愛すれどTigers


メイ退団も深夜のサヨナラで最下位脱出

 ついにメイが退団。先発ローテーション投手で比較的安定していただけに、戦力的には痛い。しかし、どうもアメリカに帰って大リーグに復帰したいという腹が透けて見えるだけに、そんなやる気のない者は不要だ。勝手に帰れ、といいたい。帰国したあとは、選手もふっきれたようにやる気を見せている。特に若手の動きがよくなってきた。メイ騒動のさなかは、名古屋でドラゴンズに2敗。しかし、大阪ドームのスワローズ戦は2勝1敗と久々に勝ち越した。長期ロードもあとわずかだ。この勝ち越しで弾みがついてくれればいいのだが。

◎ドラゴンズ19回戦……2−5
 今岡の犠牲フライで初回に1点を先取。1番に起用した塩谷が、思いきりのいいプレーを見せた。しかし、4回まで好投していた中込が突如崩れる。自らのエラーがからんで5失点。自滅だ。こうなると、勢いのあるチームと目標を失ったチームの差が出てくる。6回に連打で1点を取ったが、粘りに欠ける。リードされると負けムード、というのはなんとかならんか。
◎ドラゴンズ20回戦……1−4
 舩木が、ねえ。ボールストライクがはっきりしすぎてて、これではどうも。本人はいつ先発かわかってるのだから。どのような調整をしてきたのか。張り切ってるのは2号ホームランの塩谷だけ。野村監督までが「この戦力で戦える人がいるならすぐ代わる」と弱気な発言。選手たちはこんなことを言われていても平気なのか?
◎スワローズ20回戦……3−2
 最後までテレビで見たぞう。5時間36分。延長15回二死、満塁のチャンスに矢野が打った。ポテンヒットではあったが、ここで決めるんだと思い切り振り切った。センターの飯田が飛び込んだ。その手前でボールが弾んだ。サヨナラだ。引き分け直前だった。15回の裏、チャンスを作ったのは田中秀太だ。相手の守備をよく見て一気に三塁を陥れた。先に2点取られ、伊藤智仁に手も足も出ないと思われたが、代打の桧山、スクイズ失敗の汚名を返上した坪井、二人とも執念が感じられた。リリーフ投手も全員がいい働き。試合を引き締めた。こういう試合をものにできたのは、若手には特に大きい。まだまだあきらめてない、そういう気力を感じた。よかった。勝って本当によかった。
◎スワローズ21回戦……5−6
 危なかった。ハッカミーにあわや完全試合されるところであった。しかし、塩谷のヒットでそれを阻止。スタメン抜擢の北川がタイムりーをかっ飛ばせば、代打桧山は9回に3ラン。あと1点まで迫ったのだ。ちょっと点を取られるとそのままやる気なくズルズルいく、みじめなダメ虎ではないのだ。問題は藪。4回の2点は連打で失ったからまだいいとして、8回の2点は先頭打者に四球、次の打者に死球。悪い癖だ。一度中継ぎに降格するなり二軍に落とすなりのショック療法が必要なのでは。
◎スワローズ22回戦……5−4
 相手のミスで勝ちを拾った。しかし、そのミスをものにできるということが波に乗ってきた証拠だ。先発ミラーがちょぼちょぼと失点し、気がつけば4点先取されていた。ところが、7回にドラマが待っていた。矢野のヒットを足場に、北川が二塁打。浜中四球でランナーがたまるが、坪井は二塁ゴロ。ここで馬場がボールをはじく。まずは1点。北川が本塁へ暴走して憤死したものの、代打八木のタイムリーで1点差に。ありがたいことに、八木が出てきても左投手の高木はそのまま投げてくれたりなんかしたのだ。若松監督の躊躇もミスのうちだろう。そして塩谷のタイムリーで同点。打者新庄の時、なんとあの古田がパスボール! こんなことってあるんだろうか。笑いが止まらん。福原があとを完璧におさえてミラーは来日初勝利。しかし、ローテーション投手としては不安が残った。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……山崎一玄 延長15回のゲームで2番手として当番、ロングリリーフを決め、試合を作っていった功績は大。藪よりもよほど安心して見ていられる。先発復帰ということはないのかな。
野手……塩谷和彦 今週はじめのドラゴンズ戦、負けても負けてもやる気が見えたのはこの塩谷。それが選手たちを引っ張ったのか。スワローズ戦では連日のヒットで球場をわかせた。守備ではエラーもあるがファインプレーもある。いずれも思い切りのよさが光る。北川や浜中にもいい刺激を与えている。

 昨年と同じような雰囲気になりかけたが、野村監督の大胆な若手起用がなんとか効果を出してきた。多少ミスしても代えられることがないので、若手たちはのびのびとプレーしている。そして、ここぞというところでベテランを投入。これですよ、これ。次節は首位を争うベイスターズとジャイアンツが相手だ。相手にのまれずにのびのびやれば、結果はあとからついてくる。

(1999年8月16日記)


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