愛すれどTigers


公式戦終了、岡本先発デビュー

 さて、とうとう2000年の公式戦も終了。4月にいったん首位に立っただけで、5月以降は沈没。しんどいシーズンだった。トータルでは昨年よりも成績はよくなっているのだけれど、やっぱり7月までAクラスで戦っていた昨年の方がいい感じではあった。
 今節は横浜でベイスターズに1敗、神宮でスワローズに2敗。とうとう有終の美を飾ることはできなかった。最終戦にはルーキーの岡本を先発させたものの、この3試合とも若手が光る感じにはならず。うーむ。
 阪神タイガース、今季の成績。57勝78敗1引分。勝率.422。セントラル・リーグ第6位。

◎ベイスターズ27回戦……0−1
 先発メンバーには、セカンドに上坂、サードに関本、キャッチャーにカツノリ、ピッチャーに井川と若手が並んだ。ここで勝てたら自信がつくところ。しかし、ベイスターズの投手は苦手の三浦。7回まで走塁ミスもあって打線が見事につながらず、0点に抑えられる。田中や新庄の盗塁もあったのだが、点に結びつかないのがなんとも辛い。8回に代わった森中から矢野が左中間を破る二塁打、上坂が送って1死三塁のチャンス。しかし、抑えの切り札木塚の前に八木、坪井が打ち取られ、絶好の得点機を逸した。一方、井川も好投。緩急をうまく使い、三振を取るピッチング。4回裏、中根を歩かせ、多村のセンター横のタイムリーで1点は失ったが、その後も好投し、7回1失点は合格点だろう。見殺しにした打線がよくない。来季の先発ローテーション入りを期待したい。
◎スワローズ26回戦……1−3
 タイガースの先発は吉野。なんとか先発ローテーションに入ってほしい投手の一人。しかし、序盤につかまる。初回には真中の内野安打を足場に池山の四球などでランナーをためてペタジーニにうまく流し打たれて先制される。ランナーが三塁に進んだところでワイルドピッチで2点目。カツノリはベイスターズ戦でも捕逸があり、キャッチングに難がある。2回にはセンターの宮本に死球を与え、真中のタイムリーで3点目。3回以降はまずまずに抑えていただけに、立ち上がりが課題。なんと6回から藪がリリーフで登板。私は前から藪を抑えの切り札にすればよいのにと考え、野村監督も藪を後ろにまわしたがっていたらしいが、本人がうんと言わなかったそうだ。ところが、今季先発でずっと勝てないまま10月に入り、本人が先発の自信を失ってリリーフ志願となったらしい。先発であかんからリリーフ、では困るんやけれどなあ。藪は2回1/3をきっちり抑え、来季のリリーフの可能性を感じさせた。打線は石井一から4回に二塁打を放った広澤がワイルドピッチで生還した1点のみ。なぜこの場に及んで広澤や吉田剛を先発で使うのか。関本の先発起用も1試合だけではどうしようもないぞ。
◎スワローズ27回戦……5−6
 先発は高卒ルーキーの岡本。初回、稲葉にホームランを打たれ、プロの洗礼を受ける。ランナーを出してモーションを盗まれ盗塁を許すなどしたが、なんとか1失点で切り抜けた。しかし、1回のみで降板。来季は本格的に投げさせるのだろうな。テストとしても1イニングではわかるまいに。スワローズは川崎の先発。ハートキーとタラスコが連打で出塁、カツノリの併殺打の間に1人生還して同点に。2回からはタイガースは山崎が登板、3回、ショートの関本とセカンドの上坂の守備が乱れ、真中と土橋の連打で出たランナーを全てエラーがらみで生還させて3点を取られる。若さが出たか。ここは秋季キャンプで鍛え直してほしいところ。取られた点は取り返す。5回、川崎を攻め立てる。カツノリと田中が四球で出塁し、この日1番に入った新庄が二塁打。なおも上坂が流し打ってライト前にタイムリー。続く坪井はレフト線に二塁打。川崎をKOし、逆転に成功した。このままリリーフ陣が抑えきって最終戦くらい勝ってほしかったけれど、そうはいかない。西川が岩村に内野安打を許し、高橋智のレフト線三塁打で同点に追いつかれる。続く真中はサードゴロ。しかし当たりが悪いのが幸いし、内野安打に。これで逆転された。あとは石井弘、山本、高津のリレーで再逆転はならず。最終回、新庄のレフトフライを副島が落球してくれたときには流れがきたかと思わせたが、桧山は見逃し三振でゲームセット。今年のタイガースらしい展開の最終戦でありました。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……井川慶 なんとか勝たせてやりたかったけれど、勝ち投手に等しい投球。打線のいいチームなら、文句なしに完投勝ちのペースだった。来季に期待したい。
野手……上坂太一郎 スワローズ戦で猛打賞、タイムリーと活躍。特に左投手には強い。秋季キャンプでスイッチヒッターに挑戦するとのこと。来季のトップバッターはまかせたでと言いたいところ。

 かくして、ペナントレースは終了。伊原コーチの退団が決定的だそうだ。日本一の三塁ベースコーチを生かし切れなかったのだ。野村監督と相性が合わなかったらしい。なんとも残念。
 一方、ドラフトでは1位指名予定の藤田太陽投手が、タイガースを逆指名することが確定した。特筆すべきは、ジャイアンツの指名を蹴ってタイガースを選んだということ。そうそう生え抜き飼い殺し球団に行くよりも登板機会の多いタイガースにおいでよ。
 とにかく、いい選手を獲得し、根気よく育てること。野村監督にはそれを望みたい。
 今シーズン全体については別の項目できっちり振り返りたい。

(2000年10月9日記)


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