なんだかもうジャイアンツが優勝を決めようがオリンピック一色。タイガースの試合のテレビ中継やラジオ中継をやってくれているというだけで驚異的ではある。最下位が確定したわけではないが、勝ったり負けたりで最下位脱出への展望が見えない。
甲子園のスワローズ3連戦は1勝2敗。横浜スタジアムのベイスターズ戦は1試合雨で流し、1勝1敗。今節は2勝3敗。五位カープまで3ゲーム差。残り試合は8。なんとか最下位だけは勘弁してほしいのだが。最後の1試合までとことんつきあいますけどね、私も。さすがにテレビを見ててもラジオを聞いててもしんどくなってきた。
いや、残り8試合の辛抱だ!
◎スワローズ22回戦……2−12
ハンセルが4回7失点の乱調。特に4回に先頭打者の岩村そして宮本とヒットを続けて打たれ、投手の前田に2点タイムリーヒットを浴びせられたのがショックだったのだろう。あとはサンドバッグ状態。つないだ山崎も変化球が高めに入り、7〜9回に連続して失点。山崎は7回に打席が回ってきたが、代打は起用されない。野村監督もなんとしてでも追いつこうという気力をなくしていたのかもしれない。タイガース打線は左腕前田の前に沈黙。7点取られたあとにやっと吉田剛がソロホームランを打って完封を免れた。なんだか気力も何も感じられない試合。この試合、最後の残留テストで広澤が先発に起用されたけれど、ノーヒットに終わる。期待されて入団したが、結局かつての実力は発揮できないままに終わってしまった。
◎スワローズ23回戦……6−5
やればできるのサヨナラ勝ち。伊藤智から初回にハートキーのラッキーな三塁打で先制したものの、いわゆるスミ1。先発藪は2回、岩村にソロホームランを打たれてすぐに追いつかれる。4回には古田にタイムリーヒットを打たれ負け越し。さらに古田が三塁に進んだところでワイルドピッチ。藪の独り相撲である。結局7回3失点で降板し、久々の白星はまたまた夢と消えた。しかし、伊藤智も7回、球が浮き出す。大豊と坪井がヒットで出塁、山田がバントで送り、代打に桧山。レフトの頭を越す当たりは三塁打となり、一気に同点。藪の黒星も消え、さあこれからという場面に。ここで西川が登板。簡単に2死を取ったが、古田にヒットを許す。代打高橋智に対し、伊藤をぶつける。ところが伊藤は低めをうまくすくい上げられて右中間にタイムリーを許す。さらに敬遠などで満塁としたあと代打池山に三遊間を破られこの回2失点。もうあかんと思ったが、8回裏、千両役者新庄がバックスクリーンへ同点ホームランを叩き込む。速球王五十嵐の球を素直に弾き返しての一打。こうなるといけいけで、9回裏、石井弘を攻め立て無死満塁。ハートキーが犠牲フライを打ち、けりをつけた。
この試合、タイガースにはまだあきらめない姿勢があると思わせてくれただけで嬉しい。
◎スワローズ24回戦……0−5
星野伸と石井一の投げ合い。序盤3回はともに無得点のまま進んだが、4回に星野が辛抱しきれず。宮本にストライクを取りにいった初球を狙い打ちされて先制3ラン。続く5回には飯田にもソロホームラン。星野はブルーウェーブ時代はイチローをはじめとする打線に支えられてマイペースで投げられた投手。貧打のタイガースではリズムをつかみきれないのか。打線は石井の前に4安打しか打てず。五十嵐との完封リレー。石井の速球に手も足も出ず。またまた気力が失せたような試合になってしまった。どっちのタイガースがほんとの姿なのだ。
◎ベイスターズ25回戦……4−3
川尻が7回を完封。打線も苦手細見から初回にヒットの上坂が2つの内野ゴロの間に三塁に進み、新庄の一塁内野安打の間にホームイン。さらに4回、四球の新庄とレフト線二塁打のタラスコを大豊がライトスタンドに叩き込むホームランで返して4−0とリード。楽勝かと思ったが、遠山が金城と鈴木尚にヒットを許し、守護神葛西がローズにホームランを打たれて1点差に詰め寄られる。最終回、福は二が三者凡退におさえて逃げ切った。危なかったけれど、川尻がとうとう10勝目をあげたし、福原も少しは自信を取り戻してくれたのではないか。葛西がここにきて打たれるケースが続いているのが心配。さすがに疲れが出てきたか。
◎ベイスターズ26回戦……3−5
先発井川が期待を裏切る。得意のチェンジアップが決まらず狙い打ちされた。初回、石井琢を塁に出すといきなり盗塁を決められる。金城を歩かせると、すかさずダブルスチール。鈴木尚のセンター前タイムリーでまず1点。3回には多村に2ランを打たれ、4回には鈴木尚に2ランを打たれ、4回5失点。足でかき回され打者に集中できなかったか。大きな課題が残った。つないだ部坂と吉野が無失点で切り抜けたのは収穫。打線は大豊が一人気を吐き2打席連続のホームラン。しかし前にランナーがいなくてはなんにもならない。苦手の三浦にまたしてもやられてしまった。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……川尻哲郎 ほんとならとっくに10勝しておまけに3つくらい勝ち星を上積みしているはず。そうなるとレベルの低いハーラーダービーだけに最多勝のチャンスもあったはずなのだが。なんにせよ、やっと苦労が報われた。
野手……大豊泰昭 ベイスターズ戦の3本のホームランはすばらしかった。今年は怪我に泣いた。さあこれからというところで欠場を余儀なくされた。そのうっぷんをはらすかのようなホームランの連発だった。
佐々木誠外野手、田村勤投手、ロベルト・ラミレズ投手、与田剛士投手、橋本大祐投手、星山忠弘投手、定詰雅彦捕手、風岡尚之内野手、橋上秀樹外野手。今週戦力外通告を受けた選手たちである。このうち一軍でチャンスを与えられたのは佐々木とラミレズのみ。一度でも一軍で起用してみてまだ戦力になるかどうか確かめてもよかったのでは。特に田村は昨年ひじに爆弾を抱えながら無理な起用にもよく耐えた。その結果が故障の再発で、そして解雇とは……。
これらの選手については全日程終了後、あらためて書くことにしたい。
次節で、甲子園の全日程が終了する。今年も最終戦には駆けつけたい。リーグ優勝は決まったが、全ての順位が決まったわけではない。なんとか最後まであきらめずに食い下がってほしいものだ。
(2000年9月25日記)