連勝のあとのリバウンドが必ず来るのがタイガース。甲子園のベイスターズ戦は先発投手陣の奮闘虚しく３連敗。福原が肩痛で戦列を離れ、中継ぎ投手陣が踏ん張り切れなかったのが原因。オールスター休みをはさみ、なにかチーム全体から緊張感か切れたというかひたむきさが感じられなくなったというか……。「勝つ」ことへの執念においてベイスターズが上まっていたように感じてしまった。
◎ベイスターズ１７回戦……２−３
先発はカーライルと小宮山。カーライルは立ち上がり１死三塁のピンチを招くが佐伯を三振に鈴木尚をライトフライに打ち取りペースをつかんだ。しかし、打線の援護がない。小宮山の前に何の工夫もなく８回まで２安打と完璧に抑えられてしまう。カーライルは焦ったか８回につかまる。二死をとったあと佐伯にヒットを打たれ、続く鈴木尚の投ゴロを球をつかみ損ねて弾いてしまう。結局小川、中根に連打を浴びて３失点。福原がいれば思い切って交代という場面だっただけに、厳しい結果に終わってしまった。９回裏、上坂の二塁打と濱中の四球を足掛かりに桧山が２点タイムリー二塁打。前半戦最後の勢いを思い出させたが斎藤隆に後続を断たれて連勝はストップしてしまった。
◎ベイスターズ１８回戦……４−５
ベイスターズの先発は苦手の三浦。しかし初回、先頭の上坂がいきなりレフトオーバーの三塁打。桧山が犠牲フライを打ってまずは１点先取。先発井川が４回表に佐伯のタイムリーで同点に追いつかれると、その裏濱中と桧山の連打でチャンスを作り広澤がレフトスタンドへ鋭い当たりのホームランを叩き込む。６回表、二死満塁のピンチで井川の変化球を山田がパスボール、二点差に迫られた。結局打者谷繁は三振に打ち取っただけに、このミスでの失点は大きかった。そして７回表、二死二三塁のピンチを作って伊達にスイッチ。井川が完投できないのは辛いところだ。中根に四球を与えた伊達は小川に走者一掃の二塁打を打たれ逆転されてしまう。ベイスターズの中継ぎ陣は米、木塚と早めの交代でタイガースに反撃を許さず、結局斎藤隆のまえに９回も得点できず２連敗。中継ぎの優秀さで知られるタイガースが頼れる中継ぎ投手の不在で苦しむとは……。
◎ベイスターズ１９回戦……１−６
タイガースは２回裏にベイスターズ先発の野村を攻め立て矢野のタイムリーで先制。しかし、そのあとの回はランナーは出しても得点には結びつかず、前日と同様早めの継投に打線がしてやられた。ハンセルはよく投げた。投手の野村にホームランを打たれる失投はあったけれど、７回１失点は勝ち投手に等しい。代打の関係で川尻にスイッチしたが、四球、死球でピンチを作り代打種田らにタイムリーを浴び、４失点。福原不在がここでも響いて３連敗となってしまった。赤星が盗塁しリーグ単独トップの１６と数をのばしたのは喜ばしいが、これを得点に結びつけなければ……。
◎愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……グレッグ・ハンセル また勝ち星がつかなかった。気の毒になってくる。打線の援護さえあれば、もう１０勝目に手が届こうかという内容なのに。今季まだ３勝。くさらずよくやっている。
野手……桧山進次郎 勝ちにはつながらなかったが、自己最高の１６試合連続安打をマーク。打率も３割に。４番としてひたむきにたまに食らいついていく姿勢は若手にも見習ってもらいたいところだ。
次節、甲子園でスワローズ３連戦のあと、いよいよ長期ロードが始まる。ビジターでは今季はあまり勝てていないだけに先行きが心配だが、次のスワローズ戦は苦手とはいえ首位攻防戦を戦い疲れ切った相手との対戦だけになんとか叩いて再び調子をあげていってほしいところだ。とにかく福原復帰までは葛西や遠山らベテラン陣が中継ぎとしてきっちり役割を果たしてもらわなければ。
（２００１年７月３０日記）
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