坪井智哉外野手がファイターズの野口寿浩捕手との交換トレードでタイガースを去ることになった。FA宣言をした金本知憲外野手を獲得することが確定的になった時点で、おそらくトレード要員となるだろうと予想はしていたが。
イチローばりの『振り子打法』で新人の年に3割を打ち、あとわずかで首位打者のタイトルを手にしかけた時は、いずれ今岡とともにタイガースの看板となるだろうと期待したのだが、怪我に泣いた。確実性を身につけた桧山、俊足攻守の赤星、将来の4番打者濱中と外野手の顔ぶれがかたまると、どうしても坪井が弾き出されることになってしまう。常時出場をしながら調子を整えていくタイプだけに、代打の切り札にもなりにくい。外野が手薄なファイターズならば、ヒルマン新監督のもと、出場機会も増えることだろう。
5年間、ありがとう。新天地では新人の年にとりそこなった首位打者をぜひとってほしい。
かわりに入団した野口捕手は、野村監督じこみのリードに加え、打撃面でも確実性を身につけた。ただ、総合的な実力では矢野の控えにならざるをえないだろう。ただ今季のように2回も長期欠場するようだと、野口の存在は光ってくるだろう。
松田外野手との交換でホークスから移籍してきたた佐久本投手は、ここ数年不遇だったのできっと出番が与えられたらいい戦力になるだろう。テスト入団の柴田投手や石毛投手ともども、ベテランの引退で手薄になった中継ぎ陣が整備されつつある。派手なFA補強よりも、こういった形での戦力整備に目を向ける必要がある。野球はスター選手だけが働けばよいというものではないのである。
(2002年11月18日記)