やっと土曜日だ。明日から2連休だ。わーい。
「手塚治虫キャラクター図鑑」(朝日新聞社)が全6巻で完結。池田啓晶という人が構成をしてるんやけど、なかなかの労作ですねえ。プロフィールがついてないのでいったいどういう関係の方なのかわからん。これだけ手間のかかることをやってるんやからどんな人なのかの紹介があってもええと思うんやけどね。
ところで、全6冊をパラパラとめくっていて思うのは、手塚さんのスターシステムのすごさやね。自分のつくったキャラクターを俳優として扱って、同じ人物にいろんな役をやらせてるというのは、真似できそうでなかなか真似のできないことと違うやろか。
私はその中では「ハムエッグ」が好きやね。こずるい悪党なんやけどなんか憎めん。いつも歯を見せてにやにや笑ってる。でも時にはとても冷酷になる。「アセチレン・ランプ」やとちょっと重みが出るところやけど、「ハムエッグ」にはそれがない。あの軽みに味があるんやね。
たぶん、人気投票をしたら「鉄腕アトム」「レオ」「サファイア」「ブラックジャック」「ヒゲオヤジ」「ロック・ホーム」なんかが上位に来ると思うし、それはそれで当然なんやけど。へそ曲がりな私は「ハムエッグ」に1票を投じたいね。
ところで、この図鑑には各巻に「レギュラースター資料室」というページが設けられてるんやけど、肝心なスターが抜けてるね。それは、「手塚治虫」やね。手塚漫画には随所に手塚さん自身がいろんな役ででてるし、主役になってる話もある。キャラクターとして、作者の実像を越えた存在になってるよね。ここはやはり「手塚治虫」をスターの一人として入れといてほしかったなあ。
この本を読んでいて思ったことはただひとつ。
ああ、手塚治虫の新作を読みたい!
やっと「S−Fマガジン」のベスト投票を送稿。
締切は20日やて?。そんなもん、あの人とあの人とあの人はまだ出してへんやろうから、あなた、私は早い方だっせ。
下を見るな下を。
結果については「S−Fマガジン」2月号のお楽しみ、ですね。さて、私は何を第1位にしたでしょう。当てたら偉い。当てても何もでませんが。
ところで、日本SF大賞が決まったね。
『BRAIN VALLEY』(瀬名秀明)。
おめでとうございます。
いや私、ほっとしているんです。自分が面白いと思ったものが受賞したからね。ラストだけはまだ得心が行かないけれど、それ以外、特に上巻から下巻にいくあたりの作品の持つパワーというのは、すごかったからね。もし私が全然評価してないある作品が受賞したらかなり落胆してたと思う。それが最終候補に残ったというだけで愕然としたからね。よかったよかった。
もうひとつ嬉しいのは『異形コレクション』が特別賞を受賞したこと。これは、私自身が大賞候補に推薦したこともあって、なんらかの形で評価されるべきと思ってたからね。SF短編の発表の場が「S−Fマガジン」しかない、そういう状況下でこういうオリジナル・アンソロジーという企画を、しかもコンビニの利用など、販売戦略もよく考えられて一定の成果をあげたというのを正しく評価する場がなければいけない。そう思っていたからね。
さて、「S−Fマガジン」の年間ベスト1はなんだろう。結果が出るまで、これも楽しみ。たぶん私が1位に投票した作品ではないという気はするんやけれど。
昨日は半日寝倒して、だいぶ疲れがとれた。おかげで今日は久しぶりに本を読むことができた。何日本を読んでなかったかというと、なんと8日間だ。新記録と違うやろか。
その間、読んだというと雑誌ばっかし。週刊誌やら月刊誌やら。
おおそうだ、「劇画バカ一代・梶原一騎読本」(日本スポーツ出版)という「ゴング」の別冊なんかも読んだぞ。いったい私はなんでそんなものを買うて読む気になったんやら。特に梶原一騎が好きなわけでもなんでもないのに。
いやしかし、この本けっこう面白かったんだ。梶原作品の中の「名言集」とか「必殺技集」とか。さすが「ゴング」の別冊と思ったのは藤原喜明やら佐竹雅昭というような現役の格闘家のインタビューが入っていたところで、これは漫画系の出版社ではちょっと実現でけん企画やね。
弟の真樹日佐夫のインタビューによると、実は「あしたのジョー」は、梶原一騎自身はパンチドランカーになった丈とカーロス・リベラが公園でひなたぼっこしているラストを考えてたそうで、それでは絵にはならんよな。
しかし、私はなんで「梶原一騎読本」なんか読む気になったのやら。いまだにわからん。
疲れてる時に聴く音楽というのは何がいいかなあ、なんて思いながらCDをあれこれ出してみる。
気合を入れたいと思ったらベートーヴェンの「運命」の終楽章もいいかもしれない。高らかに歓喜のテーマが鳴り渡り「おお、俺はやるぜやるぜやるぜ」てな気分になる。ただし、演奏による。ほとばしりを叩き付けてくるようなフルトヴェングラーとベルリン・フィルはかえって疲れる。カラヤンとベルリン・フィルだと音色が美しすぎていかん。ここはバーンスタインとニューヨーク・フィルの開放的でいささか能天気な演奏がいいぞ。
どががーんと音にどつきまわされてそのショックで元気を出すにはマーラーの「巨人」の終楽章か。これはバーンスタインやと心の傷までえぐるようにこれでもかこれでもかとどついてくるのでいかん。テンシュテットとロンドン・フィルはボディーブローのように効いてきて、のたうちまわらんならんのでこれもダメ。ショルティとシカゴ響がいいな。どつかれて目の前真っ白、ああ気持ちいいというような爽快感がある。
ヒーリング・ミュージックというようなたぐいは気持ちいいけど、それだけ。だいたい「パッヘルベルのカノン」とか「アルビノーニのアダージョ」を聴いて元気がでますか。
スーザのマーチは元気はいいけど元気すぎて疲れてしまうしなあ。
クレイジーキャッツは効果があるね。植木等の歌声にはなんか魔力があると思いませんか。
意外と心が休まってなお元気になるのは、子どもの頃に歌っていた愛唱歌やね。お仕事がらみで聴いた「おかあさんといっしょ」のおにいさんとおねえさんのCDはなかなかよろしかった。「あつまれ! せかいのうた」というCDなんやけど、あゆみおねえさん(といっても私よりずっと若いんやけど)の歌声は素直でうまく、しかも楽しげでいいのだ。
いい年をしてなんやねんと思われそうやけど、ええもんはええとこの際はっきりと言うておく。「おかあさんといっしょ」の茂森あゆみおねえさんを私は気に入った。疲れてる時にはあゆみおねえさんの歌声が効く!
あれ? 書きはじめた時にはこんな結論になるはずやなかったのになあ。おかしいなあ。
まあ、ええか。
今年も「阪神タイガース・カレンダー」を買う。初めて買うたのが1976年のことやから、これで24年目になる。おお、来年でちょうど四半世紀やないですか。ファン歴何年ですかと問われたら25年以上ですというようなことになるか。
なに勘定があわんと?
カレンダーを買い始める前からファンやったんですよ。気がついたらファンになってたんやから、何年ときっちり言えるわけがないやないの。
最初に買うたカレンダーには、吉田義男監督、田淵幸一、江夏豊、古沢憲司、上田二朗、谷村智啓、安仁屋宗八、山本和行、藤田平、中村勝広、池辺巌、佐野仙好、掛布雅之というようなメンバーの写真が載っていたのだ。うわあ、懐かしいなあ。ただし、江夏はこの年南海ホークスに移籍してしまった。まだ子どもだった私は江夏の帽子にマジックでホークスのマークを、胸マークに「NANKAI」と書き入れたりしてしまった。なんともったいないことをしてるんや。
あれから四半世紀たつんやねえ。
今年のカレンダーではなんとか間に合うた野村克也監督の写真が1月に入ってる。なんでも入団発表の時にカレンダー用の写真もとったそうな。いつの年やったか、監督の写真が間に合わなんだこともあったからねえ。
しかし、にんまり笑って腕組みをしてるノムさんの写真を1ヶ月も拝まなならんというのもなんですね。もっとも大阪のスポーツ新聞では毎日野村監督の写真が必ず載っているから同じことか。
いやしかし、もう年末になってきたということなんやねえ。来年用の「文庫手帳」(ちくま文庫)ももう買うたし。
あっ、年賀ハガキがまだやった。去年みたいにばたばた走り回るのは嫌やから、そろそろ買うとかんといかんかな。
なんかこんなことを書いてると気ぜわしくていかんね。それやったら書かんでもええんやけど、書いたって書かへんかったって年末は来るんやからしゃあないね。
あれ? 書きはじめた時にはこんな結論になるはずやなかったのになあ。毎日なにを書いてるやら。
「S−Fマガジン」が送られてきた。本屋には昨日入っておったぞ。遅いやないか。何をしている門真郵便局。
書評欄は席がえ。三村美衣さんは今後の書評ページのスタンスをページの半分も使って説明している。私の分も言うてくれているのでありがたいはありがたいが、とりあげたい本が少なかったので行稼ぎをしたと言えば言えなくもない。本人の名誉のために断言はさけるが、うまいことしよったな。
で、そろそろ私も締切間近。12月1日発売予定の文庫を待って原稿を書くことにしてる。そんなことでええんかいなと思うが、ちゃんと編集長の了解を得ているからええんです。
来月号の予告に「年間総括」がないんでどうしたんかなあと思っていたら、一月遅れになるらしい。なんでそうなったかはまだ公言してはいかんかもしれんので、ここでは書かない。出てからのお楽しみということ。思わせぶりなことを書くと憶測が飛ぶか。憶測よ、飛べ飛べ。うはははは。
たいがいこの年間総括と通常の原稿締切が重なって毎年この時期はひいふう言うてたんやけど、今年はそれがずれて大助かり。この日曜日にとうとう「学習発表会」の本番があるんでそこでエネルギーを使い果たしてしまうからね。直前になって、もうなにがなにやらさっぱりわからず、わてほんまによういわんわ状態が続いてるのね。
果たして「京都SFフェスティバル」で私はまともにしゃべることができるんやろか。なんか急に不安になってきた。
ああもう、なにがなにやら。
一通り「学習発表会」の準備を終え、あとは本番を待つのみ。今は明鏡止水の心境、というほどやないけど、まあ落ち着いてきた。
昨日の日記を読み返すとなんかもう錯乱状態やね。ああ恥ずかしい。
とはいえ、明日は休みと思うとなんか脱力感もあったりする。こういう時はお仕事で読む本やない「お、どうしてもこれは読みたい」という本を読むのがいいね。読むのに集中しやすいし、頭にも入りやすい。
SF作家の野尻抱介さんよりお電話をいただく。私のネット上での発言のことなどについて話してくれはった。ちょっと気にかかっていたことやったんでありがたかった。
脱力感が残ってるんで今日はなんか身辺雑記になってしもた。え? それが普通ですか。そやけどね、ここのページを読んでくれてる人はそんなものは要求してないやろうからね。
でも、今日はかんにんしてね。アホなことすら思いつかんほどお脳が残りかすみたいになってるんです。
とにかく脱力感。ほんまにこんなんで原稿なんか書けるんやろか。まあ、その気になったら書けるやろう。書けるに違いない。書けるに決まってる。そうや、書けるんや。これこれ、こんなところで自己暗示をかけてもしゃあないでしょう。
ううむ、今日は土曜日やったんやね。ここんとこ、土曜日というと仕事があったり用事で出かけたりしてたから、今日みたいに完全休養となるとなんか日曜日みたいな気がする。妻が夕刊を取りにいって、はじめてああ、今日は土曜日やったんかと気づいたりする。
まてよ、ちゃんと「ウルトラマンガイア」録画のためにビデオデッキにテープの入れ替えをしたぞ。ということは、私はちゃんと今日が土曜日であると認識してたんやないか。
しっかりしてるようなぼけてるような。男36歳、頭の曲り角。
今朝、新聞のトップは保険金詐欺事件で逮捕されていた女性容疑者を毒入りカレー事件の犯人として逮捕するという記事。
なんやなんや、立件できる確たる動機でもでてきたんかいなと思うたら、なんでもマージャンに来た客に砒素の入ったカレーを食べさせるために夏祭りのカレー鍋を利用したとかいう。
そんな奴おるか。
それにこれ、これまでの保険金詐欺の容疑で発表された手口とはかなりかけ離れてる。
これはもうくだんの女性容疑者をなんとか毒入りカレー事件の犯人に仕立て上げるために警察が頭をひねって筋書きを作ったというような感じさえ与えるよね。こんなんで裁判して立証できるんかいな。
これが冤罪やということになったら、大変ですよ。
なんというか、一度警察に疑われたら本人が黙っててもどんどん罪状が増えてしまうというのをリアルタイムで見せられてるみたいで怖いね。人間、思わぬところで事件の近くにいたりすると疑われる可能性が出る。そして疑われたが最後、わしゃしらんといくら言うても状況証拠やというてお話にあわせた証拠が作られてしまうというのかな、そんな感じやね。
これまでの冤罪事件というのはたいていこのパターンやのに、まだやっておるのやなあと思うね。
これは、別に私がくだんの女性容疑者を弁護しているわけやないんですよ。私かて、事と次第によっては冤罪を着せられるかもしれん。そう思うと、こういう形でこじつけて最逮捕というのを見ると同じ目にあうかもしれん。そういう怖さがあるなあと思ったということですよ。
警察には捕まりたないなあ。どんな目にあわされるやわからん。
明日はいよいよ「学習発表会」の本番。打ち上げなんかがあって遅くなるので、次の更新は月曜日の深夜になる予定です。
学習発表会も無事に終わり、緊張感がなくなってしまった私は、半日寝倒していた。
起きて、ああそうや本屋さんに行って「スーパーファンタジー文庫」の新刊が出てるか確かめようと思うてたんや、とぼんやりした頭で考えるが夕方5時過ぎてからわざわざ原チャリに乗って駅前の書店に行くのもめんどくさい。それでまだ出てへんかったらあほくさいわ。
てな具合で夕刊を取りに郵便受けのところに降りて行ったら、なんと田中啓文さん自ら新刊を送って下さっているではありませんか。ああありがたや。これでわざわざ本屋に行かんでもようなったわいと随喜の涙を流す。
まずあとがきから読む。
完全に「スーパーファンタジー文庫」の読者層を捨ててかかっている。「キャプテンウルトラ」の話など、本来の「スーパーファンタジー文庫」の読者層にはわかるまい。つまり、これはもうSFファンを想定して書かれたあとがきであり、SFファンが大量に買わなければ続きが読まれないということなんやね。
で、一気読みをする。
感想は近々このページに書くつもりやから、面白いからみんな読もう、とだけここには書いておく。タイトルは「蒼白の城XXX(トリプルエックス)」。ふけだらけの頭の男の子と女の子の表紙が目印です。そやからというて金田一耕助みたいな話と違うよ、念のため。たぶんSFファンでなくても面白く読めると思う。コバルト文庫が置いてあるところにいっしょに並んでるから、普通の文庫のコーナーで探してもありません。
思いきり寝て、面白い本を一気に読んでという、嬉しい休日。休みの日はいつもかくありたいものです。
明日は所用で遅くなるので、次回更新は水曜の深夜の予定です。
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