今週のトピックはなんといっても坪井外野手が規定打席に到達して、打撃ベストテンの第3位にランクされたことだ。今岡内野手が3割をキープして第6位にいる。低迷タイガースの唯一の光明がこの1・2番コンビの活躍にあることはいうまでもない。
さて、甲子園に帰ってきたタイガース、ベイスターズ初戦は投手陣が14点もとられて負け、またサポーターかと嫌な感じがしたが、第2戦はメイとリベラの好投でマシンガン打線を2点で抑え、第3戦は横浜先発の野村から初回にいきなり大豊が3ランを放つなどして4点をもぎ取り、川尻も必死の投球で最後まで粘るベイスターズ打線を振り切った。これまでは、初戦に勝っても後を落とすケースが多かったが、このカードは逆をいったわけで、なんでこれが今までできなかったかと……、それをいうのはやめましょう。
この調子でジャイアンツも一蹴、というわけにはいなかった。東京ドームでは最後の3連戦。入来の前にハンセンのホームラン1本という情けない状態。中込もこのままでは先発ローテーションから外さざるを得ないのではないか。山村をローテーションに入れていいと思うぞ。第2戦は、井上がよく投げたと思うし今岡の3ランで一度は追いついたのだから、くやしいけど、よしとしよう。そして、第3戦。吉田監督、必死やね。追加点を取りに行くのに、4番の大豊にバントですよ。なりふりかまってられない、これが今のタイガースなんです。藪、葛西、リベラのリレーで逃げ切ったが、なんとこれは今季の東京ドームでの初勝利。3タテは免れたし、坪井も一気に.327まで打率を上げ、なんと首位打者も射程距離に入ってきましたよ。
しかし、東京のメディアはここに来て急上昇の坪井を認めたくないのか、高橋(G)の新人王が黄信号になったので焦っているのか、これだけの成績をあげている選手に対して大人げない発言をくり返すのだった。
解説者、江川は打点が(高橋より)少ないとか、出場試合数が(高橋より)少ないから、坪井の値打ちが(高橋より)下がるという意味のことを言っていた。私ならこう言うね。最初からレギュラーを与えられている高橋より、パウエル、平塚、新庄、桧山ら昨年までのレギュラーやタイトルホルダーを追いやって定位置をつかんだ坪井の方が値打ちが上。1番打者と5番打者の打点を比較すること自体がナンセンス。出場試合数も出塁数も多い高橋は坪井よりも盗塁数が少ないではないかと反論したら、役割が違うと言い訳するに違いない。
TBS松下アナウンサーは、優勝争いをしていないチームの選手は個人成績に専念できるから有利だと言った。ジャイアンツ、優勝争いしてまっか?
東京のジャイアンツファンは最近腰痛などで生彩のない高橋とキラキラ輝く坪井を見比べてタメ息をついているに違いない。なにを今さら。高橋は逆指名のドラフト1位。タイガースには獲得のチャンスもない選手だった。しかし、坪井はドラフト4位。どこのチームにも獲得のチャンスはあったんやでえ。
私は今年の新人王は川上投手(D)が妥当だと思っている。坪井が新人王に選ばれるとたら、それは首位打者というタイトルを獲得するというのが条件になるだろうと思う。今年の新人王争いはそれくらいハイレベルなのです。
さて、今週のMVP。投手では対ベイスターズ戦の連敗をストップさせたメイ投手に、打者では打率3位に登場したノリに乗ってる坪井外野手でどうだっ!
(1998年8月24日記)