愛すれどTigers


ベテラン復活、2試合連続完封リレー

 東京ドームでのジャイアンツ戦、初戦にほぼ勝利を手中にしていたのを逆転負けして嫌な予感がしたが、なんとか一矢報いて1勝2敗。ナゴヤドームでのドラゴンズ戦は初戦は落としたが、あとは接戦をものにして2勝1敗。後半戦初めて3連戦での勝ち越しとなり、3勝3敗と五分で切り抜けた。桧山が球団新記録となる28試合連続安打をマーク、まだ記録は途切れず続いている。この桧山の打棒になんとかまわりの選手も引っ張られていってほしいものだ。

◎ジャイアンツ20回戦……6−7
 谷中と入来の投げあい。1回裏、松井のタイムリーで1点先制されたが、4回表に広澤が逆転の2ランを放つ。しかしその裏江藤の二塁打で追いつかれ、5回裏には松井のソロホームランで勝ち越され、6回表には濱中のソロホームランでまた追いつくというシーソーゲーム。谷中は5回を投げ切ったところ、入来は6回途中で降板し、リリーフの出来具合いで試合が決まるという展開になった。7回表、桧山が柏田から二塁打を打って勝ち越し点をあげると、交代した三浦から広澤がこの試合2本目となる2ランホームランを打ち突き放す。ここでリリーフに立ったのは藪。7回裏、江藤に2ランを打たれ1点差とされて苦しくなってきた。それでも8回はこの日一軍に戻った福原がしっかり抑え、最終回は成本で締めると思われた。ところが野村監督の選択は西川。いくら高橋由、松井と左打者が続くとはいえ、ここはどんなに調子が悪くても成本でいくべきだっただろう。成本ならば逆転負けしても納得できるが、今季もう一つの西川では疑問が残る。結局西川は高橋由に同点ホームランを打たれ、松井にも二塁打を食らって降板。流れは完全にジャイアンツ。ベテランの葛西でもそれを止めることはできず江藤にサヨナラヒットをセンターオーバーに打たれてしまった。クローザーを決めたなら、信頼して使うのが当然。これは完全な継投ミスで勝ち試合を落としてしまった。
◎ジャイアンツ21回戦……7−3
 まずは初回から先制パンチだ。高橋尚から濱中が2ランを放ち昨日のお返し。カーライルは2回裏に清原にホームランを打たれるが、すぐさま3回表に桧山の二塁打で2点を加えて突き放す。これで高橋尚はKO。ジャイアンツはミスを連発、6回表には三浦の暴投で三塁走者の沖原が生還、8回表には江藤のエラーで7点目。カーライルは仁志のホームランなどで3点を失うが、8回には伊達と遠山が、9回には成本が好投して楽勝。ジャイアンツの大味な野球が目についた。
◎ジャイアンツ22回戦……2−7
 井川とメイの投手戦。5回までは両チームとも2安打ずつと完璧に抑えられていた。井川はチェンジアップが冴え、メイはランナーが出ても焦らないで打者に対峙する。均衡が破れたのは6回、タイガースが桧山の二塁打と広沢の犠牲フライで2点を先取。しかしその裏、ジャイアンツは松井の同点2ランで追いつく。7回、井川が力尽きた。球威が落ちたところを阿部に2ランを打たれてしまう。誤算は松井のところで出した吉田豊。内角をつく攻めもデッドボール。これを長嶋監督は「ホームランの後のデッドボールだから故意だ」と強弁。自分たちがそういう野球をしているから偶然でも故意と思ってしまうのだろう。長嶋という人物はおおらかな好人物だといわれているが、実態は陰湿で品性下劣なのではないだろうか。清原のところで伊達にスイッチしたが、手元が狂ってデッドボール。清原が伊達をにらむと両チームの選手がホーム付近でもみ合う。ここでジャイアンツの清水は審判に隠れてタイガースの選手に足蹴りをくらわす。この日テレビを見たり球場に来ていたジャイアンツファンの子どもたちはばれなければ何をしてもよいのだということを学んだに違いない。そして、9回、矢野の打席で度重なるブラッシングボール。そういう球を投手に要求する阿部捕手は、たとえこの日のようにホームランを連発する活躍をしても品格の上で新人王の資格を剥奪すべきである。このようなチームに優勝させてはならない。なにがミラクル・アゲインだ。ふざけるのもいいかげんにしろといいたい。嫌な試合であった。
◎ドラゴンズ19回戦……1−4
 ドラゴンズの先発バンチの前に苦労しながらも4回表、桧山が球団タイ記録となる26試合連続安打を放ち、これがタイムリーとなって今岡を迎え入れて先制。しかし、この後はチャンスを作ってもタイムリーは出ず、岩瀬、落合、ギャラードとつないだドラゴンズ投手陣の前に沈黙。特に3番の濱中のノーヒットが響いた。タイガースの先発ハンセルは4回に中村のタイムリーで追いつかれると、5回には立浪の三塁打で2点を奪われ、これが決勝点となった。6回3失点ならば運がよければ勝ち投手になれるラインだが、今年のハンセルはとことん勝ち運から見放されているとしかいいようがない。
◎ドラゴンズ20回戦……1−0
 見ごたえのある投手戦。タイガース藪もドラゴンズ山本昌も要所を締める丁寧な投球。薮は7回まで投げ切ってマウンドを福原に譲ったが、次回の登板にも希望を持たせられる素晴らしい投球だった。6回くらいで突然乱れる癖も出なかった。一方、打線は9回表、赤星を二塁において桧山が決勝点となるタイムリーをレフト線に運ぶ。これで連続試合安打は27となり球団新。大事なところで打つヒットは単なる記録狙いではない価値がある。2回を無失点で抑えた福原が勝ち投手となったが、藪にも勝ち星をつけてやりたくなった。
◎ドラゴンズ21回戦……1−0
 星野伸が全盛期を思わせる素晴らしい投球で8回を完全に抑える。ドラゴンズ打線は全くといっていいほどタイミングがあわず、2安打8三振。一方の野口も前日の山本昌に負けない好投。内外角にきっちりと投げ分けられ決定打が出ない。しか、前日同様9回にチャンスをものにした。桧山が連続試合安打記録をのばすヒットで出塁すると、不振のエバンスに代わってスタメン起用された塩谷が左中間を破るタイムリーで決勝点となる1点をもぎ取る。9回には福原が登板し、今季初セーブ。そしてこの日の勝利は球団創設以来4000勝目となる記念の勝利でもある。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……星野伸之 故障に泣かされ続けていたベテランが、あわや完封という見事な勝利を飾った。これが今季初勝利とは遅すぎるが、やっとセの打者のポイントがわかってきたというところでこの後の活躍が期待できる。
野手……桧山進次郎 素晴らしいの一語。各試合のヒットに価値があり、記録以上の意味のある試合を続けている。

 次節は大阪ドームでカープを迎え撃つ。長いロードの間の準本拠地での試合。夏場になって疲れの見えてきた若手に代わり、経験豊富なベテランたちが満を持して登場してきただけに、若手とベテランがよく噛み合った試合を期待したい。タイガースはまだまだ死んでませんぞ。

(2001年8月13日記)


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