愛すれどTigers


接戦と大敗と…そして五割に

 4連勝で甲子園に凱旋し、開幕連敗の相手であるベイスターズと対戦した我らがタイガース。3戦目は雨天中止となったが、2試合を接戦でものにした。来日初登板ではサヨナラ負けを喫したリベラがこの連戦では抑えとしてぴしゃりと締め、チームを6連勝に導いた。打線が打てなければ守り切り、投手が打たれれば打線が奮起するという、非常にうまく歯車がかみあった試合ができるようになった。この時点でタイガースは貯金を1とし、3位のジャイアンツと同率で並ぶ。
 キャンプ時、リベラはあまり評判がよくなかった。理由は、でかい体に似合わず度胸がないというのだ。特にランナーを背負った時のリリーフに不安があるというのだ。
 確かに、初登板の時の暴投はその悪評を裏付けるかのようであった。ところが、それからあとは楽な場面で起用するなど、自信をつけさせ、今では相手を(名実ともに)見下すように投げている。投げる度に自信を失ったクリークとは対照的である。リベラが加入したことにより、葛西・弓長・伊藤の中継ぎトリオも「リベラにつなぐ投球をすれば」と余裕のあるピッチングを続け、勝利に貢献している。
 よって「愛すれどTigers」週間MVP、今週の投手部門はリベラとしたい。勝ちパターンの確立こそが、長いペナントレースを乗り切るための必要条件なのだ。特にこういった接戦をものにできたのは大きい。
 ところが、次のジャイアンツ戦、よもやの連敗。しかも大量得点をゆるす完敗。謹慎から復帰後初の登板で力の入った川尻、投球に迷いの見られるクリークと続いたのが痛かった。東京ドームでの仇をうたれたみたいだ。それでも3戦目は代打八木のタイムリーなどで快勝、連敗を2でストップさせた。層の厚さから、底力がついてきた。
 さて、「愛すれどTigers」週間MVP、打者は平塚外野手をあげておきたい。彼が4番に座ってから、チームにはよい意味での競争原理が働き、それぞれの選手が虎視眈々とレギュラーを狙うような感じになってきた。もちろん、勝負強さにおいても他チームにひけをとらない4番である。次節はロードが続くが、この分で行くと、4月を勝ち越して終えることも可能だ。
 待ってろよ、次に甲子園に帰ってきた時は、私はアルプススタンドで好調タイガースをこの目で確かめてやるから。

(1998年4月27日記)


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