２年越しで８連敗中であったナゴヤドームでのドラゴンズ戦を２勝１敗と勝ち越し、この勢いが雨のために１試合流れたことで止まったか、広島市民球場でのカープ戦は２敗。今節は２勝３敗と負け越してしまった。しかし、濱中がコンスタントにヒットを打ち、一時は打率３割に乗せたり、赤星が盗塁数を増やしてリーグ２位につけるなど、ここまで辛抱して使ってきた若手たちがぐんぐん伸びてきている。ペレスに続きクルーズも故障で登録抹消。他の若い選手たちもこれをチャンスと出てきてほしい。
◎ドラゴンズ１４回戦……４−２
ハンセルと前田幸の両先発がよく投げて、見ごたえのある投手戦となった。前田幸は４回に３連続四球のピンチを広澤の犠牲フライの１点に抑え、ハンセルは５回に二死一二塁のピンチをゴメスのタイムリーヒット１本で切り抜ける。タイガースは８回表、二番手の遠藤を攻めてチャンスを作り、代わった岩瀬からエバンスが犠牲フライを打って勝ち越しに成功した。しかしその裏、川尻が先頭のゴメスにヒットを打たれると、一人一殺リレーの開始。しかし弓長は左の立浪を歩かせ、ツキ男中込に交代。その中込が中村に犠牲フライを打たれて同点に。ここのところよくある継投の失敗で、試合は延長戦に。四番手落合はここまで好投していたが、桧山に二塁打を打たれる。代打クルーズはボールをよく見て歩き、一死満塁で打者は今岡。サード福留の差し出したグラブに当たるヒット（記録はエラー。しかしあれはヒットですよ）で勝ち越し。矢野もセンターに犠牲フライを放ち、１点を加えた。こうなれば成本の出番だ。３三振で逃げ切り、名古屋での連敗をストップさせた。
◎ドラゴンズ１５回戦……５−７
井川は競り合いでないと勝てないのか。初回と２回に１点ずつ取られた後は快調にとばしていたのに、４回に味方が逆転してくれた勝ち越し点を守ることができなかった。４回表、川上に二死を取られてから、濱中、根本とセンター前に打ち返してチャンスを作り、桧山もセンター前にタイムリー。今岡はレフトへ逆転の二塁打を放てばエバンスもレフト前に運んでさらに１点を追加。もうこれで井川が抑え切るだけという状況だった。しかし、６回裏、こちらも二死から崩れる。大西の二塁打、中村の四球の後、代打に神野。三振に切って取ったと思いきやこれを山田が捕逸、なんと三振でチェンジのはずが満塁のピンチに。結局福留に同点タイムリー、そして井端に逆転のタイムリーといずれもセンター前に打ち返さてしまった。山田よ、しっかり若い投手を支えてやってくれよ。代わった星野伸は山崎武にだめ押しのホームランを打たれ、９回のクルーズのホームランも焼け石に水。あの神野の振り逃げで流れが完全にドラゴンズにいってしまった。
◎ドラゴンズ１６回戦……６−４
ここのところ中継ぎでの登板もあった福原が先発、２回に先取点は取られたが、３回に打線が一気に逆転し、６回を２失点で切り抜ける。リリーフの伊達が好投して成本につないでなんとか逃げ切った。３回の連打はみごと。今岡、矢野がヒットで出塁、福原は左手に死球を受けて満塁。動揺したバンチは沖原を歩かせて押し出しで同点に。赤星がセンター前に弾き返して勝ち越すと、濱中はきれいな流し打ちで右中間を破り、この日４番の桧山は犠牲フライで５点目。こうきれいにつながると気持ちがいいなあ。しかし、福原も死球を受けた左手は実は骨折していたそうで、それを考えるとほんとによく投げたものだ。これで名古屋ドームでは３年ぶりに勝ち越し。このムードをそのまま広島に持っていってくれると期待していたのだが。
◎カープ１４回戦……７−１１
結局、初回にチャンスを作りながらも桧山のショートゴロを東出が弾いてくれて取った１点のみに終わったことが敗因かもしれないな。これで黒田を一気につぶしていれば後の展開も変わっただろうに。カーライルはその裏にディアスに２ランホームランを打たれ、さらにロペスの頭にぶつけて危険球退場となる。先発がこう崩れては試合にならない。３回には谷中から金本が通算２００号の２ランホームランを放って突き放される。それでも４回には黒田を満塁まで攻め立てた。ここでやのはショートゴロで併殺。１点は返したものの、ここでも黒田をつぶしそこなう。それでも７回表、二番手の小林から沖原のソロと桧山の２ランで一時は逆転。野村監督の一人一殺リレーで逃げ切り体勢に入ったが、これが裏目に出た。中込が打たれた野村の３ランで試合は決まった。ここまで不調だった金本を完全に起こしてしまったのが痛かった。
◎カープ１５回戦……１−４
ハンセルは初回に金本に２試合連続の２ランを打たれたが、７回まではその失点で抑え切った。しか、打線が長谷川をまるでとらえられない。右打者は胸元の速球に差し込まれ、左打者はフォークにきりきり舞い。８回、今岡の内野安打で１点差として流れは傾きかけたが、その裏、ハンセルはディアスを三振にとったと思った球をボールと判定されそこから崩れた。ディアスのホームランの後、連打を食らい、さらに１点を取られてしまう。長谷川への対策を考えねばならないね。
◎愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……グレッグ・ハンセル 勝ち星はなかった。しかし、一番内容のある投球ができていたのはハンセルだった。防御率もリーグ６位にあがった。次こそ報われると信じて腐らずに自分のピッチングを続けてほしい。
野手……桧山進次郎 久々に座った４番の座。カープ戦の逆転ホームランなど、ベテランの味。濱中や赤星らが活躍できるのも桧山の存在感があってこそだ。
エバンスがぱっとしない。いっそのことサードは今岡に守らせ、上坂をセカンドに固定して使っていってはどうか。テレビの解説で鎌田実さんが「俊足選手と中距離ヒッターだけを集めて、外国人選手はとらずに国産打線でチーム作りをしていったらどうか」という提案に、私も賛成。次節はジャイアンツに３連勝したベイスターズと対戦するが、疲れが残っているところを叩いて最下位脱出といきたいところである。
（２００１年７月９日記）
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