甲子園で水、土、日と消化試合。ドラゴンズに1敗。ジャイアンツに1勝。スワローズに1敗。計1勝2敗と負け越した。特にドラゴンズからの敗戦で3位浮上の可能性を断たれ、今季もBクラスが確定した。あとは4位をカープと争うという展開。現時点では辛うじて4位をキープしているが、残り試合はカープの方が多いので予断は許さない。最後の闘志をふりしぼってほしいのだ。
◎ドラゴンズ26回戦……1−5
藤田が3回に谷繁に先制ホームランを、6回には立浪にもライトスタンドへのホームランを打たれて2点を先攻される。防御率1位を目指す川上の前に5回まで5安打を放ちながらも要所を締められ無得点。6回裏、二番手の山北からアリアスのタイムリーで1点差とし、なおも1死一二塁と攻め立てるが、代打広澤、浅井と凡退して追いつけず。9回表、タイガースの三番手金澤がヒットと死球でピンチをつくり渡辺にダメ押しタイムリーを打たれてしまう。それでも9回裏、抑えの切り札ギャラードを攻める。先頭の藤本が投手強襲ヒットで出塁すれば、続く浅井とエンドランが決まり無死一三塁。ここで代打は平下。文句なしのセンター犠牲フライで1点差と追いすがる。さらに今岡の二塁打でサヨナラのチャンス。しかし反撃はここまで。赤星、片岡と倒れて惜しくも勝ちを逃した。Bクラス確定の痛い敗戦だった。
◎ジャイアンツ28回戦……3−2
ここまでやられっぱなしだった新人真田から3回に井川の四球を足場に今岡がヒットでつなぎ、桧山、濱中の連続タイムリーで一気に3点を先取。4回には二塁打の山田を井川がタイムリーで返して4点差に。井川は6回までパーフェクトピッチング。7回に連打を食らって2点を失ったものの、8回以降もノーヒットに抑える好投。8回裏にはワズディンから山田がダメ押しのタイムリー。井川は久々の完投で今季200奪三振を記録、奪三振王のタイトルを確実にした。どんなタイトルでも取れば自信につながる。最後のジャイアンツ戦をしめくくるいいゲームだった。
◎スワローズ28回戦……3−2
藤川は球威もコントロールもなく、初回から四球を連発、3回につかまる。稲葉、岩村のホームランで2点取られ、さらにラミレス、ユウイチの連続タイムリーでこの回4失点。続く4回にも岩村にタイムリーを打たれ、4点差に。しかし、最多勝を目指すホッジスに打線も食い下がる。6回裏、赤星が四球で出塁し、桧山もピッチャー返しの打球で内野安打。4番の濱中がセンター前にタイムリーを放ってまず1点を返す。アリアスはボールをよく見て四球を選ぶ。片岡三振のあと、代打八木がセンターへ犠牲フライを打って2点目。代打二番手の広澤もライト前に落とす技ありのタイムリーで1点差に迫りホッジスをマウンドから引きずり下ろした。その差は2点。しかし、7回表、安藤が先頭のラミレスに不用意な甘い球を投げてしまいバックスクリーンに飛び込むホームランでまた3点差に広げられる。いやいや、タイガース打線はあきらめない。7回裏、五十嵐から赤星がライトの頭上をこえる三塁打でチャンスをつくり、桧山の高いバウンドのサードゴロの間に生還して再び2点差に迫った。8回裏、石井から上坂が内野安打で出塁し、打席には一塁に入っていた八木。ボールかファウルチップか微妙な判定で一度はスコアボードにボールのランプがついたため、2−2からのボールを選んで本人は四球と思う。ランナーの上坂もフルカウントと思ってスタートを切っていた。捕手の小野は二塁へ送球するが、歩き出していた八木がその送球を妨害したとして打者アウト、ランナーも一塁に戻されるという球審杉永の大失態。球審のコールがはっきりしてないのが問題なのは明らか。今季も審判には最後まで泣かされる。9回裏、高津から今岡がライトポール際へすばらしいホームランを叩き込んで1点差と迫ったが、反撃もそこまで。今季70敗目も接戦を逃してしまった。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……井川慶 7回さえ抑えればという悔いは残ったが、完投勝利で来季へつなぐことができる。勝てなかった時期を乗り越えたのだ。来季こそタイトル総なめの活躍を期待したい。
野手……今岡誠 バースをこえるシーズン21回目の猛打賞。スワローズ戦での最後まで食らいつくホームランと、今季の充実ぶりを最後まで示してくれた。来季こそ首位打者を目指す活躍を期待したい。
横田投手が戦力外通告を受けた。テスト生で入団し、1勝したものの球威の衰えはどうしようもなかった。しかし、連戦で苦しい時に谷間の先発としてあげた1勝は輝いていたと思う。
来季のコーチングスタッフとして、元ジャイアンツの西本聖さん、元カープ監督の達川光夫さんの名が挙がっている。岡田二軍監督は来季は一軍のコーチとしてベンチに入るという。星野監督はチーム再建に意欲満々である。それに選手たちがどう応えるか。オフシーズンもタイガースからは目が離せない。
(2002年10月7日記)