ぼやき日記


2月11日(木)

 今朝新聞を読んでたら、「ホテルプラザ、営業中止」の報にびっくり。まああれだけ梅田にホテルが濫立してたらつぶれるかもしれんなあ。「コクサイホテル」とか「堂島ホテル」なんかもつぶれてるし。
 いやしかし、別に私は「ホテルプラザ」なんか利用しないから別にええけど、シャトルバスはどうなるんかなあ。「ザ・シンフォニーホール」や「ABCホール」に行くのが不便になるぞ。「ホテルプラザ」の社長は乾浩明か。出世したもんですなあ。
 なに? なんだか意味がわからん?
 大阪ローカルな話題やからわからんのも道理。一応全世界に発信しているのであるから、わかるように書かなならんね。
 「ホテルプラザ」というのは、大阪の朝日放送の子会社で、JR大阪駅から環状線で一駅、福島駅から歩いて5分くらいのところにあるホテル。朝日放送の建物に隣接してるから、朝日放送内の「ABCホール」で映画の試写会やテレビ番組の公開録画があるときは、ホテル利用者用に運行されてるシャトルバスに乗ったらタダで直接行けて便利やったんですな。「ザ・シンフォニーホール」もその近くにある。つまりシャトルバスがなくなったら、電車代を払うた上にまだ歩かんならんという実にもったいなくもめんどうくさいことになるんですわ。私ゃホテルよりもそっちの方が気になる。
 社長の乾浩明というのはもと朝日放送の看板アナウンサーやった人。もう20年も前のことになるかな。「世界一周すごろくゲーム」というクイズ番組の司会をしてた人です。たぶんこれは全国ネットやったはずやから知ってる人もいるかもしれん。大阪ローカルでは午後2時からの主婦向けワイドショー「プラスα」の司会者として局アナでありながら芸人さんたちを向こうにまわしてみごとにさばいてた。最近出てこないと思うたら、ホテルの社長をしてたとは、と驚いたというわけです。アナウンサーというのはタレント的な売れ方をしたらフリーになったりするもんやけど、乾氏はその道をとらず、社内で出世するのを選んだということなんやろうけど、経営悪化で解散という席で会見せんならんというのはなまじ顔が売れてるだけに注目度も違うし、さぞかしきついことやろうね。
 今日、床屋にいったら店の大将が「『ホテルプラザ』の料理はうまかった」と力説してた。そういえば新聞に載ってたキダ・タローさんのコメントも「経営状態が悪いときいてるけど、食事の質が落ちないのはさすがだと言っていた矢先だった」というものやったからね。
 シャトルバスのことを気にする私とはえらい違いやて? ほっといてちょうだい。

2月12日(金)

 仕事帰りに江坂駅近くの本屋による。少し大きめの本屋で、同じフロアにCD屋もある。ついでにCDも見てみる。というても、そのCD屋は特にクラシックが充実しているわけやなかったので、TV番組のサントラのコーナーを中心に見ていた。最近古い番組の主題曲や劇伴を収録したCDがよくでていて、けっこう掘り出し物があったりするんやね、これが。
 以前見つけた「ゲバゲバ90分」のCDは時々聴いてるけど、そのライナーノートに「カリキュラマシーン」のサントラも近々出すというようなことを書いてあったんで、こまめにチェックしてるんです。
 あまりめぼしいのがないなあと思いながら「CMサントラ」と書かれたコーナーに目を移すと、地味な白いタスキがなぜか目についた。タイトルが小さな字で書かれてあるので目をこらして読んでみる。
SUNTORY OOLONG TEA CM SONG COLLECTIONS 烏龍歌集
 なんですてえ。さんとりーうーろんてぃーしーえむそんぐこれくしょんず! もしかしたら、あの中国語版の「いつでも夢を」やら「結婚しようよ」やら「鉄腕アトム」やらを使うてるCMのCDと違うか? あれ、確かちょっと前にキャンペーンで懸賞をやってた時の景品と違うたか? 私はあれがほしかったんや。金を出して買いたいくらいやったんや。
 思わず手にとると、CMでおなじみの若いお母さんが気持ちよさそうに寝ている顔がジャケットに!
 これやこれやこれですよ。全てのヴァージョンが収録されてるぞ。すぐに買いましたよ。
 家に帰ってからよく見ると、なんと去年の7月16日の発売になってる。ちいとも知らなんだ。いやあ、よう見つけたなあ。妻にもほめられて嬉しい嬉しい。
 「鉄腕アトム」あたりは練習して歌えるようになりたいな。
 しかしなんですね。「烏龍歌集」なんてジャケットだけ見たら中国のCDみたいでやっぱりサントリーはいいセンスをしておるなあ。烏龍茶自体は苦くてあまりうまくないけど。

 明日は所用で遅くなります。次回更新は日曜日の深夜の予定です。

2月14日(日)

 昨日は「日本芸能再発見の会」で旭堂小南陵師匠の講演を聞きにいく。くわしい内容は「笑芸つれづれ噺」を読んでいただくとして、実は作家の田中哲弥さんもお誘いし、終ってから居酒屋に。「わーい、田中哲弥さんが来てくれはる」と喜んでたら妻が「いいなーいいなー、田中哲弥さん、いいなー」といって結局妻もいっしょに行くことになった。待ち合わせの心斎橋「青山」で妻がいたので田中さんはびっくりくりくりくりーん。驚かしてすみませんでした。
 居酒屋ではここでは書かれへんような危ない話も。
 私が「ヤング・アダルトは最近はデビューしやすいんですかねえ。僕らの若い頃やったら絶対デビューでけへんだようなもんでデビューしてる人もいるし。××××とか」と言うと、「あっぼくも今その名前言おうとした」と田中さんが言う。「※※※※さんの本なんか、読み終わって腹たってほかしたろかと思うたけど、せっかくお金を払うたんやからと思いとどまったんですよ」と私が言うと「ぼく、その人の本電車の中で読んでて、駅についたところで読み終わったんで、ホームのゴミ箱にほりましたよ」と田中さん。
 誰の本やなんて書かれへん。ああもう天につばするようなことばっかり言うてたぞ、わあわあ。妻と、私の職場の同僚のS氏も加わり、アホな話をしてたらあっという間に時間がたちました。ああ楽しかった。

2月15日(月)

パンション
 あの皆さん、ちょっとききたいことがあるんです。今日、授業で生徒たちといっしょに路上観察してたら、こんなん見つけたんです。アパートの看板なんです。
 ふつう、アパートとかマンションいうたら、「ハイツなんたら」とか「メゾンかんたら」とかいう名前がついてますな。以前「ノアズ・アーク」という名前のマンションがあってびっくりしたことがあったけど。「ノアの方舟」ですよ。なんで住宅にそんな名前をつける。ええい、話がそれた。
 それがやね、このアパートは「××パンション」て書いてあるんです。
「パンション」てなんだんねん。マンションと「パンなんとか」の合成語やろか。そしたらその「パンなんとか」てなんだろう。
 わからん。全くわからん。いっしょに歩いてた社会の教師4人が雁首そろえて考えてたんやけど、ぜんぜん見当がつかん。
 家主がパン屋でも経営してるんやろか。パンダが入居しているアパートなんやろか。築何年になるんか知らんけど、けっこう古い建物やねんな、これ。
 この「パンション」の意味がわかる方がいらしたら、メールでも掲示板でもええから教えて下さいな。わからんでも面白い推理でかまいません。
 ほんまに「パンション」てなんだんねん。今晩は眠れそうにないぞ。

2月16日(火)

 キリンビールのテレビコマーシャル、よろしいなあ。
 花紀京さんのナレーションにかぶってセピア色の画面。昭和初期のビアホール。「ビールを飲みながら、親父はよう言うてましたなあ。『笑われたらあかん。笑わせなあかん』。何のことやわからんかったけど」。笑う観客、そして、横山エンタツの笑顔。最後に花紀京さんがうまそうにビールを飲む。
 よろしいなあ。ぐっときますなあ。
 このコマーシャル、関西以外でもしてるんやろか。
 なに? 花紀京を知らん? 横山エンタツて誰や、て?
 そら知らんあんたがいかん。横山エンタツ・花菱アチャコはしゃべくり漫才の元祖で一世を風靡し、花紀京はエンタツの息子にしてかつて吉本新喜劇の花形役者としてならした名人やないか。それぐらいは常識として知っとかないかん。
 ところで、妻がいうにはダンカンのヴァージョンもあるとか。ダンカンの父というのは芸人やったっけ。違うたと思うんやけどなあ。そっちのヴァージョンを見てないんでなんともよう言わんけど。

2月17日(水)

 一昨日の日記で「パンションてなんだんねん」とかいたところ、ガイナックスの武田康廣さんからメールをいただいた。ご紹介いたしましょう。

「ところで、くだんの『パンション』のけんですが、たぶん『ペンション』の間違い、もしくは別発音(別の国語)ではないでしょうか?
 そんな気がしました。ちゃうかなあ?
 一時アパートやマンションをいろんな名前で呼ぶのがはやりましたから」。

 メールを読んでふと思ったのは、ペンションということばを綴りだけ見てそのままローマ字読みしたんかもしれんなあ、というようなこと。しからば、「ペンション」の正しい綴りはどんなもんだろうかと辞書をひいてみた。

「ペンション【pension】食事つきの小規模なホテル。洋風の民宿。>もとフランス語」(学研「新世紀ビジュアル大辞典」より)

 ローマ字読みするとそのまんま「ペンション」やけど、フランス語の発音やと「パンシォン」と読めないこともない。家主がどこかからこのことばをひっぱってきてフランス語やからとわざわざ「パンション」と読んだんやろか。
 ううむ、やっぱりわからん。そやけど、なんとなく正解に近づいたような気もする。武田さん、どうもありがとうございました。

2月18日(木)

 夫婦の会話というのは大切なもんである。飯を食いながらする会話はまた格別なものがある。
 会話というのは話題がそれていくもの。話の中で「いつくしむ」という言葉が出てきた。妻がなにげなくいう。
「『いつくしむ』って、言葉の意味をどういうふうに人に説明する? 『かわいがる』とかいうんかなあ」。
 私はしばらく考えてから「『愛情を注ぐ』かな。昔、安芸の宮島で……」。
 妻が人指し指をたてて「しょうもない! 田中啓文さんを見習いなさい!」と厳しい判定。「何か考えてると思うたら、そんなこと考えてたん」。
「ちょっと待ってえな。ぼくはちゃんとストーリーを考えてたんやで」。
「そしたら言うてみなさい」。
「昔、安芸の宮島の神官が赤ん坊を拾うたんやな。その神官には子どもがおらなんだんで、赤ん坊に愛情を注いで立派に育てあげたんやな。それ以来愛情を注ぐことを『いつくしむ』と……」。
 なんでこういう話になるかな。よその夫婦もこんな会話をしてるんやろか。

 「パンション」について、てなもんや掲示板で福岡さんが謎解きをしてくれました。こちらです。これでしっかり眠れそうです。

2月19日(金)

 いきつけの駅前の書店にもその向い側のコンビニにも「異形コレクション」と「SFバカ本」の新刊をおいてない。仕入れ部数が少なくてすぐに売れてしもうたかな。しかし、あちこちのホームページで「購入した」「読んだ」「おもしろかった」などと書いてあるのに現物が見あたらんというのも落ちつかん。守口市の「京阪百貨店」ならあるやろうと、帰りに寄ったら、ありました。むろんすぐレジにもっていく。
「カバーはどういたしましょうか」。
「えー、けっこうです」。
「かしこまりました」。
 他の店でもいつもする会話やね。
 あららら。お姉さん、カバーをかけて輪ゴムで2冊をたばねてるやないですか。あんたきいてへんかったんかいな。かけたもんを今さらはずしてくれとも言われんし。
「このままでよろしいですか」。
 ほっとくとそれを紙袋に入れそうな勢い。そんな過剰な包装は、いらん。しかし、もしかしたらこのお姉さんの正体は天邪鬼かもしれない。ここで「はい」と答えたら紙袋をとりだして入れるかもしれへん。そやからというて逡巡してたらやっぱり紙袋をとりだして入れるかもしれへん。ええい、そんなことで悩んでどないする。
「そのままで」。
「ありがとうございました」。
 お姉さんはそのまますっと渡してくれた。ああよかった、天邪鬼やなかった。ただ単に人の話をきいてないだけか習性で体が勝手にカバーをつけてしまうか、どっちかなんやろう。
 もしかしたら、このお姉さんは「けっこうです」というのを肯定の意味に解釈する人なのかもしれへん。電話で押し売りをする悪徳業者に否定の意味で「けっこうです」と言うと、わざと肯定の意味にとって勝手に契約するのがいるという話をきいたことがある。それと同じなんか。「いりません」と言えばよかったのか。
 たかがカバーぐらいでそんなことをうだうだ考えることないと言われたらそれまでやけどね。

2月20日(土)

 TV情報誌を見ていたら、明日から戦隊ものの新番組が始まるらしい。「救急戦隊ゴーゴーファイブ」というすごいタイトル。5人兄弟が変身するんやけど、そのうち3人は消防隊員で1人は病院勤務の救急救命士(そういう資格はほんまにあるのか、私は知らんけど)、一人は巡査。合体する巨大ロボットは「レスキューロボ」というそうです。
 昔、スペクトルマンは公害怪獣と戦ったけど、ゴーゴーファイブは災害と戦うというわけですな。まあなんともいろんなことを考えるもんです。脚本は作家でもある武上純希さんだ。
 で、この兄弟の父親というのが消防署の所長かなんかかと思うたら、博士なんですな。何の研究で学位をとったかは判然とせんのですが、防災化学の権威と書いてある。なるほど、自分の研究を子どもたちに実践させるというわけか。それは親のわがままと違うか。1人は巡査やから、そいつだけ親に反抗したんかもしれんね。
 しかし、こういう時の博士が文学博士やったらおもろいやろうな。シェークスピア研究の世界的権威とか。醜悪な怪人を目のあたりにして「きたないはきれい、きれいはきたない」とつぶやいてみせたり、人質にとられるなどのピンチにおちいった時には「永らうべきか、死すべきか」と悩んだり。
 なんやかんやといいながら、たぶん私はこの番組を見るということはないやろうけどね。日曜の朝7時30分なんて、起きられるわけないでしょうが。
 それやったら日記のネタにするなよ。

 明日は「たちよみの会」の例会。気軽にお立ち寄り下さい。


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