愛すれどTigers


金本甲子園で初アーチ!

 米子でのカープ戦は、2試合目を雨で流したが、1勝。甲子園に帰ってのジャイアンツ戦は2勝1敗。今節は3勝1敗とさらに勝率を上げた。27勝14敗で2位カープに5.5差をつける。これは今季最大の「貯金」13となり、前回優勝の1985年以来となる。2位から5位までは相変わらずの団子状態。現時点ではタイガースの首位独走という状況になってきた。

◎カープ6回戦……12−2
 井川は立ち上がり、木村拓、野村に連続安打を打たれていきなりピンチ。新井を歩かせ満塁、シーツも歩かせ押し出しで1点先制される。ハーストをファウルフライに打ち取ってここを1点でしのいだのは大きい。2回表、カープ先発の佐々岡から濱中、片岡が連続でライト前にヒット。片岡の打球を捕ったライトのハーストは三塁に送球したがこれが悪送球。カメラマン席に飛び込んだためテイク・ワンベースで濱中が本塁に帰る。労せずして同点である。その後は投手戦の様相を見せたが、4回表、金本のテキサスヒットでチャンスを作り、濱中もレフト前ヒットでつなぐ。アリアスはコンパクトなスイングでセンター前にヒットを放ち、これで勝ち越す。5回表、口火を切ったのは井川。きれいな流し打ちのヒットで出塁すると、今岡もレフト線へ強い当たりをとばし、二塁打に。金本が歩いて満塁。ここで4番の濱中が、初球を叩いてライト線へタイムリー二塁打。好調片岡もライト前に2点タイムリー。佐々岡はアリアスを歩かせたところで天野と交代する。矢野はファウルで粘ってライト前へ運び、さらに2点追加。この回一気に6点を取り、試合を決定づけた。カープの若手投手陣を呑んだタイガース打線は7回には今岡が満塁で2点打を、8回にはワイルドピッチや一塁手新井のエラーなどでさらに2点を加え、10点差に広げた。井川は7回を2失点、苦しい試合をなんとか抑え切った。
◎ジャイアンツ7回戦……0−4
 今季初対戦の先発ラスの内外角をつく投球にタイガース打線が沈黙。長打が出ないまま気がついたら8回を完封されてしまった。一方伊良部は4回表、清原にそこしか打てないという外角寄りの球をレフトスタンドに運ばれ、先制を許す。それでもこちらも8回をそのホームランだけに抑え切ったのだから、責められまい。9回に登板した久保田が仁志の3ランを浴びて、河原で逃げ切られ、今季対ジャイアンツ戦初の敗戦となってしまった。しかし、8回までは1−0の緊迫感のある試合であった。
◎ジャイアンツ8回戦……1−0
 タイガース打線は木佐貫の球をとらえ切れない。4回裏、アリアスと矢野が連続でレフト前にヒットを打ちチャンスを作る。藤本は送りバントを失敗して打ち上げてしまうが、ここはさすがムーア、技ありのレフト前ヒットでアリアスを迎え入れ、これが決勝点となる1点をもぎ取った。6回表、ムーアは先頭の代打山田に内野安打を許し、清原にもヒットを打たれ、一打同点のピンチ。ここで阿部の一塁線に飛んだ強烈なライナーをアリアスが好捕。離塁していた清原は一塁に帰れずダブルプレイ。流れはタイガースのものであった。9回にはウィリアムスを投入、期待に応える好投で逃げ切った。この試合も少しも目を離せない緊迫したいいゲームとなった。
◎ジャイアンツ9回戦……6−3
 下柳は2回に清原にホームランを打たれ、さらには上原にまでタイムリーを打たれて2失点。しかし、あとは要所をしめて5回を投げ切った。初回からとばしていた上原に疲れが見えた6回裏、金本が移籍後初めて甲子園のスタンドにボールを飛ばした。流し打った打球は浜風にのってレフトスタンドへ。続くはアリアス。甘く入った速球を見逃さずレフトポール際に同点ホームランを打ち込む。こうなるとペースはタイガースのもの。7回裏、藤本の二塁打を足掛かりに代打秀太が送りバント、今岡がインハイのボールを巻き込むように打ってレフト線へ二塁打。これで1点勝ち越す。上原は金本を歩かせたところで降板。続く岡島も濱中を歩かせる。ここで代打に八木。ライト前ヒットを放つ。この打球を腰痛で腰を下ろせない高橋由が弾き、その間に二塁ランナーも帰ってこの回一気に3点と突き放す。リードされた局面から登板した谷中がよく粘って無失点で切り抜け、今季初勝利。安藤は8回清原にホームランを打たれたが、その裏今岡の犠牲フライですぐに1点返す。かくてウィリアムスが登板し、連日のセーブ。ジャイアンツを6ゲーム差と突き放す堂々たる勝利である。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……トレイ・ムーア ジャイアンツ戦の完封と勝利打点に尽きる。悪いなりにコンビネーションで抑える投球術が冴えて開幕から7連勝だ。
野手……ジョージ・アリアス 米子での決勝タイムリー、そして上原から打った同点ホームラン。不振に苦しんだ大砲が本来の打撃を見せてくれた。ここが打つと強い。

 ジャイアンツは戦力不足のため故障者を無理矢理一軍に入れて酷使しているが、これは長期的に見て故障を悪化させるだけではないのか。昨年の教訓を生かして主力の怪我防止に務めているタイガースとの差がゲーム差に出ているのだ。ジャイアンツがこういうことをしてくれている間に首位固めをしてほしい。
 他チームの状況を見ると、タイガースがこのまま突っ走る可能性はおおいにある。今回のジャイアンツ戦勝ち越しで私は今季の優勝を確信した。

(2003年5月19日記)


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