愛すれどTigers


桧山FA宣言に思う

 本日11月11日、桧山進次郎外野手がFA宣言をした。宣言せずに残留を一時表明してたが、フロントとの食い違いからきちっと評価し直してほしいという意志表明のために宣言したとのことである。
 もっともなことだと思う。
 タイガースは、カープの金本外野手、スワローズのペタジーニ内野手、バファローズの中村内野手などを獲得しようと、かなりの大金を用意したと聞く。また、昨年はFA宣言した片岡内野手に対して、相当な資金を投入した。ところが、タイガース一筋にやってきた選手に対しては金銭的に十分報いたとは言い切れない。タイガース生え抜きの選手で1億円以上の年棒を受け取ったのは、和田豊内野手以来、絶えて無い。移籍選手や外国人選手には期待料をこめて高年棒を支払っているといえなくはないが、他チームの方が気前がよいから移籍選手は前に所属していたチームでもらっていた額をそのまま引き継いで高年棒となり、タイガースの選手はいつまでたっても低年棒のまま、というのではないかと思う。
 現在在籍している選手が頼りにならないから他チームの選手を高額で引っぱってこなければならないという事情はある。しかし、桧山が安定した打撃とリーダーシップでチームを支えていることはファンにははっきりと見えている。金本に桧山のリーダーシップを期待するのは酷だろう。野球はコンピューターゲームのように数値で選手の能力を決めているのではない。人間自身がやっているのだ。実際、片岡がここまでブレーキになると、キャンプインの時点で誰が予想しただろう。片岡とアリアスの加入でクリンナップが固定するのではなかったのか。いくら高い能力を持っていたとしても、それが発揮できない場合もあるのだ。
 私は思う。ペタジーニや中村を獲得する資金のうち一部を裂いてでも桧山に報いるべきである、と。
 ジャイアンツは、松井がFAで退団することを想定していなかったという。思い上がりもはなはだしい。が、ひるがえってみるに、タイガースとて同じではなかったか。人気球団だから生え抜きの選手は出ていかないと断定する理由はどこにもないのだ。
 もし、桧山が他のチームに出ていってしまったら、金本とペタジーニと中村を獲得できたとしても、その穴は埋まらない。他のチームの中心選手をとるよりも、自分のチームの中心選手を大切にしてほしい。それこそが、チームを強くする最良の方法なのである。

(2002年11月11日記)


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