ぼやき日記


11月1日(月)

 何ともはや、もう11月ですか。今月末には学習発表会もあるし、出かける予定も多いし、またきつい1ヶ月になりそう。
 で、今日から劇の練習が始まる。脚本・演出は私ということになるので、初日の立ち稽古からかなりハイテンションで指導。80分の間、そのテンションを持続させなければならないというのはけっこうきつかったりする。「はい次はここでにせものの三蔵が出てくる!」「そらそら、上を見る上を。きんと雲が空を飛んでくるんやで、驚くんや」「さあ、天からお釈迦さんの手がおりてきたぞー。みんな倒れろ」。
 初日ですから、生徒はまだまだセリフも憶えてへんし、動きもわからん。普通やったら読み合わせを先にしておくべき、なんやろうけれど、台本を読んでしゃべるのが難しい生徒、なかなかセリフが憶えられない生徒、言葉を使えない生徒など、バラエティに富んだ顔ぶれなんで、ともかく舞台の雰囲気をつかませるのが先ということになる。高等部の1年生の場合、劇にでるのが初めてという者もいるわけで、舞台に立つというプレッシャーで練習の段階から動けないという生徒にはとにかく慣れさせんといかんのだ。
 私が高校生の時、文化祭で劇をした。演劇の好きな男がいて彼が演出を担当し、私も端役で出演した。生徒が勝手に進めるから、担任としては特に手を出すこともなかったんやろうね。私たちが大汗かいて練習をし、一区切りついたところで先生を見ると熟睡していた。
 もし私があの時と同じ状況に、今現在あるとしたら、うう、寝てしまうかもしれへんなあ。
 今日は寝るどころか、練習が終わったあとでも興奮状態が続き、異様に饒舌になってるのが自分でもわかった。ようよう落ち着くと、今度はリバウンドでどっと疲れが襲う。こんな調子で1ヶ月やってたら、絶対無理がくるからね。適当なところで力も抜かんならんね。幸い三蔵法師一行の役をする4人がなかなか達者なんで、うまくいきそう。例年たいていの生徒は学習発表会の劇を境に自信をつけて、ぐっと力をのばす。今年の生徒もそうあってほしいものです。

11月2日(火)

 夜、所用で京都へ。
 以前にこの日記でも書いた「出してくれ。出たら買うぞ」というビデオやCDをやっとこのことで手に入れる。
 一つはビデオで「白蛇伝」。東映動画製作の、日本で初めての総天然色長編漫画映画であります。公開は1958年というから、そうとうな年代物なわけやけど、作りのていねいさもさることながら、その様式美は、どんなに技術が進んだ現在であっても、これを超えるものはそうはないと、私は思うね。私の知る限りでは「わんぱく王子の大蛇退治」が匹敵するかな、というくらい。作品の完成度という面でいえば今となっては物足りないところはあるけれど、時代を考えればよくもまあこれだけのものが作れたもんやと感心してしまう。
 これがなんと2800円で手にはいるんやから、こんなにありがたいことはないね。次はやっぱり「わんぱく王子」を発売してほしいものであります。
 もう一つはCDで、なんと「春團治三代」という全33枚組になる落語集。今回発売されたのは、初代のみで12枚。今月末には初代が9枚追加され、12月の半ばには二代目が5枚、三代目が7枚発売予定になっている。初代のSPはかなり復刻されているけれど、今回はそのほとんどを網羅してて初めてCD化されるものも多数ある。
 京都でも老舗のレコード店「清水屋」で買うたんやけど、ちょうどレジに持っていったら店長がいて、話しかけてくれはる。そらそうや。落語のCDをいっぺんに12枚もレジに持っていくような客はそうぎょうさんいてるわけはなかろう。「このCDは今までのより音がいいですよ。私も聞きましたけど、かなりノイズをカットしていてすごく聞きやすくなってますよ」。店長さんもかなりお好きなようです。店で作ったコピーのチラシまで渡してくれはる。
 家に帰って一枚だけ聞いてみるけど、なるほど、これまでのSP復刻のCDよりも格段に音が鮮明や。SP特有のチリチリ音は最低限に抑えられ、演者の声がはっきり聞き取れる。リマスタリングの技術が発達しているということもあるやろうけど、エンジニアがかなりていねいに仕事をしないとこういう音にはならんやろう。企画といい、品質といい、素晴らしいものを出してくれた「日本クラウン」に最大の賛辞を贈るぞ、私は。
 これを機会に「桂文枝全集」「五代目、六代目笑福亭松鶴全集」などが出てくれれば嬉しいんやけど。この「春團治三代」が売れたら、新たな企画も出るかもしれへんね。みなさん、一家にワンセット揃えましょう! そんな無茶な。

11月3日(水)

 久々に完全休養日。床屋に行ったくらいで、あとは読書したりぼんやりしたり。
 床屋では例によって理髪師のお兄さんとよもやま話。
「音、びっくりしますなあ」。
 音ですか。
「自転車に乗ってましてなあ、後ろから、バスが警笛を鳴らしますんや。びっくりしましたで。追い抜きよったバスをね、バス停に止まってる間に自転車で追いついて、運転手に文句言うたりました」。
 夜中にがたんと音がすると、確かにびっくりしますねえ。
「音というのは、突然きますからな。正体がわかりにくい」。

 床屋のお兄さんの言うとおりやね。視覚に比べて、聴覚は具体的な像を結ぶのに一瞬間があいたりする。がたんと言う音がした方角から、そこに何があるか、音をたてる要素は何か、瞬時に判断できたらええのやけれど、推理する時間が必要なときもある。その瞬間に、得体の知れなさというようなものを感じてぞっとするんやないやろうか。
 昔、夜の灯りは月か星しかなかった自分、闇は恐怖の対象やったという。夜道を歩いてて後方から物音がしても、その正体は容易にはわからん。振り向いてみても暗いもんやから情報を得ることがでけへん。自分を納得させる材料がないぶん、未知のものに対する恐怖は増幅したやろうね。
 音については、いろいろと考えてみたいなあと思う。
 この床屋で世間話をするたびにいろいろと面白い話題が出てくるんで、実はいつも楽しみにしてるんです。それはええんやけど、蒸しタオルで口をふさいでるときに話題を振られるのだけは文字通り閉口する。
「お客さん、どない思わはります」。おおうおう。「そうですやろ」。もうおもうも。
 会話がでけへんやないですか。

11月4日(木)

 仕事をしていると、甘いものがほしくなる。特に授業を一つ終えて職員室に戻ってくると、めちゃめちゃ甘いものに淫したくなる。授業というのは芸人でいえば高座、役者でいえば舞台。どんなに落ち込んでるときでもむりやりテンションをあげて臨むから、そのリバウンドがきついきつい。
 涼しくなってくると、菓子会社がこぞってチョコレートの新作を出してくる。私はもうなんというかチョコレートが好きで、ヒトラーの再来やないかというくらい。例えが悪いか。
 で、この秋に登場した新作のチョコレートを順番に食べてみました。やっとひととおり食べたんで、今日はその品定めというのをしてみる。
 うまいと思ったのは、明治製菓の「銀座スヰート生チョコレート」。昭和初期のチョコレートの味を再現したとかで、甘口で柔らかく、口の中のとろけ具合が実によろしい。ただ、値段は少し高い。同じ生チョコレートを使っていてもロッテの「スノール」はもう一つ私の好みやなかったね。生チョコレートをホワイトチョコレートでくるんだために、生チョコレートの香ばしさが半減している。
 グリコの「薫りカカオ」は粗挽きのカカオチップが入っていて、これが決めて。ちょっと歯触りに違和感はあるものの、アーモンドやピーナッツと違い油臭くないところがいい。これは着眼点のよさを買いたい。
 コーティング系でいえば、森永の「CARA」がプリン好きの私にはおいしかった。カラメルとホワイトクリームの混ざり具合がよろしい。コーティングしてあるチョコレートもしつこくない。同じ森永でも「リモーネの香」はレモン味がさわやかやけれどももう一つ味に決め手がないと思うた。絶句したのはやはり森永の「オリーブの実」。ホワイトチョコレートに緑色をつけただけのただのアーモンドチョコレート。成分表を見るとオリーブオイルも入ってるみたいやけれど、それがどうしたという感じがした。
 他にも歯ごたえサクサク系やらホワイトチョコレート系に新作があったけど、特にこれというものはなかったんで割愛する。
 で、結局この冬の私の定番は、去年と同じ明治「メルティキッス」に落ち着いた。そんなにばかばか食べて鼻血が出ないかと思われる向きもあろうが、それほど血の気は多くありません。食べ過ぎて胸が悪くなったりはしたが。そこまでして食べるかね。

11月5日(金)

 いやまいったね。
 クリックしたら「File is not Found.」やからね。まさかいきなり切られるとは思わんかったね、掲示板。確かに、1年たったのに継続の手続きをせえへんかった私も不注意やったよ。そやけどあなた、せめてメールの1本もよこしてくれへんかったら、ついうっかり忘れてるという場合もあるやないの。
 実際、掲示板を貸してくれたところは最初から不親切やったことは確かやった。入金確認のメールも来なかった。一時パンクしたときに問い合わせのメールをなんべんも送ったのに梨のつぶて。パンクして1週間くらいたったら突然まっさらになって復活したりした。理由説明もなにもなし。やる気あるんかと思うたからね。
 というわけで、「てなもんや掲示板」は一時閉鎖してます。いっそのこと、新しいところで借りることにしよう。残念ながらプロバイダは掲示板サービスをしてないんで、あちこち探してみることにした。良さそうなところがあるので、近日中には掲示板を復活させることにしたい。
 まあねえ、ここんとこずっと放置してたせいで掲示板は閑散としたものでありました。これは全くもって私の怠慢であります。新しい掲示板を借りたら、今度は最低週1回は書き込むことにしよう。お返事しなかったみなさん、ごめんなさい。
 どうせなら、名前も変えてしまえ。ゲンが悪い。「よう来たな、まあこっちお入り掲示板」はどうか。長いか。「まいどおおきに掲示板」では常連さんしか書きこまへんみたいやしな。「なにぬかしとる掲示板」ではケンカを売ってるみたいやな。「よう来といやすな掲示板」とか。あまりにも訛りすぎててわかりにくいか。「笑ってオホホ掲示板」。「なんだんねん掲示板」。「どないしてこまそ掲示板」。「笑てなしゃあない掲示板」。「そんなアホな掲示板」。「やっとられへんわ掲示板」。「えらいすんまへん掲示板」。「ちょっと聞いたぁ掲示板」。「これは素敵なちょいといかす掲示板」。「いたって色気は掲示板」。「歌って笑って陽気に楽しく掲示板」。「頭の先まで掲示板」。「こんなん連れてやってまんのや掲示板」。「青い灯赤い灯掲示板」。「蒼火がポー掲示板」。「ボヤがパー掲示板」。わけわからんようになってきた。
 こんなん考えてんとええ掲示板を探そ。

11月6日(土)

 昨日書いた掲示板打ち切りの話でありますが、料金未払いで打ち切ったわけやないみたい。レンタル先のホームページにつないだら、いつまでたってもデータが送られてこない。業務撤退の可能性がある。それやったらそれで教えてよ。すぐに使えるように次のところをさせたのに。まだ新しい掲示板をどこで借りるか決めてない。前の掲示板はレンタル先が不親切やったとはいえ、使い勝手は悪くなかったからなあ。無料がええか有料がええか、そこらへんも悩むところやし。

 昨日で「宇宙船レッドドワーフ号」が最終回を迎えた。毎週金曜深夜の楽しみがなくなってしもたのは寂しいなあ。最初は登場人物も少ないしセットも限られてるしで、えらい低予算で作ってるけど、その分アイデアで勝負してるなあとおもうてたら、本国イギリスでの人気があがったのかかなり贅沢な作りになった。
 しかしこれだけおもろいSFドラマもなかったよ。テイストとしてはパロディ的なギャグが多くて、やはり「モンティパイソン」のBBC製作やわいと思うたね。笑いに毒があるところがよかった。わかる者にだけわかったらよろしいという姿勢が好きやった。これは「Mr.ビーン」もそうやったけど、一見わかりやすいギャグでありながら、裏に隠された毒を探るとかなりきついというところがあった。
 笑いというのは、受けての育った環境なんかでかなり違うからね。お年寄りからお子さままで家族そろって楽しめる「健康な笑い」てなもんは、私はないと思うてる。一つの番組、一つの高座、一つの公演の中にいろんなテイストの笑いをあれこれ混ぜておくという工夫もないといかんと思う。同じ落語や漫才でも、客層によって笑うところが違うのは当たり前。私がおもろいと思うても、父親にはなんのことかわからんということもあるわけでね。
 その点「レッドドワーフ」はアイデアを惜しげもなく投入して、ギャグもいろんなテイストのものをとり揃えてた。
 来年BBCが続きを製作したら、NHKはちゃんと放送してくれるんやろうね。今気がかりなんはそこ。できれば、再放送をしてほしい。最初の数回は見てなかったからね。平日の昼でもかまわん。録画する。「ビバリーヒルズ青春白書」をあれだけ再放送してるんやから、「レッドドワーフ」かて、してくれるよな。期待しよう。「大草原の小さな家」なんか何回再放送してるかわからんぞ。「レッドドワーフ」かて、してくれるよな。期待しよう。「名曲アルバム」なんか同じ映像をなんべんも……。

11月7日(日)

 今日はどこに行くという予定もなかったんで、本をたくさん読めるぞと朝からわくわくしてたんやけど、昼寝をしたりしてて1冊しか読まれへんかった。あきまへんがな。こういう日は最低2冊は読みたい。また読まんと締切間際になってばたばたひいひいせなならんのだ。月初めはヤングアダルト文庫の新刊が一気にでるんで、一気に買いますな。買うたその日に全部読んだら問題ないんやけど、そんなことはできません。あまり夜更かししすぎても、翌日の仕事に差し支える。1日1冊、地道に読むしかないんだ。

 昨日は妻の誕生日。普段なにもしてあげられへんので、せめてプレゼントくらいはと思い、彼女が学生時代に熱狂的なファンであったアニメ「装甲騎兵ボトムズ」のサウンドトラックCDを何枚か贈る。
 これがそのなんです、彼女のオタク心を刺激したんですな。すぐに包装をむいてたてつづけに聴く。なんでもLPは持ってるんやそうです。ところがLPをすぐに聴ける環境やないからね。音色のよさや手軽さでもCDで持ってたほうがいいというわけで、狂喜乱舞してくれて、それはそれで嬉しかった。
 困ったのは、焼けぼっくいに火をつけてしまったというか、真剣にVHS12巻になる全話収録のビデオを買う勘定をしはじめたり「なあなあLDプレイヤーを買う予定はないの?」とLDボックスを買う算段をしたりし始めた。今さらLDプレイヤーを買うくらいなら、DVDプレイヤーを買うがな。
 私もアニメショップでくだんのCDを買うときに、「未来少年コナン」のビデオやらなんやら「あれ欲しいこれ欲しい」と何度手をのばしかけたことか。そこをあなたぐっと我慢してましたんや。妻の気持ちは痛いほどわかる。学生時代はビデオデッキなんかとても買える身分やなかったからね。ラジカセとTVを結線してカセットテープに音声だけ録音して飽くことなく聞いたりしたもんです。大人になって定職を持ち、それなりに収入があると、あのころ買われへんかったもんをその仇をとるみたいに買い揃えたりするからね。
 本来子どもが買うべきところをそうやって大人が買うのは「大人買い」というそうやけど、発売してる会社もターゲットは30代やろうな。
 しかし、金はなくとも暇はあったあのころの方が、そこそこ金はあるが妙に忙しい今よりも楽しかったかもしれんなあ。その時分は「もっともっともっと金があればなあ」などと思うていたもんですが。金があって暇があって好きなことができるという身分になるころには、棺桶に片足つっこんでそうですな。そんな身分には一生なれんか。

11月8日(月)

 以前書いた大学のゼミの同窓会の案内状が届いた。届いたはええけど、えらいごつい封筒に入っている。なんじゃいなと思うて封を開けると、往復ハガキが2枚と2人分の住所を書いたメモが同封されている。これはつまり、その2人に私から往復ハガキを送れということなんやろう。なんですねえ、私に封書でたった2通のハガキを送りつける手間と事務局で直接その2通を送る手間を考えたらどっちが楽かというとこれはもう事務局で作業する方が楽やないかと思うんやけどね。
 まあ事務局の申し合わせでゼミの同期の者にはその年度の「世話人」がハガキを送るということになったんやろう。私は世話人の集まりに欠席したんでようわからんのやけど、そうでないとこんな手間をかける意味はあらへんわな。
 そやけど、私は世話人の寄り合いを欠席する旨のEメールを出したときに、私のようなゼミの単位を落とした者が「世話人」でええのかと問い合わせたんやけどなあ。返事も来ないんでどないなってるんかと思うたら、いきなりこういう形で仕事がまわってくるんやからなあ。なんか釈然とせんのや。そやからというてこのハガキをほったらかしにはでけんのでなあ。
 私が送ることになってる2名はいずれも女性で、姓が変わっているところを見ると、おそらく結婚してはるのでしょう。住所はいずれもかなり遠方。たぶん律儀に教授に年賀状か結婚の挨拶状を送ったりしてはるんでしょう。しかし他に教授と連絡をとってる者はおらんのか。確かゼミには20人くらい人がいたと記憶してるんやけど。連絡がつくのはたった3人か。実はゼミの同期で今も年賀状のやりとりをしている友人がいるから、もう1人ハガキを送ることはできるけどね。彼を含めても4人か。
 他の16人ほどの人たちはいったい何をしておるのやら。論文も書いてない私が教授と連絡がつくようにだけはしているというのになあ。ちゃんと論文を書いて4年で卒業した連中がそれをしとらんというのは、なんだかけしからんという気分になってきたぞ。
 不幸のハガキを送るわけやないから、気持ちよく「世話人」の仕事はしますけどね。もしこの2人が同窓会に来るのなら、行ってもええなあ。妙齢の人妻であるわけやからなあ。何を考えておるのだ、私は。待てよ、よう考えたらうちの妻も妙齢の人妻であった。ううむそうか、なるほど。

11月9日(火)

 やっとこさ使い勝手のよさそうな掲示板レンタルサービスを見つけ、「てなもんや掲示板」もとうとう再開にこぎつけた。タイトルも一新して「てなもんや伝言板」とした。「掲示板」が「伝言板」に変わっただけやないかとつっこむ人もいてはるやろう。
 かつて日本中を笑いの渦に巻き込んだ「てなもんや三度笠」は内容をリフレッシュさせるたびに「てなもんや一本槍」「てなもんや二刀流」と一部だけを変えたやないですか。せっかく「てなもんや」を名乗っておるんやから、そういった故事には習わないかん。新しく考えるのが面倒やったんやろうと勘ぐってるそこのあなた、私はこの結論に達するまでに1034ものタイトル候補を出し、熟考に熟考を重ねたのですよ。信じてないな。そうですそうですそうかんたんに人を信じるものではない。
 今度はちゃんと最低週1回は返答を書き込むつもりなので、「てなもんや掲示板」同様、ご愛顧のほどをお願いします。ほんまにちゃんと返答できるのかと疑ってるそこのあなた、私のいうことを信じなさい。そうですそうですそうやって信頼関係を築き上げなければ人間社会は成り立たん。

 ああもうほんまに心臓に悪い。今朝の「日刊スポーツ」(大阪版)の記事を見ると、大豊選手がFA宣言をして台湾に帰ることが決定的になったと報じてるやないですか。ああもう大豊がおらなかったらどないするんや。てなことを考えてたら、「サンケイスポーツ」や「デイリースポーツ」では大豊残留決定的という記事やとラジオで道上洋三が言うておる。いったいどっちを信じたらええのか。
 こういう場合、ニュースソースがどこにあるのかということを考えんといかんが、新聞は当然それは明らかにはせんわな。状況から記者が類推したことをああまで断定的には書かんやろうから、必ずニュースソースがあるはず。大豊の内心にまで踏み込むことはでけんから、例えば球団職員の中で最も記者と親しい者が漏らすというようなことやろうと思われる。交渉内容の機密を知り得るソースがあればかなり正確な記事を書くことができるということやね。
 去年、野村監督就任を事前に報道したのは「サンケイスポーツ」のみ。「サンスポ」の記者はかなり信頼できるソースを持っているということが考えられる。
 結局、大豊選手はFA宣言もしなかったし、タイガースと再契約することにした。今回も「サンスポ」の記事が正しかったわけや。「日刊スポーツ」はまたしてもガセネタをつかまされたことになる。
 うちは宅配で「日刊スポーツ」を購読してるんやから、しっかりしてくれよ。他にスポーツ紙をとるというようなことはでけんからね。喫茶店やあるまいし。
 そやけど大豊が残留してくれてほんまによかった。大豊ファンである妻もお昼のニュースでそれを知って、喜んでおります。よかったよかった。

11月10日(水)

 小林研一郎指揮日本フィルハーモニー交響楽団演奏の「ブラームス交響曲第2番ニ長調作品73」のCDを聴いていたら、美しい音楽の隙間に「んーむんーむんーむむむーんーん」というようなけったいな音が混じってるのに気がついた。
 誰やへんな声を出してるんは、せっかくの音楽が台無しやないか、とCDを一時停止にしてみたら、音楽とともにその「んーむんーむ」も消えるやないか。つまりこの「んーむんーむ」はCDに録音されている音やったわけですね。どうやら指揮者がタクトを振り回しながら興に乗ってオーケストラといっしょに歌っている鼻歌みたいなものまで録音されてるみたいや。
 このCDは「エクストン」という最近でけたレーベルが出してて、江崎友淑という優秀な録音エンジニアが製作している。この人はずっと「キャニオン・クラシックス」というレーベルで仕事をしてたんやけど、その発売元の「ポニーキャニオン」社がクラシック部門からほぼ撤退することになったんで、独立をした。新しいレーベルでもその録音技術の冴えは見事なもので、このブラームスのCDでも非常に澄んだいい音を再現している。
 それはええんやけど、まさか指揮者の鼻歌まで録音するかなあ。クラシックでは昔グレン・グールドというピアニストが鼻歌を歌いながら演奏をすることで有名で、この人の録音には「むーふふふんむーふんううーううーう」という妙に調子っぱずれの声が必ず入ってる。不思議なことになんぼエンジニアが調整してもグールドの鼻歌をマイクが拾ろうてしまうたんやそうです。しかしまあ、ピアノ演奏やから、演奏者のばかでかい鼻歌と音楽がいっしょに録音されてても不自然とはいえんわな。そやけど指揮者の鼻歌というのは珍しい。バーンスタインの録音にはけっこうその手の音が混入していた。「うるーるうるーる」というような鼻歌や、指揮の最中にジャンプして着地する「どすん」というような音が音楽の向こうからかすかに聞こえてくるんだ。
 この録音はかすかなんちゅう生やさしいもんやないよ。指揮者の鼻歌は全部通奏低音のように録音されてるんや。そんでまた、その鼻歌が耳につくと気になって気になって音楽だけを楽しんでられんという、実に困ったことになってしもうた。この録音に鼻歌完全収録なんちゅうことが必要やったんかなあ。私は小林研一郎の指揮したコンサートは何回も実際に聴きにいってるけど、そんな鼻歌は会場ではもちろん聞こえてこないよ。たぶん、この演奏を心から歌わせている指揮者の思いが表出したものとして鼻歌も消さんとおいたんやろうけど、いくらなんでもやり過ぎと違うかな。江崎氏が録音した小林研一郎のCDは何枚も出てるけど、これまではこの鼻歌は入ってなかったからね。これこそ「鼻唄クラシック」ですな。
 しかしほんまに耳につくよ。モンゴルの民族音楽「ホーミイ」の歌手が腹の底から絞り上げるような濁声で「うううーうんむううーんむうんーむ」とやるけれど、あれそっくり。実は小林研一郎は「ホーミイ」を歌う人で、オーケストラをバックにブラームスの交響曲を伴奏にして歌うてるのかもしれん。そんなことはないか。
 雑誌で知ったんやけど、実は小林研一郎は漫画家の大和和紀の義理のお兄さんなんやそうです。どういう義理かは書いてなかったけど。それがどうかしたかといわれても困る。ただ今そのことを思い出しただけです。ごめん。


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