼のようなことをやらしていた。講師の身であまり口出しもでけなんだけど、毎日毎日同じ曲に合わせて歩かせるもんやから、その曲も大嫌いになった。当時流行してた「どんなときも」(槙原敬之)という歌である。いまだにカラオケなんかでこいつを聞くと、炎天下で足を高くあげて手を振る青いジャージの一団が頭の中をねり歩くんだ。嫌になる。
 今年も「運動会の反省」のアンケートで「マスゲームはもうやめにしたらどうか」と書くつもりですけどね、それがとりあげられたことは今まで一度もないし、たぶん今年もそうやろね。
 ああしんど。明日は台風で臨時休校にならへんかしら。おいおい教師が学生みたいなこと言うててどないするんですか。

9月18日(金)

 9月4日の日記9月12日の日記で書いた「ロバのパン屋」について、新たに情報をいただいたのでご紹介します。
 愛媛県松山市のshinokさんからのメールであります。

「『ロバのパン屋』は松山市では今でも営業しています.
 ただ,移動店舗ではなく,大街道(松山の中心街です)に店を構え,蒸しパンを売ってます.
 おそらく,移動販売が流行らなくなってからは「ロバのパン屋」は普通のパン屋になっていったのではないでしょうか?
 「ロバのパン屋」の看板を出しているパン屋は探せば他にもあるかも知れません(でも,やっぱり松山以外では見たことないなあ)」

 なんと、「ロバパン」は店を構えていたのだ。やっぱり「チンカラリン」のテーマソングを店先で鳴らしていたりするんやろか? 一度のぞいてみたい。
 しかし、この前は徳島、そして今度は愛媛と情報は四国に集中しているから、以前書いた「のれんわけ」ではなく、本拠地を四国においていると考えた方がいいのかもしれんね。
 こうなると、「ロバパン」を追って四国を巡礼してみたい誘惑にかられるなあ。
 おおそうや。TV番組「探偵ナイトスクープ」にハガキを送って北野誠か桂小枝あたりにかわりに巡礼してもらうというのはどやろか。いやいや、そんな他人の力を借りたらあかんね。
 shinokさんはやはり9月12日の日記に書いた「アイスクリン」についても教えて下さいました。以下に引用いたします。

「高知のアイスクリン屋(『1×1のアイスクリン』)の凄いところは冬でも外で売っている人がいることでしょう.
 寒風吹きすさぶ高知城公園で『1×1のアイスクリン』の赤い旗が立っているのを見ると,「誰が買うんだろ?」と思いますが,売ってるからには買う人がいるんでしょうね.
 『1×1のアイスクリン』の高知県内での普及率は凄まじく,桂浜や高知城といったメジャーな観光地だけではなく,ホントに何もないような国道のわきとかでも当然のように売っています.
 特に夏休みなどは,ものごっつい貧乏くさいガキが(いや,たくましいお子様が)炎天下,一日中売り子をさせられていたりするのが微笑ましいです」

 私が高知で「アイスクリン」を食べたのは1月の中旬やったけど、「寒風吹きすさぶ」という感じではなかったね。底冷えの厳しい京都から行ったから、「高知というところはなんとぬくいところなんやろう」と感動しましたからね。そやから「アイスクリン」もめちゃめちゃおいしかった。shinokさん、情報をどうもありがとうございました。
 「ロバパン」についてはまだまだ出てきそうやね。ご存知の方は、ぜひお知らせ下さい。

9月19日(土)

 毒物混入事件が頻発しているおかげで、過剰に警戒するあまりちょっと味が変なだけで毒が混入していると思い込み、興奮(?)して過換気症候群となり呼吸困難になって倒れてしまうという事件が各地で起こっているそうだ。
 過敏になるなという方が無理な話で、自分も被害にあう可能性があると考える者ならこれくらい警戒するのも当然やないかなと思う。
 実際、私かてコンビニでお茶を買う時なんか、パックとかペットボトルを入念に調べてからレジに持っていくし、口を切ったら一口軽く含んで味を確かめたりしたもんね。最近、ズボラになってきてそこまでしなくなったけど。
 面白がって毒を入れた連中、こういう事件を知ってもやっぱり面白がっておるのかねえ。「毒も入ってへんのに倒れとる。アホや、わはははは」とかいうように。いややなあ。
 で、この「過換気症候群」という現象、私は実は数年前に実例を目のあたりにしているのだ。新聞記事を読んで、その時のことを思い出した。
 それは運動会のリレー競技で起こった。
 アンカーの前ぐらいやったと思うやけど、かなり競り合ってて、カーブのところで一人の生徒が相手を抜こうとした。ところがね、抜く直前で足が相手に引っかかって、二人とも倒れたわけだ。片方はすぐに立ち上がって走ったんやけど、もう一人は顔面が地面に直撃して、前歯は欠けるわ顔を擦りむいて血だらけになるわ、そら大変。
 その生徒はそのショックで興奮してえらい息づかいが激しくなってきた。そして、そのうち体がしびれはじめたというわけだ。
 この、「ショックで息づかいが激しくなった」というところがポイントでね。あまりに急激に呼吸をするもんやから、二酸化炭素は出る一方、酸素をとにかくとりいれようとしてかえって過剰になるそうな。酸素をとりいれ過ぎるとそれはそれで体によくないそうですな。適度に二酸化炭素がブレンドされてないといかんらしい。これを「過換気症候群」というそうだ。
 こういう状態になったらどないしたらええか。
 簡単なことで、口を手で隠すようにしたらええんやそうです。自分が吐き出した息をそのまままた吸うと、その息には二酸化炭素がたくさん含まれてるから酸素を酸い過ぎんでもすむということだそうだ。実際、その生徒にはそのようにさせた。そしたら、ぐったりしてたのがかなりましになった。まあ、ショック症状は残っているわけやからたちまち元気に戻るというわけにはいかへんかったんやけどね。
 これはあくまで応急処理。しかし、対症法を知ってしまうと「誰か過換気症候群になったら、俺が助けたるでェ。ほれ、誰か倒れろ」などという不謹慎な気持ちになってしまう。いけませんなあ。
 今回、こういう形で思いがけなく「過換気症候群」がクローズアップされたけど、そうなるほどショックを受けたということなんやね。いや、これは自分たちにも無縁ではないことだけに、対症法は知っておいた方がいいと思いますよ。

9月20日(日)

 トップページのカウンターが早くも30000をヒットしました。まさか公開1年足らずでここまでくるとは思ってませんでした。これもいつもアクセスして下さる皆さんがいてこそです。そして、このページにリンクして下さっている皆さんのおかげですね。それだけたくさんの方たちに見ていただいているのですから、楽しいページになるように続けていきたいですね。これからも、すみからすみまでずずずずーいと、御願い奉ります。

 CD屋に寄る(やはり今時の大学生は「レコード屋」とは言わず「CD屋」と言うそうです。情報を下さったヌケサクさん、どうもありがとう)。
 いつもはクラシックの売り場しか徘徊しないンやけど、なにか感じるところがあったのか、普段は行かない「アニメ」のコーナーものぞいてみる。
 「東映動画アンソロジー 劇場篇」(AYCM−617)というのを見つける。東映動画がかつて毎年夏休みと春休みにやってた「東映まんがまつり」の柱、長篇まんが映画({アニメ」ではやっぱりしっくりこない)の主題歌を集めたもので、音源はフィルムのサウンドトラックを中心として復刻したもの。
 ここらへん、私のまんが映画体験の出発点ですよ。「白蛇伝」の時はまだ生まれてへんかったけど。「アンデルセン物語」「太陽の王子ホルスの大冒険」「長靴をはいた猫」「空飛ぶゆうれい船」「どうぶつ宝島」「アリババと40匹の盗賊」……。みんな親に連れていってもらって、リアルタイムで見てる。さっそく帰って聴く。
 音楽の質が高い。それはそうです。富田勲、伊福部昭、木下忠司、中村八大、間宮芳生、宇野誠一郎とそうそうたる作曲家たちが参加してるんやからねえ。
 ここまでですわ。最後の方は東映動画でも労働争議とか起こって優秀なアニメーターや演出家がぽろぽろやめて、「デビルマン対マジンガーZ」みたいなTVのスペシャル版ばっかりになってしもた。そのうちにオリジナル長篇を劇場用に作るだけの力がなくなって、外注に頼ったりするようになったんだ。
 私の世代はなんとか黄金時代のしまいに引っかかったわけ。また、夏休みとか冬休みにはしょっちゅうTVで放映してくれたもん。「白蛇伝」とか「わんわん忠臣蔵」はTVで見たね。前に挙げたものもTVでなんべんも見てセリフを覚えてしもたよ。
 劇場映画は東映、TVまんがは虫プロという、よう考えたら、私らめちゃくちゃ恵まれた環境で育ったんと違うやろか。
 ところで、このCDのタスキには「マニア愛蔵考古版」と書かれてる。そうやね、30代くらいの購買層をつかむためには子どもの頃に買われへんかったようなものを出すとええわね。特にマニアックな人間には。
 そやけどね、企画する側もマニアでなかったら、こんなCDは思いつかへんと思うぞ。ディズニーのコンピレーション・アルバムは数あれど、東映というのはなかなか味な着眼点ですな。
 この際や、これ全部、VTRで出したらどないだ。売れへんことないよ。コピーに「宮崎駿の原点、今ここに蘇る!」と書けばよろしい。これは嘘やないもんね。「ホルス」「長猫」「ど宝」の3本は特にその性格が強いから。私は買うよ。一人だけ買うたかてなんにもならん? そらまあそやけどね。


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