愛すれどTigers


大豊250号アーチで五割目前に

 3連敗で迎えた神宮球場でのスワローズ戦に2連勝して五割に王手をかけたタイガースだったが、広島市民球場でのカープ戦では惜しくも1勝2敗で五割を逃した。しかし、タラスコ、大豊に当たりが出てきて、ミスが目立った走塁面でも好走塁も見られるようになってきた。先発投手陣がある程度もちこたえられるようになってきた。あとは葛西が戦列離脱したために手薄になった中継ぎ投手が立ち直ってくれれば、今後の展開にも希望が見えてくる。そんな1週間だった。

◎スワローズ1回戦……2−0
 昨年はリリーフのみで10勝をあげた福原がプロ入り初先発。伸びのある速球で7回1/3を4安打無失点に抑え、遠山、ミラーとつないでみごとな今季初勝利。打っては初回に坪井の二塁打を和田が送り、タラスコが先制タイムリー。6回には大豊が今季第1号ホームランを放ち、ダメ押し。スワローズの川崎も好投したのだが、その上をいく福原の投球が光った。文句なしの勝利。これで今季は福原を軸にしていけばいいのではないかという目途が立った。
◎スワローズ2回戦……5−3
 新庄がいきなり初回に2ランホームラン。3回には大豊の2号ツーラン、とどめは9回、広沢の代打ホームラン。3本のホームランで常に主導権を握り、雨のためにスライド登板となった藪を助けた。藪は7回途中までを稲葉のホームラン1本に抑え、今季初登板を勝利で飾った。何度もピンチはあったが、昨年までのように投げ急ぐことなく丁寧なピッチングをしたことが収穫だ。抑えのミラーがペタジーニに2ランを浴びたのと、中継ぎの葛西が投球後に転び、捻挫で戦列離脱したのが今後にちょっと不安を抱かせた。しかし、みごとな連勝で五割にあと1勝と迫った。
◎カープ1回戦……2−3
 惜しかったなあ、星野伸。立ち上がりは5人連続三振、カープ打線のタイミングをみごとに狂わせてた。9回を投げて9奪三振は立派。4回には制球が乱れ、四球のランナーを長打で帰されて2点を奪われたが、7回に満塁のチャンスで矢野が犠牲フライ、広沢の代打タイムリーで追いつく。そこからもう1本が出ないのが辛いところだ。結局、9回裏、野村にサヨナラヒットを許して負けたのだが、星野の粘りの投球はみごと。無死満塁から東出、新井を確実に内野ゴロでしとめるピッチングにはしびれた。その前に西山のバントを三塁に送ってアウトにしたはずなのに、審判の立ち位置が悪く、ボールの見えていないところにいたのにアウトをセーフとされてしまった。ここが流れを決めたということかもしれない。しかし、次回登板に光明が見えた。
◎カープ2回戦……5−4
 いきなり大豊のプロ入り250号ホームランで先制。先発ハンセルはすぐに東出にホームランを打たれたものの、4回に1死満塁からノリノリ平尾の2点タイムリーで勝ち越し。ハンセルの内野安打で三塁ランナーの矢野に続いて平尾が一気に二塁からホームイン。一気に4点の猛攻。井原三塁コーチの効果がみごとに現れた。ハンセルは不運な内野安打が続いて1点差まで迫られたが緒方のセンターライナーを新庄が好捕、なんとか踏みとどまる。遠山、伊藤、ミラーの継投も決まり、またまた五割に王手。
◎カープ3回戦……5−7
 よたよたの先発湯舟が3点取られた上に、カープ田中ののらくらピッチングの前にタイミングが合わなかったタイガース打線だが、5回、勝ちを意識し過ぎた田中が2死から坪井、和田を歩かせると、タラスコが狙い澄ましたように速球をスタンドに運び、みごと同点。6回には大豊の4号ホームランで勝ち越す。7回には和田のタイムリーでダメ押し。このまま5−3で逃げ切るかと思われたのだが。葛西に変わって一軍に上がってきた山岡が球を揃えすぎて連打を浴び、1死満塁に。伊藤は1死をとっただけでミラーにスイッチ。ここがわからない。たとえ左打者の前田が相手でも、伊藤ならなんとかしてくれたのではないか。結局ミラーは前田に満塁ホームランをくらい、逆転負け。勝てていた試合だけに、実に惜しい。田村や弓長がいたらなあと思わずにはいられない。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……福原忍 文句なし。チームの今季初勝利を生きのいいピッチングで飾った。次は完投だ、完封だ!
野手……大豊泰昭 なんと5試合で4ホームラン。量産態勢に入ったね。いくら狭い神宮、広島の試合とはいえ、大豊のパワーは凄い。

 苦手のロードがおわり、やっとこさ甲子園にタイガースが帰ってくる。ジャイアンツ、ドラゴンズとの6連戦だけれど、甲子園の虎は違うぞ。打線も調子を上げてきたことだし、福原、川尻、藪、星野伸、ラミレズ、湯舟で一気に五割突破といきたいところ。期待してもええよねえ。

(2000年4月10日記)


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