前節では3位に転落したと思ったら、大阪ドームのカープ2連戦で2連勝。ドラゴンズが連敗したおかげでなんと1993年5月以来、6年ぶりに首位に立った。翌日もドラゴンズは敗れ一時は単独首位。甲子園のジャイアンツ戦では1勝2敗と負け越したものの、おつきあいのいいドラゴンズやカープも同じペースで今節終了時点で29勝26敗.527でドラゴンズと同率ながら首位だけは守っている。しかし、同率5位のベイスターズとスワローズとのゲーム差はわずかに3ゲーム。今後はどこが首位になろうと最下位に沈もうと不思議ではない。
だからですね、今首位にいるというこの喜びをじっくりとかみしめたい。
首位ですよ、首位。野村さんが監督になっても最下位はかわらんといわれてたタイガースが首位なんですよ。6月半ばのこの時期に、まだ毎日毎日野球中継を楽しみにできるんですよ。こんな幸せがあっていいのか。できれば9月までこの幸せを味わえたらと思うのは、欲張りでしょうか。
◎カープ9回戦……8−3
怪我人続出のカープ。初回に代役の木村と新井が連続ホームラン。しかし、4回に満塁のチャンスで田中秀太が走者一掃の三塁打。怪我で欠場の和田の代役以上の働きだ。若者らしい躍動感あふれるプレイが嬉しいね。7回にはブロワーズと佐々木にもホームランが出て、カープの中継ぎ陣を粉砕。投げてはメイが12奪三振。今年のメイは速球に威力が出てきた。
◎カープ10回戦……2−1
2試合連続完封のカープ紀藤と勝ち星に恵まれない吉田豊彦の投手戦。先制したのはタイガース。三塁打の新庄を今岡がセンター前に弾き返して迎え入れる。カープも負けてない。代打朝山の二塁打を足がかりに木村の犠飛ですかさず同点。交代した小林幹英を攻め立て1死満塁。ここでブロワーズの打った平凡なセカンドゴロを木村がはじく。その間に高波が生還。実は一塁走者の新庄がうまく木村の前を走り抜けたことが失策を呼んだのだ。好走塁だ。こういう貧乏くさい点の取り方ができるから、今年のタイガースは勝てるんです。福原が好投。この試合でタイガースは同率首位に。
◎ジャイアンツ11回戦……3−9
先発は移籍初登板の杉山。ここは前回好投した山崎でしょう。せっかく坪井と田中がガルベスから1点をもぎ取っても杉山が清原にホームランでは……。ブロワーズを押しのけて三塁を守る星野のホームランも、清原の2発目のツーランではじけ飛ぶ。結局、この日の清原は3ホーマー。清原一人にやられた感じ。ブロワーズに代わって4番に入った新庄もこの日は色あせて見えた。こういう試合はしょうがない。
◎ジャイアンツ12回戦……5−4
新庄はやるなあ。すごいなあ。延長12回の裏、敬遠のボールが中途半端に来たところをぼーっと突っ立ってた野手の間を抜いてサヨナラヒットだ。その前、1点リードされてたのを追いついたのも新庄のホームランだ。リリーフの福原も再三のピンチを強気の投球でよく切り抜けて、この時点でハーラートップタイの6勝目だ。昨日は清原今日新庄と、4番打者が活躍すればそのチームは乗る。先発川尻は清原を3三振だ。一球たりとも気の抜けない熱戦で、ふっと気の抜けた一瞬、ゲームが決まった。
◎ジャイアンツ13回戦……1−4
新庄が徹底的にマークされた。上原を再三追い詰めながら、あと1本のヒットが出なかった。対するメイは4回に松井と元木にホームランを打たれて、これで勝負が決まってしまった。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……福原忍 1試合ごとに自信がついて、今節は中継ぎで2勝をあげた。福原が投げたら打線も打つ。ということは、投球リズムがいいということ。上原に負けるなよ。
野手……新庄剛志 敬遠サヨナラヒットに尽きる。打っても打てなくても今節の主役は新庄。ヒーローインタビューでガッツポーズしながら「明日も勝つ!」。実際は勝てなかったが、何をやってもさまになった今節でありました。
1勝2敗と負け越しはしたものの、見ていてて興奮する場面が多く、非常に充実した3連戦だった。負け越してもまだ首位ということはまだツキがあるということ。次節から2週間に渡るロードに出る。このロードはなんとしても5割で乗り切ってほしいものだ。そのためには藪、湯舟の復活が必要。特に湯舟と中込が出てきてくれれば、先発ローテーションの見通しが立つ。勝負はこれからだ。
いやーそれでもまさか今シーズンこうやって「首位」などと書けるなんて、夢みたい。夢ならさめんといてくれえ。
(1999年6月14日記)