前節の浮かれぶりはなんだったのか。甲子園のカープ戦、1勝1敗はまあいい。横浜でベイスターズを相手に3連敗。しかもミスが原因でいったんは勝ち越したのに再逆転を許してしまう試合が2つ。Aクラスのチーム相手だととたんに萎縮してしまうというように見えてしまう。来季に向け、コンプレックスを払拭しなければならないのに、かえって増幅しているではないか。この3連敗がタイガースの現状なんだろうな。辛いところだ。
◎カープ22回戦……1−6
7回までは互角の勝負。先発の舩木は木村のホームランと東出の犠牲フライの2失点だけ。打線の援護がないまま、それでもよく投げた。先発黒田に手も足も出なかった打線が、アクシデントで降板した黒田に代わった菊地原から和田のタイムリーで1点を取り、一度は同点に追いついた。しかし、いつもはチームを助けるリリーフ陣が、この日は火だるま。山崎も田村も、球に切れがなく、野村と江藤にそれぞれホームランをあびてしまう。しかし、リリーフ陣を責める気にはならない。ここまでフル回転してきた疲れがでたのだ。
◎カープ23回戦……3−1
大豊が4番に座った。7回、決勝の2ランを右中間に放りこみ、リリーフの遠山、福原が抑えて連敗を防ぐ。先発の中込も6回1失点は責任を果たしたといえる。桧山の同点ホームランも素晴らしい。ただ、気になったのは、連打で点が取れなかったこと。勝ち試合としては胸のすく展開ではあったが、相手の隙をつく野球ができていないことだけが気がかりという試合。結局、それが次の3連戦に響いた。また、盛り上がってきたところで2日間試合がなかったのも、実に辛い。好調の波はどこで切れるかわからない。
◎ベイスターズ23回戦……3−9
新庄のスタメン落ちが、外野守備に影響を及ぼした。代わりにセンターに入った吉田浩の無謀なダイビングキャッチ、坪井のファウルフライ落球、桧山は目測を誤ってシングルヒットのあたりを後ろにそらし三塁打にしてしまう。せっかく初回に大豊が先制の10号ホームランで甲子園のいいムードを横浜に持ち込んだと思ったのに。先発の湯舟もリリーフの伊藤も不運としかいいようがない。審判も審判だ。いったんは守備妨害としてランナーアウトを宣しながら、協議の上田中の走塁妨害に変更とはどういうことだ。確かに、最初のジャッジはおかしかった。しかし、いったん下した判定をそう簡単に変えるな。相撲の物言いとは違う。あの中断で、明らかに守るタイガースの選手、特に投手の伊藤の緊張感が途切れてしまった。
光明は、久々に登板した川尻。気迫満点の投球で無失点。先発で復活する可能性に賭けたいところだ。
◎ベイスターズ24回戦……3−6
今度は内野の守備が乱れた。3−2と勝ち越したあとの6回裏、杉山をリリーフした舩木が一死二、三塁としたあと、つないだ遠山は石井を平凡な内野ゴロに打ち取る。と、思ったら、三塁手の星野は強引に突っ込んだ走者に惑わされたか本塁に悪送球で勝ち越される。続く波留の当たりは二塁ゴロ。これはダブルプレイと思ったら、二塁手の今岡が二塁に悪送球。遠山が打ち取っても、アウトにならんのでは仕方がない。前日に自打球を足にあてた和田が欠場したのが痛い。2試合続いて勝手にこけてどうする。
◎ベイスターズ25回戦……0−8
なんもいうことはない。大豊だけ。三浦に完封された。いくら大豊がヒットを打っても、前にランナーがいないのではしかたない。あとの桧山が凡退を繰り返していて勝てる道理がない。ミラーは球速がなく、いいところなし。この3連戦、石井と波留とローズにやられっぱなし。これだけ打たれてるのだから、もっと警戒できないものなのか。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……遠山奨志 カープ戦の勝ちを呼ぶ好投はもちろんのこと、評価したいのは内野守備に足を引っ張られたベイスターズ戦。腐らずあとをぴしゃりと切った投球は見事だった。
野手……大豊泰昭 文句なし! 4番に座り、ますます安定感を増した。次節もこの好調を維持してほしい。大豊以外に打つ選手がいないのが実は問題なのだが。
次節は甲子園で、首位ドラゴンズ、2位ジャイアンツと2連戦ですか。開き直って、やけっぱちでいいから一泡吹かせてくれ。6連勝などというぜいたくはいわん。1勝ずつでいいから、全敗だけはしないでくれ。
しかし、1週ごとにこんなに浮き沈みが激しいとはどういうことだ。待てよ、と、すると、次節は……。いやいや、要らぬ期待はしてはいかん。目標は、エラーをしないこと、これに尽きる。頼んますよ。
(1999年9月6日記)