タイガースの春季キャンプがいよいよ始まる。
大豊、タラスコ、新庄と20本のホームランを放った打者が3人もいなくなり、新外国人選手のクルーズとペレスは未知数。野村監督は「レギュラーは誰も決まっていない」という。
ところが、今年のキャンプは、一軍と二軍は全く別の場所で練習をし、主力投手陣は沖縄で特別キャンプをはるという。それではもうレギュラーは決まってるんじゃないかと思いたくもなる。横一線のスタートなら、従来通り安芸のタイガータウンで全体を同時に見て、そこからふるい分けをしてはどうかと思う。野村監督には監督なりの考え方があるのかもしれないが、本当に全員にレギュラーのチャンスを与えてやらなければ、やる気をなくす者も出てくるのではないか。
若手たちは昨秋の安芸キャンプでかなり鍛えられたというし、新人もノンプロでのキャリアが十分ある即戦力を獲得している。ただし、とにかく塁に出て足でかき回す野球をめざしているようで、全体に小粒という印象は否めない。そんな中からどういう選手がレギュラーとして起用されていくことになるのか。
どうも毎年、キャンプの話題はその年の新人選手に集まる傾向が、最近のタイガースにはある。既存の戦力に魅力がないということなのだろうか。そのために、新人選手が意識過剰となってしまうのではないかとにらんでいる。今年の場合、藤田太陽投手に注目が集まることになるだろうが、過熱した報道で藤田がつぶれるようなことだけは願い下げである。それよりもキャンプで野村監督が何をどのように狙って練習しているかを記者たちは知らせてほしいものだ。
とにかく、キャンプ開始である。毎年この時期だけはなにか希望があって楽しいものだ。10月の最終戦以来、早く次のシーズンが開幕しないかとうずうずして待っていた。開幕まではまだ2ヶ月あるけれど、キャンプ情報などで選手が動いている姿を見られるのが楽しみで仕方がない。小粒でもいい、ファンをうならせる野球をどんどん見せてほしい。キャンプでどれだけタイガースの変化を感じさせてくれるか、楽しみである。
(2001年1月30日記)