愛すれどTigers


杉山移籍初勝利で五割死守

 今節ほどタイガースファンであることを満喫できた週はないね。ボロカスに負けてこらあかんかと思ったら勝って、よしいけると思ったらまたメタメタな負け方をして、もうあかんと観念したら、なんとか勝って、結果的には勝率五割をキープ。心臓に悪いことこの上ない。しかしまあよくも落ちそうで落ちないことだ。横浜球場のベイスターズ戦は雨中止のあと1勝1敗。神宮球場のスワローズ戦も雨中止のあと1勝1敗。トータル2勝2敗。曲芸師かいな。

◎ベイスターズ12回戦……4−9
 いやあ、ようホームランを打った。和田のソロにブロワーズの2ラン、桧山のソロと3本も1試合にホームランが出た。苦手の川村からこれだけ打って9回にはマウンドから引きずりおろしたんやからたいしたもんです。なに、藪がローズの2ホーマーを含む9失点。それがどうした。他の投手ならともかく、エースの藪が打たれたのだからあきらめねば仕方ないではないか。
◎ベイスターズ13回戦……9−3
 この試合から、キャッチャーの矢野が3番に。いきなり初回に斎藤隆から先制3ラン。これが効いたねえ。ジョンソンも坪井もホームランを打つし、桧山のタイムリーで久しぶりにホームラン以外で点が取れたし、メイは7回を0点に抑える好投を見せるし、いうことなし。
◎スワローズ12回戦……5−7
 川尻に尽きる。8番の飯田は敬遠気味の四球で勝負を避け、ピッチャーの石井に3ランを打たれる。3回には内野ゴロで打たせてとったかと思うたら誰もベースカバーに入ってない3塁に投げて球は外野へ一直線。集中力が欠けているのは、素人目にもわかった。中継ぎがよく踏ん張り、7回には打線が連打連打で満塁、和田の三塁打で1点差に詰め寄る。三塁の和田が帰って同点になってたら勝ててたかもしれないが、そこまで。ミスから出た失点が最後まで響いた。川尻、しっかりせぇよ。
◎スワローズ13回戦……3−5
 人をバカにしてるのかスワローズ。雨降りで人工芝に水が浮いているのに20分遅れで試合を強行するか。川崎ならば今のタイガースを抑えられる、谷間の先発の杉山なんか屁でもないというわけか。なめたらあかんよ。杉山、伊藤、福原、リベラの完封リレーに、6回には前日から4番復帰のブロワーズの先制タイムリー、8回の矢野のスクイズはファウルラインのすれすれでフェアグランドに残って2点目。なめたらあかんよ。いやいや、よく勝ってくれた。これだから今季のタイガースはあなどれない。先発の杉山は移籍後初勝利。先発での勝利は新人の年以来。窮すれば通ず。家貧しうして孝子出ず。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……杉山賢人 先週に続いて今週も杉山だ。中継ぎで苦しい場面をくぐり抜けてきたからこそ、この先発勝利が生きてきたというものだ。ローテーションの一角をになうには少し苦しいが、スワローズ戦のようにコントロールに細心の注意を払っていけば谷間は埋まる。
野手……矢野輝弘 初めて座った3番で重責をよくこなしている。ただでさえ投手のリードでしんどいだろうに。新庄の調子が戻るまで、なんとかふんばってほしい。

 やはり4番はブロワーズ。さっぱり打ててなくても、相手が力んでいいところに球を投げてくれたり、歩かせてくれたり。おかげでけっこういい場面でのヒットが出るようになってきた。できればホームランはリードされている気楽なときでなく、緊迫したところで打ってほしい。
 ところで、6月23日、タイガースは元シカゴカブスのカート・ミラー投手の獲得を発表した。メイやリベラとの併用ということだが、なんでも昨年在籍したダグ・クリーク投手に日本野球のことを教わったという。クリークが教えられるというとほとんど二軍のことばかりではないだろうか。スポーツ紙にはまるで救世主のように書かれているが、クリークが師匠では怪しいものだ。2年前のマクドナルド投手みたいなのでないことだけを祈ろう。
 さて、いよいよ2週間のロードが終わり、タイガースが甲子園に帰ってくる。相手は首位のドラゴンズに同率3位のカープと、かんたんに勝たせてはくれないだろう。だが、甲子園のタイガースはひと味違うぞ。

(1999年6月28日記)


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