愛すれどTigers


新庄欠場で四番打者不在に

 甲子園で6連戦の予定だったが、ベイスターズ戦が1試合雨で中止になった。そのベイスターズ戦は1勝1敗。続くカープ戦は1勝2敗。それでも上位が星のつぶしあいをしてくれているので首位まで4ゲーム差はそのまま。とはいえ勝率五割にとどかないのはせ・リーグではタイガースのみ。徐々にペナントレースで置いてけぼりを食らいつつある感じがする。乗ってきたところで新庄が故障欠場を余儀なくされたのも痛い。とにかくあと1本ヒットがほしいという場面での凡退が目立つ。この勝負弱さはなんなんだ。

◎ベイスターズ9回戦……2−0
 星野伸が好投、リリーフにはお得意の遠山と葛西のジグザグ起用でベイスターズのマシンガン打線を完封。4回裏、1死満塁から大豊と矢野がシュアなバッティングで連続タイムリーを放ち、ワンチャンスをものにしたかっこう。これしかタイガースの勝ち方はないという典型的な試合となった。特に星野伸は開幕戦にめった打ちを食らったお返しをしたわけで、溜飲が下がった。
◎ベイスターズ10回戦……1−9
 前試合に新庄が右太股を痛め、欠場。代役の四番は大豊。五回裏にタイムリー三塁打を放ったからよしとしよう。しかし、五番をハートキーに打たせなければならないのは苦しい。移籍の吉田剛と新人の松田をスタメンに抜擢したけれど、その二人がそろって守備でミス。先発の福原はリズムを狂わせたか6回を5失点と散々。ランナーがいないときは堂々としているのに一人でも出塁するとなにかおどおどとしてしまうのが気になる。昨年はリリーフでピンチを何度も切り抜けてきたのに。リリーフの舩木が佐伯に満塁本塁打を浴びて、二軍落ち。
◎カープ9回戦……2−3
 藪は6回に二死を取るまではほぼ完璧といってよかった。しかし、東出にヒットを打たれるととたんに球がうわずりだし、島、前田にもきれいに打たれて満塁に。金本のライト前の飛球を松田が突っ込んでいったがわずかに捕れない。このヒットでまず2失点。打線は佐々岡に完璧に抑えられていたが、7回に広澤のタイムリーで1点差に迫る。押せ押せムードで代打は和田。ここであと1本のヒットが出ない。9回に伊藤が1点取られ、それでもその裏に二塁打の矢野をハートキーがしぶとくセンター前に打ち返して1点差に。逆転が期待されたが今岡の送りバントは投手の前に転がり併殺。このためか、今岡は二軍落ち。藪は責められない。打線がつながれば……。新庄の欠場が重くのしかかってきた。
◎カープ10回戦……2−1
 川尻がよく投げた。7回投げてカープ打線を無得点に抑えた。それにこたえたのが新庄だ。7回、大豊がヒットで出塁するとすかさず高波が代走に送られる。バントのために代打起用された吉田剛もきっちりと送り、二死満塁で代打は新庄。みごとに先制のタイムリーを放った。その2点を伊藤、そして遠山と葛西のおなじみジグザグリレーで守りきり、連敗ストップ。しかし代打や代走の層が厚いのに、彼らが先発で出場したら活躍できないのはなぜだろう。
◎カープ11回戦……5−6
 湯舟は初回と6回だけ別人ではなかったのか。いきなり四球を連発し追い込まれてはタイムリーを浴びるという最悪のパターン。しかし打線はこの試合は頑張った。4回、ここまで辛抱強く起用してきた松田がプロ入り初打点となる2点タイムリーを放ち、田中の犠牲フライでいったんは同点に追いついた。そのあとも6回、7回、9回とあと1本のヒットで一気に逆転というチャンスは作ったけれど、ちょびちょびと1点ずつしかとれず、追いつくには至らなかった。チャンスに代打起用された新庄だったが、この日は凡退。連敗はストップしても波に乗りきれないもどかしさよ。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……川尻哲郎 打線が打てないなら完封すればいいのだ。特に今季出遅れていただけにこの勝ち星は大きい。次回の登板もおおいに期待できる。
野手……該当者なし 新人で初安打の松田とも思ったけれど、守備の勘が悪すぎる。心苦しいが該当者なしである。次節は3人くらい並べさせてくれよ。

 今節の途中、タイガースは竹内昌也投手と交換でファイターズより根本隆輝内野手を獲得した。内野なら平尾も田中も復帰したし塩谷だって控えている。先週吉田剛を獲得したばかりというのに、そんなに内野手ばかりとってどうするのだろう。新庄の欠場で代役に新人を起用しなければならない外野手の方が手薄なのではないかと思うが……。
 次節は一転してロードゲームばかり。東京ドームでのジャイアンツ戦で1勝でもすれば波に乗れると思うのだが、苦しいね、全く。ジャイアンツの清原がタイガースに来たがってると週刊誌やスポーツ紙に書かれているが、来るなら4年前にFAしたときに来てほしかった。今は来なくていい。トレードはもういいよ。

(2000年6月7日記)


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