愛すれどTigers


井川好投で連敗ストップ

 東京ドームのジャイアンツ戦は1勝して2連敗。甲子園のベイスターズ戦は2連敗して1勝。都合2勝4敗と今節は負け越し。選手がしんどいときに監督もいっしょになってうっとしそうにすると、見ている方はやる気あるんかと思ってしまう。これで5位に2ゲーム差の最下位とまた逆戻り。1週ごとに良くなったり悪くなったり。目標のないチームは辛いなあ。

◎ジャイアンツ23回戦……3−1
 ハンセルの好投とリリーフ陣の踏ん張りに尽きる。前回やられた高橋尚から、初回にヒットの和田を二塁に置いて桧山が先制のタイムリー。ハンセルは4回に高橋由にホームランを打たれて追いつかれたが、5回投げてこの1失点に抑える。あとは1回ずつ、西川、伊藤、遠山がタラスコのファインプレーに助けられたりしながらきっちりと役割を果たし、打線もそれにこたえて9回表、リリーフの岡島を攻め立てる。矢野がうまい流し打ちで塁に出ると、塩谷は見事なバスターを決めてセンター返しで続く。山田がバントを決められずに見逃し三振をくらい、代打八木も内野フライと嫌なムードだったが、坪井の思いきり引っぱった打球はライト線に。走者一掃のタイムリーとなり、2点リードのまま葛西で逃げ切った。やっぱり接戦には強いなあ。この調子で残り2試合も……と思ったのだが。
◎ジャイアンツ24回戦……2−5
 野村監督、福原は先発で使うのか抑えにするのかどっちかはっきりしてよ。リリーフで打たれ、先発に戻して打たれ、またリリーフで打たれ、また先発……。いきなり初回、仁志を塁に出すと、せっかく飛び出してはさまれてくれたのに一塁に悪投で二塁までやってしまう。清水のバントは矢野が捕って三塁へ送球するが、これが悪送球となって先取点を許した。完全な独り相撲だ。それでもその後は5三振を奪う好投を見せたので立ち直ったかと思ったら、高橋由の2ラン。変化球が決まっていないのに真ん中に棒球を投げては打たれる繰り返し。今の福原は自信を失って小さく見える。リリーフの弓長も高橋由に連続ホームランを打たれて試合はほぼ決まった。メイの前にあわや完封負けの7回、八木がホームランを放ち、8回にはカツノリの代打ホームランも飛び出したけれど、ランナーのいないところで打ってもなあ。不振のジャイアンツ打線を生き返らせてしまった。
◎ジャイアンツ25回戦……1−15
 ホームランのみの得点という大味な試合。ジャイアンツは7本。初回に藪から江藤が満塁ホームランで先制。4回、藪から村田真が2ラン、仁志がソロ。代わった弓長から松井が3ラン。5回、弓長から清水が2ラン。6回、西川から二岡が2ラン、村田真がソロ。タイガースは1本。4回に新庄が斎藤雅からソロ。実はこの新庄のホームランのあと、斎藤雅は浮き足だって桧山に死球を与え、ハートキーにも二塁打を打たれで崩れるところだったのだが、矢野、田中、藪と凡退して助けてしまった。この回あと1点でも取っていたら、このあとの展開も違ったのだが。なにもいうことはございません。好きにして。
◎ベイスターズ22回戦……0−7
 星野伸は変化球が高めに浮くと狙い打ちされるね。3回に連打を食らって3失点。下半身の粘りが足りないように思うね。打線はせっかく川村が怪我で4回途中に降板したのに、阿波野や神田にやられているようではどうにも。ランナーが出てもつながらない。結局8回には弓長が鈴木尚にホームランを打たれたり9回に藤川が根本のエラーで崩れて3失点したりとリリーフもいいところなし。まるで勝てる気にならない。
◎ベイスターズ23回戦……1−4
 先発の川尻は7回を2失点。これは先発としては合格点だろう。前回同様相手の打ち気をそらすピッチング。ただ、打線がそれにこたえられない。先発細見から5回、坪井のタイムリーで同点に追いつくのがやっと。7回、リリーフの河原を攻め立て2四球を含む1死満塁のチャンス。ここで4番の新庄に対し、リリーフは横山。ボール球を振って三振。肩に力が入りすぎ。左の桧山ということでリリーフに森中が登板。ここで代打は八木。またまたボール球に手を出し三振。これでは勝てません。
◎ベイスターズ24回戦……4−2
 井川は初回と3回に1点ずつ失うが、チェンジアップをうまく使って後続を断つ。打線もそれにこたえた。初回、苦手の三浦に対し、二死からハートキーがポテンヒットで塁に出ると、新庄が四球を選ぶ。そして桧山がうまくピッチャー返しですぐに同点。タラスコの勝ち越し3ランが飛び出してこの回一挙4点。井川は7回途中に二連続四球でピンチを招くがベテランの伊藤がローズを併殺に切ってとった。締めくくりは遠山。2回を無安打に抑える好投で井川の今季初勝利を助けた。打線が2回以後三浦をとらえきれなかったのがきつかったが、よく逃げ切った。やれやれ。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……井川慶 今季初勝利おめでとう。スタミナ面などで課題はあるが、速球に切れが出てきてチェンジアップが面白いように決まるようになった。プロ入り3年目の21歳。勝負はこれからだが、この勝利が飛躍のきっかけになってほしいものだ。
野手……該当者なし 1週間通じて好調という選手がいなかった。強いてあげれば、ジャイアンツ戦で決勝打を放った坪井、ベイスターズ戦でホームランを打ったタラスコというあたりを挙げたいのだが、連敗中は完全なブレーキになっていた。悪いときはこんなものか。

 ジャイアンツがマジックナンバー点灯。優勝の行方は決まったね。せめて最下位脱出を目標にタイガースも最後まであきらめずにいってほしいものだ。あと1ヶ月。昨年は9月にずるずると11連敗して最下位に沈んだ。今年はその二の舞を演じないでいてほしい。

(2000年9月4日記)


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