幸せは、そうは長くは続かない。２週間のロードの初っぱなは激戦をものにしたけど、あとズルズルと４連敗。ついに勝率は５割ちょうど。あのジャイアンツと同率３位ですか。あそこの上にはずっと立っててほしかったんやけどなあ。なんか選手が、あれれおかしいぞこんなはずやなかったのにというような感じでプレイしてるように見えるね。これまではうまくいってたことが、ちょっとしたずれでうまくいかんようになってる。
ちょうど５割に戻ったことでもあるし、原点に返って、自分たちはまだ弱いんだということを自覚して、貧乏くさく試合してくしかないと思うぞ。
広島、倉敷でのカープ戦は１勝２敗。東京ドームでのジャイアンツ戦は２敗。通算１勝４敗。なんか危惧が現実のものとなってきたというのか。
◎カープ１１回戦……９−６
役者がそろったカープ。前田が２ホームランで一時は２−４と危なかった。しかし、７人の投手をつぎ込んであとをしのぎ、下位打線の星野、代打から途中二塁守備についた平尾が打ちまくり、９回に一挙３点取って試合を決めた。特に平尾はなんとか田中から定位置を奪いたいという必死さが見えてよかった。ちょっと田中の調子が落ちてるだけに、このまま平尾を使い続ければまたこの後の試合も違ったかもしれない。
◎カープ１２回戦……２−３
カープ紀藤が初回に新庄の頭部に死球を与え、危険球退場。これで流れはタイガースのものかと思われたがさにあらず。チャンスにことごとく凡打。ビッグイニングとなりそうな７回には、桧山のタイムリーは出たもののあとが続かない。なんと１４残塁。一方タイガースの先発井川は初回にカープの重量打線にびびったのか打撃投手みたいに好球を投げてはぼかすか打たれて３失点で降板。リリーフがきっちり抑えただけに、打線と投手陣の歯車が噛み合わなくなっている感じ。
◎カープ１３回戦……１−５
倉敷は相性のいい藪。１１日ぶりの登板ながら、５回にはいるまではすいすいと好投。ジョンソンのホームランで１点先取。ところが、雨がきつくなった５回裏、ランナーをおいて中断。２５分後にマウンドに登り、１死を取ったと思うとまた中断。３０近くたって再登板。わずか１回で２度の中断、しかもトータル１時間。勝ち投手の権利を得る５回だから監督もエースを降板させにくい。こんなんで藪の緊張感が保てると思いますか。審判の無神経さはそれにとどまらない。湿って使い物にならないロージンバッグを交換させることもしない。そんなにタイガースが憎いか、藪が嫌いか。ついてるときは、ここは藪が投げきったところで降雨コールドとなってたのではないかな。ずれた歯車を元に戻すのは難しい。
◎ジャイアンツ１４回戦……３−５
人をバカにしてるのか長嶋監督。レフトにマルティネスですと。そんなん穴だらけで狙い打ちしたらざる守備でどんどんタイガースが点を取れるじゃないかいなと思いきや、斎藤雅樹はコントロールがいいねえ。レフトに打ったのは初回の和田だけ。もたもたしているうちにマルティネスに２点本塁打を打たれる。メイは昨年までの藪を見ているようだ。好投してても１回だけエアポケットに入ったみたいにぼこぼこ打たれる。４回の裏、清原、高橋、マルティネスの三者連続本塁打で試合は決まった。タイガースも大豊の代打２ラン、桧山のソロと本塁打で応戦するが、届かず。しかし、本塁打でしか点が入らないとは大味でつまらない試合だ。
◎ジャイアンツ１５回戦……１−４
新庄が３番に戻り、上原から初回に先制本塁打。これが典型的な「スミ１」というやつで、上原に手も足も出ず。久々にスタメン復帰のブロワーズは二塁打を打ったがランナーのいる場面では打順がまわってこない。川尻は四球で崩れる悪いパターン。負けるべくして負けましたな。
◎愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……杉山賢人 ショートリリーフでいい働きをしている。不幸にも打線が悪いので勝ちに直接つながっていないが、かつての速球はないけれどいいコンビネーションで伊藤や田村、遠山、福原といったところにつないでいる。こういう苦しいときの投球を評価しておきたい。
野手……平尾博司 せっかくカープ戦で存在をアピールしたのに、野村さんはなぜ使わない。勢いのついた選手に自信を持たせるのも監督の仕事であろう。カープ戦での活躍は後輩田中への意地と見た。
ここはもう打つ手は一つ。ブロワーズを４番に戻すこと。それしかない。元カープの木下富雄さんはラジオで「相手にしたら、いくら打たなくても威圧感があって嫌なバッターですよ」といっていた。選手を好き嫌いで使うんじゃありませんよ。相手が嫌がることをするのが野村野球の神髄やないですか。相手が一番嫌がる打者を４番に据えよ。
次節はここまで調子に乗りきれないスワローズとベイスターズ。ラッキーじゃないですか。ここから開幕戦と思えばよろしい。ええかっこしててもしかたない。泥臭い、貧乏くさい野球をしていってよ、たのむから。ジャイアンツの真似したって勝たれへんの！
（１９９９年６月２１日記）
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