愛すれどTigers


濱中右肩脱臼で戦列離脱

 福井、岐阜と続いたドラゴンズ戦で2連勝。甲子園でのジャイアンツ戦は初戦を伊良部で落とした上に濱中が右肩脱臼で登録抹消と暗雲がたれこめたが雨中止を挟んで気持ちを切り替え1勝1敗。今節は3勝1敗と勝ち越しを22に増やした。岐阜では試合終了後にタイガースの応援をだしに暴れようという不逞の輩が催涙ガスをまき散らすというみっともない事件も起きた。ファンたるもの、気持ちよく応援したいものである。

◎ドラゴンズ13回戦……7−4
 先発井川はこの日も立ち上がり不安定。初回、先頭の大西にヒットを許し、盗塁、進塁打で三塁まで進めて福留の内野ゴロの間にホームインを許した。3回、野口からこの日先発出場の関本が二塁打を打つと、沖原がライト前に流し打って関本を迎え入れ、同点に。赤星の三塁打で逆転。このまま井川が持ちこたえてほしかったが、ドラゴンズ打線も粘る。4回裏、二塁打のアレックス、四球のリナレスを塁に置き、谷繁、渡邊、大西のヒットで3点を奪われた。しかし、今年のタイガース打線は野口を苦にしない。5回表、井川が三塁への内野安打で出塁すると、今岡がライト前ヒットで続く。井川は一気に三塁へ。赤星は打ち取られ、金本も投手ゴロ。と、三塁走者の井川が大きく離塁していたのを見た野口がこの球をお手玉した上に三塁手の横手に悪送球。5番桧山のところで代打は濱中。ライト前に流し打ち、今岡がホームインし同点! 二塁走者の金本はホームでタッチアウトになったが、試合を振り出しに戻した。濱中はそのままライトの守備につく。そして7回表、二番手の遠藤から今岡が四球を選ぶと、赤星を迎えて投手は山北に。ここは赤星がファールで粘った末にレフト前に落とし、続く金本は四球。満塁のチャンスで4番は八木。投手は落合に交代。八木はショートゴロで二塁フォースアウトとなるが、三塁ランナーは生還して待望の勝ち越し点がはいる。濱中がセンター前に運び、赤星も生還して2点差。関本のショート内野安打でさらに1点を追加した。8回からは安藤、そして9回には休養たっぷりのウィリアムスが登板、ドラゴンズ打線をきっちり抑えて連敗をストップさせた。井川はリーグ1位の8勝目。チームも40勝に到達した。
◎ドラゴンズ14回戦……7−2
 藪が好投。4回まではパーフェクトに抑え、6回まで無失点と安定した投球。打線はのらくらの紀藤から2回に藪が先制の2点タイムリー、3回に片岡のタイムリーと関本の犠牲フライでさらに2点追加。代わった山北から4回に桧山の犠牲フライ、5回に今岡と藤本のタイムリーで7点差にまで広げていった。藪は7回に立浪、8回に伏兵森野のソロホームランで2点を失い、吉野にマウンドを譲った。こういう試合では完投してほしいのだが。吉野は9回にも投げ続け、荒木、リナレスの2連打でピンチを作ったものの、なんとか無失点で切り抜けた。金本、片岡、藤本が3安打ずつ打ってチーム合計16安打。投打の噛み合った快勝である。
◎ジャイアンツ13回戦……2−6
 伊良部は球が上ずり今季最悪。初回と5回に二岡、6回に江藤と3本塁打を浴び、阿部のライト線のヒットでとうとう降板。濱中は、江藤のホームランの前にファールフライを落球し、それで焦ったのか阿部のヒットを万全でない肩なのに全力投球してしまい、脱臼。3週間安静、リハビリにも2ヶ月はかかるという重傷で退場した。打線は高橋尚の内外角をつく投球に凡打の山。しかし、7回裏、関本がレフトスタンドにすくいあげる2ランで1点差に詰め寄った。が、3番手の谷中が清原に四球を与え、江藤に2打席連発の2ランをあび、反撃ムードに水をさす。9回、久々の一軍となった金澤も1失点。ジャイアンツのリリーフ、真田、前田を打ち崩すことができずに重苦しい1敗を喫してしまった。
◎ジャイアンツ13回戦……1−0
 下柳が内外角低めのコーナーをみごとにつく投球で6回までパーフェクトピッチング。7回表、とうとう清水にヒットを許し、二岡のバントを下柳がエラー、一転ピンチを迎えた。しかし、高橋由はバントをファールで失敗、セカンドゴロでダブルプレー。続く清原も内角をついてセカンドゴロに打ち取り、ピンチを脱した。ジャイアンツの木佐貫も好投。速球に押されてランナーをすすめることができない。7回裏、二死から藤本が二塁打を打つと、下柳に代えて代打は八木。しかし、ファーストゴロで得点できず。2死二三塁と攻め立てたが片岡のピッチャー返しの打球をセカンドの元木が好捕、セカンドゴロに終り得点できない。8回からマウンドに上がった安藤が2イニングを完璧に抑え、9回裏に。先頭のアリアスが真田からヒットを放ち、バント、四球と攻め立てたが関本がダブルプレーで得点ならず延長戦に。10回表、マウンドには久保田。高橋由の四球の後、清原は三振に打ち取ったが江藤にライト前のテキサスヒットを打たれて高橋由は三塁に進む。しかし、ここで斉藤を三振に打ち取りピンチを脱した。10回裏、先頭の今岡はサードに痛烈な当たり。これを江藤が弾く。投手は3番手の前田。赤星がバントを決めると、金本は敬遠。4番の桧山はファールフライに打ち取られ、打席には片岡。ここで片岡がすばらしい打球を左中間に運び、今岡が歓喜のホームイン! 緊迫感あふれる試合は、見事なサヨナラ勝ちで決着がついた。久保田はプロ入り初勝利。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 ジャイアンツ戦、勝利投手こそ逃したが、今季最高の内容で嫌なムードを断ち切った。この投球がサヨナラ勝利を呼んだのだ。チームにとってもターニングポイントとなる好投ではないか。
野手……片岡篤史 岐阜では3安打、そして甲子園ではサヨナラヒット。ここ一番で代打を送られていたベテランが奮起した。

 腸炎で戦列離脱していたアリアスが復帰。不調の谷中に代わり、夏に強い川尻が今季初の一軍昇格。中堅からベテランの層が厚い。ジャイアンツとは9.5ゲーム差。嫌なムードの翌日が雨中止と、天もタイガースに味方をしているか。次節は相性のいいベイスターズを甲子園で迎え撃ち、週末は東京ドームでジャイアンツと2連戦。ここでジャイアンツに完全に引導をわたせるか。

(2003年6月16日記)


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