フリーエージェントを宣言していた日本ハムファイターズの片岡篤史内野手が正式にタイガース移籍を発表し、さらにオリックスブルーウェーブを退団していたジョージ・アリアス内野手もタイガース入団を表明した。タイガースは、今シーズンのウィークポイントであった内野のリーダーと、長打のある外国人右打者を獲得して意味のある補強ができたということになる。
実際、今シーズン、投手がピンチになった時に一言声をかけに行くベテランの内野手が一人いればと幾度思ったことか。以前は和田がその役割を果たしていたのだが、今季は出番も少なく、コーチとしての仕事がメインになっていた。新人の沖原や藤本、2年目の上坂、来日したてのクルーズ、ペレス、いずれもそこまでまだ気が回らず、辛うじて広澤が後半戦その役割をしていた程度。その広澤も全ての試合に出場できるわけではなかった。本来ならば今岡にその任が回ってくるところなのだが、残念ながらそういうタイプではなかったらしい。
そこで、片岡である。ファイターズ時代もチームリーダーとして人望の高かった彼が内野にはいると、若い内野手も、そして投手も精神的に安心できる。いわゆる精神的支柱として片岡に期待するところ、大である。むろん、打撃面でも一発はあまり期待できないものの、勝負強い3番打者として打撃のかなめになれる選手である。
そこにアリアスが続く。今シーズンは広い神戸グリーンスタジアムを本拠にしながら38本のホームランを放った。右打者に有利な甲子園でもその打棒は大いに期待できる。なによりも、アリアスもまた誠実なプレーでブルーウェーブのファンや選手、首脳陣から高い信頼を受けていたこと、これに尽きる。いいかげんに手を抜くことがないのである。日本のプロ野球で2年間プレーしているため、生活面での不安がないことも大きい。タイガースでは一塁を守ることになるだろうが、本職の三塁でも堅実な守備を見せていたので、試合途中で三塁を守らせることもできるのは強みだ。これで広澤や八木も代打だけでない起用ができるだろう。
こうなると今岡あたり、もたもたしていたら守るところがなくなるぞ。田中なんか守備固めか代走でしか出番がなくなる。契約更改でもめている場合ではないのである。
現有勢力にこの2人が加わったのは大きい。特に三塁はここのところエバンス、ペレス、ハートキー、バトル、ハンセン、クレイグ、クールボーといった小粒な選手に頼らなければならなかっただけに(ブロワーズは小粒ではなかったけれどもうひとつ真剣さに欠けていたのが残念。しかしまあよくもこれだけとっかえひっかえつれてきたもんです)、片岡の加入は嬉しい。掛布引退以来、やっとちゃんとした三塁手がホットコーナーを守るわけだ。
星野監督になって、じょじょにツキがまわってきた感じがする。あとは現有勢力の底上げを田淵打撃コーチにお願いしたい。
田淵コーチについては項を改めていずれ書くつもり。私は田淵さんのホームランでタイガースファンになったようなものですから、書きたいことはいっぱいあるのです。
(2001年12月27日記)