いよいよ1998年のペナントレースが明日から始まる。
順位予想などという野暮なことはしない。我が愛するタイガースのメンバーがグランドせましと暴れまくってくれればそれでよい。昨シーズンは6月までいいところにいた。今シーズンはせめて7月までは首位争いをしていてほしい。ささやかな願望である。
今年の期待は打線である。新加入のハンセン、パウエル、大豊、坪井らがその鍵を握るだろうことは衆目の一致するところ。特にハンセンは左右に打ちわける好打と現役大リーガーらしい堅実な三塁守備が売り物だ。かつて首位打者を取ったオマリーのような存在になってくれるだろう。坪井はキャンプからオープン戦にかけて騒がれたが、シーズンにはいるとどうだろうか。昨年の今岡が和田を刺激したように、新庄や桧山を刺激し、かつ好成績を残してくれればいうことなしだ。切磋琢磨という言葉があるが、今年のタイガースは久しぶりにそのような競争のできるチームになったと思う。
吉田監督は1975年に監督になった時も池辺、アルトマン、江本、東田、片岡、島野、加藤博一、池内、そしてブリーデン、ラインバックと次々に選手を獲得し、もといた選手の刺激剤にしている。1985年に就任した時もそうだ。長崎、柏原、田尾、キーオと主力級の選手を入れた。これはその場しのぎの策ではない。安閑としている選手たちにカツを入れ、底上げをはかるのは吉田監督の得意とするところなのである。
今年はAクラスに入ってほしい。そのためには先発投手がしっかりしてくれないと困る。薮、湯舟、竹内は不安定だし、葛西、弓長、伊藤といった昨年フル回転した中継ぎ投手たちも疲れが出てきて本調子ではない。田村は戦列離脱、リベラはふたを開けてみないとわからない。期待できるのが中込一人では心もとない。いっそのこと、山村、矢野、星山、山岡といった若手をガンガン先発で使ってみてはどうか。舩木あたりお尻に火がついて死にものぐるいでやるかもしれない。
とにかく、優勝という夢を見ていられるのも今日でおしまい。明日からは現実の世界が待っている。まずは昨年カモにしたベイスターズに勝ち越して開幕3試合を飾ってほしい。いやあ、また毎日ハラハラドキドキの日々か始まるなあ。
今年も甲子園に足を運んで声の枯れるまで六甲おろしを歌いますぞ。
(1998年4月2日記)