いやもうどないなってんのやら。８連勝ですよ８連勝。まだ記録はストップしてないから、連勝が伸びる可能性もある。ベイスターズやジャイアンツがこけてくれたおかげもあって、首位カープに１．０ゲーム差の２位。強い、という感じではない。やるべき事をしたから勝てているという感じだ。先発投手陣と矢野のリードが実にうまくかみ合っている。東京ドームでジャイアンツに３連勝し、甲子園に戻って雨中止のあとスワローズに２連勝。いずれも先取点を投手が守りきる野球。ここまで、勝ちゲームはいずれも先取点をとった試合である。先取点さえとればなんとかなるという自信みたいなものを選手の動きから感じる。
２位。ええ響きやなあ。開幕３連敗したときとはえらい違いです。
◎ジャイアンツ４回戦……５−０
先発の福原が変化球をうまく操り、プロ入り初完封。先取点は足を使った攻撃。３回表、二塁走者の田中と一塁走者の坪井がダブルスチールを敢行。捕手の村田善が二塁へ悪送球して田中がホームインする。走者を警戒して本来のピッチングができなくなった工藤に、４回には矢野が２ラン、５回にはタラスコが２点タイムリー二塁打と、容赦なく攻め立てる。なんでも工藤は前回タイガースを抑えた時は４０点の出来だと言ったそうだが、そういう相手をなめたことを言うからやられるのです。この試合は何点の出来だったのか、コメントはなし。
これでタイガースは勝率５割に到達した。
◎ジャイアンツ５回戦……２−１
ラミレズとメイの投手戦。変化球をコーナーに決めるラミレズと、速球で勝負するメイの対照的な投球。攻防の鍵は７回にあった。先頭のタラスコが四球で歩くと、大豊がレフト前に弾き返して無死一二塁。なんとバトルは送りバント。矢野の投ゴロで三塁ランナーのタラスコが飛び出してしまったが、三本間を逃げまくって時間を稼ぎ、大豊は三塁に到達。ここで代打は和田。メイが速球勝負でくることを読み切ってセンターを破り２点先取。その裏、ラミレズは松井とマルティネスに連続ヒットを浴び、江藤の送りバントを併殺しようとしたが送球が二塁に間に合わず無死満塁。二岡三振のあと、代打は清原。和田と清原の違いが出た。打てばいいのに内閣の球をよけようともせず死球。結局代打の村田善が併殺打を打ち、１点止まり。積極的な和田と消極的な清原の差が出たね。小刻みな継投の中、ピンチをしのいだのは川尻。なんと今季初登板。みごと後続を断ちきった。最終回はミラーが出てきてピンチを招いたが、辛くも逃げ切る。この際です。抑えの切り札は川尻にしたら？
◎ジャイアンツ６回戦……５−２
先発の桑田は既に往年の力がなく、初回にいきなり大豊のタイムリーで失点。２回には二死満塁から元気者の平尾が走者一掃の二塁打。タラスコもタイムリーで続き、一気に４点をもぎ取る。こうなればタイガースのペース。藪は緩急の差をうまくつけてジャイアンツ打線を手玉に取る。桑田から受けた死球の影響もあって終盤１点をとられたものの、８回を投げきった。いやいやジャイアンツに敵地で３連勝とは実に気持ちいい。
◎スワローズ３回戦……５−４
怪我で欠場していた新庄が、久々の先発出場。スワローズのエース石井一から２回、初球を叩いて先制の２ランホームラン。３回には４番広澤のタイムリーで３点差。これで楽勝と思いきや、ハンセルは４回先頭の岩村に三塁打を打たれてからコントロールを乱し、ペタジーニ、古田に連打を浴びて２点取られる。５回にはペタジーニの犠牲フライで追いつかれた。嫌な展開になったけれど、２番手の川尻が後続を断ちきり、流れを引き戻す。７回、一死二三塁で代打に和田が登場。石井のスライダーを読み切ってセンター前に弾き返し、再びリードを奪う。続く坪井は動揺する石井一の初球を叩いてライト前にだめ押しのタイムリー。伊藤、遠山、ミラーのリリーフ陣は再三のピンチを招くが、８回には坪井がネットに足をかけてファウルフライを好捕。９回にはショート田中が頭を越えそうな飛球をジャンプしてキャッチ。ファインプレーの連発で逃げ切った。
これでタイガースは単独２位に浮上した。
◎スワローズ４回戦……１−０
星野伸のスローカーブをスワローズの各打者が打てない。ランナーが出ても平然と投げる姿の頼もしさ。内外角ぎりぎりのところにストライクを決める絶妙のコントロールで４安打１四球と堂々の完封勝ち。打線の援護は初回、先頭坪井が伊藤智の高めの球をライトへ二塁打し、タラスコが一二塁間を抜くゆるい当たりのタイムリーで返したその１点のみ。それでもその１点の大きかったこと。星野伸は通算１７０勝目。
◎愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……福原忍、星野伸之 ともに完封。いうことなし。福原は先発転向３試合目にしてプロ入り初完封であるし、星野は通算１７０勝目。若手とベテランが切磋琢磨する、これでこそチームは強くなる。
野手……和田豊 ここぞというところの代打で２試合連続勝利打点。ベテランの技の冴えは見事。三塁をバトルに奪われても腐ることなくきっちりと自分の役割を果たす。これぞプロである。
次節は首位カープと甲子園で３連戦。首位攻防戦ですぞ。うまくいったら、昨年６月以来の首位ですぞ。誰か私をだましてるのと違うか。なに、ほんまですか。
なんか、１９６２年、６４年と優勝した時みたいですね。打線は打てなくとも、投手が抑えて勝つ。たとえどこかで連勝が途切れたとしても、このパターンの勝ち方なら、今後そう大崩はしないだろう。とにかくこのままこの勝ちパターンを大事にして確実に勝ちを拾っていってほしいものだ。
首位攻防戦ですか。いい響きですなあ。
（２０００年４月２４日記）
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