愛すれどTigers


意地の胴上げ阻止、赤星盗塁王へ

 今節で今季の全日程が終了した。マジック1で甲子園に乗り込んできたスワローズに、甲子園最終戦で胴上げさせるものかとばかりに勝利。場所を神宮球場に移した2連戦では1勝1分でここでも胴上げを阻止した。もっとも、この引き分けで今季の最下位が確定してしまったが。横浜球場のベイスターズ戦は1敗。広島市民球場のカープ戦は2連敗とスワローズ戦で精根尽き果てた感じであったが、これだけの意地を来季は1シーズン持ち続けてほしいものだ。
 タイガース、今季は57勝80敗3分。勝率.416。セントラルリーグ4年連続最下位。

◎スワローズ26回戦……2−1
 先発のカーライルが7回1失点の好投を見せる。スワローズの先発入来も好投。6回を5安打無失点に抑えられる。投手が交代して河端がマウンドに上がったが、二死から藤本、吉田浩が連打してチャンスを作り、上坂がレフト前にタイムリーを放って同点。その後は両チーム投手総動員の熱戦。試合は延長戦に。12回裏、引き分け直前、投手五十嵐のエラーで出たランナーを濱中がセンター前に弾き返してサヨナラ勝ち。地元甲子園での今季最終戦を飾った。
◎スワローズ27回戦……4−0
 スワローズの先発はエース石井一。初回、濱中が四球で出た上坂をセンター前ヒットで迎え入れて先制。濱中は3回にもホームランをセンター方向に叩き込み着々と加点する。タイガースの先発谷中はペタジーニとの勝負を避けて古田で勝負。故障で踏ん張り切れない古田がチャンスに凡打を繰り返す。スワローズは島田、石井弘、河端とつなぐが9回表に今岡の2点タイムリーでだめ押し。谷中は今季2度目の完封で7勝目を飾り、再びスワローズの優勝を翌日に引き延ばした。
◎スワローズ28回戦……4−4
 先発伊達は初回から球が甘く入り、ペタジーニの3ランを浴びて先制される。タイガース打線はホッジスから3回に赤星のタイムリーで1点を返すと、4回には2死から吉田浩の死球をきっかけにカツノリ、藤本、山田、上坂の連打で3点を取り逆転した。タイガースは伊達のあと伊藤が好リリーフで試合を締めたが、続く西川が四球を連発し、岩村の内野安打で同点を許す。ここで登板した金澤は無死満塁のピンチを3人で打ち取り逆転を許さない。そのあとは投手総動員。特に4イニングを投げた藪は稲葉に2打席連続死球を与えてあわや乱闘という場面も作ったが、内角を厳しく攻める投球でベテランの意地を見せた。延長12回、成本が抑えてとうとう引き分け。この日もスワローズは優勝を決定できず、翌々日のベイスターズ戦まで持ち越しとなった。
◎ベイスターズ28回戦……1−4
 翌日にスワローズに敗れて目の前の胴上げを許すことになるベイスターズだが、この日の試合では小宮山が好投。ハンセルもヒットを打たれながらも6回までなんとか無失点に切り抜けた。しかし、7回に四球を連発して佐伯に2点タイムリーを浴びてしまう。8回表に八木の代打タイムリーで1点を返すが、そこまで。8回に金澤が井上のタイムリーで2点を失うと、斉藤隆に抑えられてベイスターズ戦の今季の負け越しが決まってしまった。
◎カープ27回戦……3−6
 防御率一位をかけて登板した井川だったが、初回から記録を意識したか打ち頃の球しか投げられない。初回に5連打3失点、4回にはディアスに2ランを打たれて5回6失点で降板した。打線は鶴田から2点を取り一時は2点差と詰め寄ったが、リリーフの酒井の前に封じられプロ入り初勝利を献上した。赤星が38個目の盗塁を決めたが、他の選手ももっと走らねば。もっとも、打率3割を維持させるために4番の桧山を外したオーダーでは打線がつながらないのは仕方ないか。
◎カープ28回戦……1−7
 先発の藤田太陽は2回までは無難な立ち上がりだったが、3回にディアスに、4回に野村にホームランを浴びて5失点KO。来季への不安を残した。打線は高橋の前に散発7安打。8回に赤星の犠牲フライで1点を取り完封を免れるのがやっと。赤星が39個目の盗塁を4回に決め、盗塁王のタイトルを決定的にした。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……谷中真二 優勝を前に固くなったスワローズ打線を手玉に取った完封はみごと。来季はローテーションの一員としての活躍も期待できる。
野手……赤星憲広 盗塁王は決定的、そして新人王も確実。シドニー五輪の星はこの1年ですっかりプロらしい鋭さを身につけた。

 来季に向け、コーチ陣の交代が決定的になった。八木沢投手コーチ、柏原打撃コーチが退団、松井ヘッドコーチは配置転換となる。代わりに木戸ヘッドコーチ、和田打撃コーチが決まった。他には御子柴育成コーチの一軍昇格、野球解説者平塚克洋さんのコーチ就任が予定されているという。この布陣は野村監督のラインではなく岡田二軍監督のラインのような感じがする。若手コーチがどれだけ野村野球を吸収できるかが来季の鍵になりそう。野手は若手の台頭でいい競争ができるようになってきた。コーチも若手の台頭でどのように変化していくのか。
 年間の回顧はまた来週にまとめて書きます。

(2001年10月9日記)


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