3月28日からタイガースは横浜球場でベイスターズ3連戦。いよいよペナントレースの開幕である。
スポーツ新聞、そして週刊ベースボールなどで野球解説者が今季の順位予想をしている。タイガースを優勝と予想する解説者がかなりいる。5割近いのではないだろうか。しかも、タイガースOBではない解説者がタイガースが優勝すると予想しているのだ。これは驚きである。優勝をジャイアンツやドラゴンズと予想する解説者にしても、タイガースは必ずAクラスにランキングされている。4年連続最下位を脱出し、なんとか4位にはいったチームなのに、である。それだけオフシーズンに行われた戦力増強が成功し、キャンプでの激しい競争がチームを活性化させたと評価されているのだろう。
オープン戦では3位に終わったものの、序盤から7連勝するなど、勢いを感じさせたのも一因かもしれない。いや、なまじオープン戦で勝率1位になぞならないのがいいのかもしれない。期待されている新戦力が、それぞれ力を発揮し、またミスが出たことで昨年までなら一軍当確とされた選手も開幕から二軍のスタートとなったりした。例えば沖原、あるいは関本。一定の結果が見こめる彼らも、オープン戦で見せた守備や打撃のミスで二軍落ちの憂き目にあっている。逆に、中村豊、斉藤らがオープン戦でチャンスをつかみ、開幕を一軍で迎えることになった。つまり、一軍クラスの選手でも結果を出さなければ二軍で出番を待つことになるし、二軍にいた選手でも結果さえ出せば一軍に昇格できるということになる。昨年のように、怪我人続出のためにやむなく藤原や梶原康、中谷らを一軍に上げなければならなかったというような状況では、もうない。
投手陣もまた、一軍枠をめぐって激しい競争が繰り広げられている。新人では中村泰が一軍登録されたが、自由獲得枠の杉山や江草は候補にもあがっていない。毎年ドラフト上位の選手しか話題がなかったのが嘘のようだ。
というわけで、実は私はこの下馬評の高さが怖い。選手がその気になればしめたものだが、一度つまずくと、こんなはずじゃなかったと悪循環にはまってしまう危険性を感じるのだ。1987年、優勝から2年後に最下位に沈んだ年がそうだった。そこは星野監督の人心掌握術に期待するしかないだろう。さあ、長丁場の140試合。優勝候補の期待にぜひ答えてほしいものだ。毎週このページを更新する月曜日が待ち遠しくなるような、そんなシーズンになるだろうと、楽しみにしているのである。
(2003年3月26日記)