ぼやき日記


2月21日(日)

 今日は「たちよみの会」の例会。かつきよしひろさん京大SF研の岡田さん、田中さん、加藤さん、そして友人Yくん、私の妻が参加。例によって例のごとくSFの話やら本の話やらしてから書店へ行き、並んでいる本を見ながらわいわいと楽しく過ごす。卒業式を前にしてけっこう仕事の方がハードなので、こういう気分転換は嬉しい。

 昨日、所用で京都にいき、CDショップで「太陽の王子ホルスの大冒険」のビデオを見つける。昨年9月20日の日記に書いたように、私はこの東映動画の名作のビデオ化を熱望していただけに、それが目の前にあるだけで嬉しいねえ。その近くのアニメショップにもいってみたら、「長靴をはいた猫」も売ってるぞ。チラシによると「どうぶつ宝島」や「空飛ぶ幽霊船」のビデオが来月には出る! 買うぞ買うぞ絶対買うぞ。1本のお値段が2800円と格安なのも嬉しい限り。ビデオが出だした頃は1本1万円以上してたからね。
 宮崎駿ファンでまだ見たことのないという人は必ず見てほしい。「カリオストロの城」も「ナウシカ」も「ラピュタ」も「もののけ姫」も東映動画の「ホルス」「長猫」「ど宝」のバリエーションであるということがおわかりになると思う。
 LDも出ていた。私はLDの再生装置をもってないんでビデオを買うたけど。
 とにかく私は嬉しうて嬉しうてたまらんのよ。

2月22日(月)

 高等部3年の「お別れ遠足」の下見に行く。行き先は「東映太秦映画村」。
 日曜祝日は観光客でいっぱいになる映画村やけど、平日はわりかしすいてる。年輩の方たちと遠足らしい小学生だけ。
 普通に入れば2200円の入園料を払わんとあかんのやけど、下見の場合は無料で入れてもらえる。ありがたいことです。
 天気がよいということもあって、TVの「水戸黄門」のロケをしている。セットをそのまま遊戯施設にしたので、ロケをするときはロープをはって一般客が入れんようにするんやね。レフ板をもって立ってる人のほかに、ロープの前に立って「おしずかに」と書かれた扇子をもったおっちゃんがいる。
 私もミーハーして本番が始まるのを待つ。なかなか始まらん。町娘のかっこうをした女優さんや大八車にもたれた俳優さんたちが所在なげに待ってる。助さんがうっかり八兵衛と談笑してる。
「スタート!」。
 監督の声にあわせて、大八車のお兄さんがのろのろと動き始めた。黄門さまを先頭に一行が街角を歩いている。毛のはえたバカでかいマイクを支えたお兄さんもいっしょに歩く。黄門さまの声がかすかに聞こえてくる。格さんが返事をしてる。うっかり八兵衛が家の柱に笠をぶつけてよろけたら、助さんがなにやら言うて八兵衛をこづいた。おお、「水戸黄門」や。これがないと「水戸黄門」やないというぐらい「水戸黄門」らしい場面やないですか。
「オーケーイ!」。
 なーんや、これだけかいな。俳優さんも大変やなあ。これだけのシーンのためにえんえん待ってなあかんのやからなあ。あれ、さっきの町娘はどないしたんやろうと思うたら、知らん間に桶をもって先ほどの反対側に立ってるぞ。さりげなく通行人の演技をしてるんやねえ。えらいもんや。何を感心してるやら。
 映画村に行ったからというて必ずロケを見られるというもんでもないから、けっこうラッキーやったかも。生徒を連れていくときは何のロケをしてるかな。「暴れん坊将軍」とか新番組の「隠密奉行・朝比奈」なんかのロケをここではしてるらしいけど、営業課長さんにきいたら、その日の予定はまだ確定してないらしい。楽しみ楽しみ。

2月23日(火)

 最寄り駅の高架下は商店街になってる。今日、なにげなく天井を見上げたら、中に蛍光灯の入ってる看板がつりさがっていた。透かし絵のように鉄腕アトムが女の子を抱えて空を飛んでる絵が見える。あれはいったい何の看板や。真下に行って見たら、ポスターで看板をくるんでるんや。防災週間のポスターらしい。反対側を見ると、非常口の表示。本来はたぶん両面に非常口のマークが書いてあるんやろうけど、なんかの理由で片面の表示が割れたかどうかしたんやろう。そうやからというて、なにも鉄腕アトムのポスターでくるむことはなかろう。そんなもったいないことをするんやったら私にくれ。なにか無性にほしくなってきたぞ。余ってへんやろか。どこにいうたらええんかわからんぞ。下さい、ちょうだい、いただきたい。
 物の値打ちのわからんやつが多くて困るわい。

2月24日(水)

 私は朝飯を食うときにラジオをきいてる。朝日放送「おはようパーソナリティ道上洋三です」です。「です」が重なるけど、そういうタイトルの番組なんやかしかたない。
 関西ローカルの番組やからほかの地方の人はなんのことやらさっぱりわからんかもしれへんけど、もう20年も続いてる長寿番組ですぞ。大阪では
毎日放送「ありがとう浜村淳」とならぶ人気番組で、ラジオのファンの間では「道上洋三」派と「浜村淳」派が対立し、血で血を洗う抗争をくりひろげたりはせーへんけど。まあ、朝に大阪でタクシーに乗ってごらんなさい。どっちかの番組をかけてるはずや。対立に巻き込まれとうない運転手はNHKをかけて中立を保っているのかどうかは、知らん
 そんな話をするつもりではなかった。
 朝、ラジオをきいていて、最近めちゃめちゃ気になるCMが耳につく。
「きみ、入社式はいつだったっけ」。
「4月1日です、社長」。
「今度の新入社員はパソコンぐらい使えるんだろうな」。
 というような会話のあと、いかにも素人臭いナレーションが入って、某大手家電メーカーがパソコン講習の講師を派遣しているから入社前の研修に御用命を、ということになる。そのナレーションが耳につくんやね。「『ウィンドウズ』『ワード』『エクセル』などの使い方を指導いたします」というんやけど、「ウィンドウズ」と「ワード」という言葉の発音が変なんだ。アクセントをどこにもつけてない、平板な言い方だ。普通は「
ウィンドウズ」「ード」と太字のところにアクセントをつけるでしょう。これが耳につく。「クセル」というのはちゃんとアクセントをつけてるんやで。
 以前、「カ
シ」という発音のCMが話題になったことがあったけど、まあ同じようなもんですわ。
 それとも、その会社では「ウィンドウズ」と「ワード」は誰もがアクセントをつけずにいうてるんやろうか。実はアクセントをつけへんのが正しい言い方で、私の方が間違うてるんやろか。そういう言い方がはやってるんやろか。
 だいたい社長が自分とこの会社の入社式の日程を知らんということがあるか! ええかげんな台本を書くな!
 というわけで、毎朝必ずこのCMをきかされていて、そのたんびに腹をたててるんです。4月になったらCMも変わると思うんやけど、それまでずっときかされると思うと、いやになるわい。

※たいそうに書きましたが、「道上洋三」と「浜村淳」は実は放送時間がずれてるんで、「道上」が終ってから「浜村」をきくことはできるんです。そうしてる人もけっこういるんと違うかな。

2月25日(木)

 「S−Fマガジン」4月号の特集、「SFファンのためのインターネット・ガイド」で、風野春樹さんがこのページを紹介してくれはった。おまけにトップページの写真いり。トップページの猫も万歳して喜んでます。もとからやがな。
 それから、
「DASACON賞」というSF関連ホームページの賞にもノミネートしてもろた。そのおかげかアクセスカウンターの数字が一気に増加、55000をこえました。みなさん、ほんまにありがとうございます。

 とはいいつつも、あまりSFについて書いてない。すんません。気が多い人間なもんで。

 今朝、スポーツ新聞を読んでたら、阪神タイガースの安芸キャンプを取材にきた江川卓がとんでもない発言をしてて、怒りさえ感じてしもうた。
 野村監督との話のなかで、「一日だけだけど、ぼくは阪神のOBですから」と言うたんやて!
 そらねえ、確かに一度タイガースと契約はしたよ。そやけどそれはジャイアンツに移籍することを前提にした契約やないか。ユニホームに一度も袖を通したことのないくせにOBなんちゅうことを言うか。本人はしゃれのつもりかしらんけど、江川とジャイアンツと小津タイガース社長がやったことは、私は忘れてへんぞ。
 例えば、松永みたいに移籍1年でFAでタイガースを出ていって、移籍先でタイガースの悪口を言いたくった男でも、1年はちゃんとプレーして連続試合先頭打者ホームランの記録を作ったりしてるんや。りっぱなOBや。私は嫌いやけど、それでも松永はOBとして発言してもかまわんやろう。
 江川は違う。ジャイアンツに入るためにタイガースと小林繁とその年ジャイアンツに入りたかった選手(その年、ジャイアンツはドラフト会議をボイコットした)を踏み台にしたんと違うんか。そういう男に「OBです」なんて言うてほしいことないわい。恥を知れ!

2月26日(金)

 著作権というのは、難しいもんやねえ。
 今朝の新聞で「キャンディ・キャンディ」のキャラクターに関する著作権裁判の報道を読んで、そう思う。
 なんでも、「キャンディ・キャンディ」のキャラクターグッズ(今回はプリクラのフレーム)を発売するにあたって、作画のいがらしゆみこさんだけが許可をしたのに、原作者の水木杏子さんが意義を申し立てたことから話が始まったそうな。
 漫画家だけでなく、原作者にも著作権はある。というのが水木さんの主張。それに対していがらしさんは、原作はストーリーの参考程度でキャラクターは漫画家の創造物だから漫画家だけに権利はある、という。
 これ、どっちのいうことにも理があるように、私は思うんやけどねえ。確かに、キャラクターのデザインだけやったら、漫画家のものやろうね。ただ、原作がなかったら、そのキャラクターも生まれへんかったやろうし。
 もし、私の書いた童話、「おおごえこぞう」が人気を呼んでキャラクターグッズがばかばか売れたとする。そんなことがあるわけはないけど、たとえなんでかんにんしてね。で、キャラクターの絵を描いた飯野和好さんのところにだけ著作権料が入って私のところには一銭もはいらなんだら、私としては面白くなかろう、と思う。飯野さんがそんなことをするとは思わないけど、これはあくまでたとえね。そやけど、「おおごえこぞう」というキャラクターは私のアイデアに飯野さんが命を吹きこんでできたもので、そのグッズが売れたのは飯野さんが描いたところの「おおごえこぞう」だから、ということになる。ほかの画家の人ならそうはいかなかったかもしれへん。というように考えると、キャラクターグッズに関しては原作者と画家は対等とはいえんのと違うやろうか、と思うてしまうわけね。
 アニメ「ファンファンファーマシー」なんか、原作には出てこないキャラクターがメインでいたりするからねえ。この場合、キャラクター商品に対する柏葉幸子さんや荒木慎司さんといった原作の絵本の作者の著作権はどないなってるんかねえ。
 「キャンディ・キャンディ」の場合は、額の大きなお金が動くから、よけいにもめるんやろうねえ。裁判所の判決は、「原作者にも著作権はある」というもの。
 この問題、私には結論が出せそうにない。ほんまに難しい。

2月27日(土)

 「平成女鉾の会」主催の「二十一世紀祭フォーラム」というシンポジウムをききに出かける。場所は八坂神社というところが祇園祭関係らしい。
 内容はというと、第1部は「時代の新しい祭に学ぶ」と題された札幌で「北海道YOSAKOIソーラン祭」という新しい祭をつくりだした長谷川岳さんへのインタビュー。インターミッションにその祭にも参加している京都の学生さんたち「マツリスト」のパフォーマンスと「平成女鉾」囃子方による祇園囃子。そして第2部は「祭り大好き人間 大集合!」というパネル。前述の長谷川氏、「マツリスト」の代表川崎篤之さん、女鉾囃子方のメンバー2人と祭を作る人たちに加えて、祭にくわしい武庫川女子大教授・森谷尅久さんというメンバーで、祭に参加する意義、祭が現代にもつ意味などを語る。
 2時に開始して、終了は5時前になる長丁場、しかもこの間休憩なしというのはちょっと疲れたけど、なかなか面白かった。
 「北海道YOSAKOIソーラン祭」というのは毎年6月に行われていて、今年で8回目を迎える祭。ビデオを見せてもらったけど、両手に鳴子をもち派手な衣裳とメイクで踊る人たちが290チーム29000人も参加し、サッポロのメインストリートで3日間踊りまくるというえげつない祭。なんと長谷川氏はまだ学生やった20才の時に仲間5人と語らって、高知の「よさこい祭」にならって始めたという。全国各地の祭の資料を集め、協賛の企業も自分たちで開拓し、行政の補助はなるべく少なくして、自由な発想で祭を作りあげてきたそうだ。ビデオでは「ポンキッキーズ」の出演シーンもうつされた。さわやかな好青年という感じの人で、人をひきつけるものをもってるように感じられた。カリスマ性というのとはちょっと違うけど企業を起こしても政界に打って出ても成功しそうや。えらいもんです。
 1年間ためにためたパワーを爆発させる空間を創造し、定着させるというのはなみたいていではでけんと思うんやけどね。学生さんたちのパフォーマンスもそうやけど、私が感じたのは、「京都SFフェスティバル」の学生さんたちに共通する若さのもつ力やね。なにか一つのことに熱中して、多少無理かと思えることでもやってしまうという、そういう力。自分が学生時代にSF同人誌を作ってた頃のことなんかを(規模は格段に違うけど)思い出した。
 あれだけ人をひきつける魅力のある人が、この世にはやっぱり存在してるんやねえ。彼を利用しようとする人なんかも出てくると思うけど、そういうものに乗ってほしくないなあ。もうすでに後継者のことや祭の今後をにらんで活動してるみたいやから、さらに何かやりたいことがあるみたいやね。
 全然自分が知らん世界のことに触れるというのは気分がリフレッシュされて面白い。いや、いろんな世界があるもんです。

2月28日(日)

 ああもう2月が終わってしまった。卒業式まであと10日しかないぞ。なんたることか。毎日忙しいから、休みの日くらいは本をまとめ読みしとかんと。しかしなんやね、今月はシリーズものの続きばっかり。それはそれで読みやすいからええんやけど、書評はしにくいなあ。

 私のMacintoshに入ってる辞書の「ことえり」があまりにアホで同じ言葉を何回入力しても一発で出さん。「京都」という言葉はしょっちゅう使うのに、必ず「教徒」と変換される。同じ文章の中で2回3回と使うてもそうなんやから、学習能力がないとしかいいようがない。ええいええい、おまえはなんべん言うたらわかるんやといらいらしてしまう。
 そこで、「ATOK12」を買うことにした。例の「入れたてのお茶」や「バスガイドが添乗する」という、あのCMでおなじみの辞書やね。会員特典とかで少しは安くなるということもあった。それが昨日届いたんで、さっそくインストール。
 便利なもんやねえ。キー入力の設定を「ことえり風」にしといたら日本語と英字の入力切り替えも今までと同じキー操作で扱える。ときどき《「の」の連続》やら《否定の連続》やら《らぬき表現》やら「おらおら、おまえ間違うてんぞお」とうるさく指摘したりするので、それも設定がえしておく。
 これがなかなかかしこい。Macユーザーの同僚から「『ことえり』はアホですよ、ほかの辞書を入れたらええんですよ」といわれてたのが、やっとわかった。もっともWindowsユーザーの同僚には「ATOKは嫌いや」という人もいてどの辞書がもっとも使いよいかは使う人によるということやろうけど。ともかく、辞書を入れ替えたおかげですごく入力がスムーズになったことだけは間違いない。できれば大阪弁対応の辞書というのも作ってほしいなあ。ジャストシステムは徳島の会社で、大阪文化圏なんやから、そういうの、作りませんか。作りませんわなあ。


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