今節は全て甲子園での試合。ドラゴンズ戦は雨で2試合流したが、1勝してドラゴンズの自力優勝を消滅させた。スワローズ戦には2連勝。こちらも自力優勝がなくなった。都合3勝利。ドラゴンズ戦では桧山がサイクルヒットを達成(球団記録では4人めで5回目)。こうなるともう何が起こってもおかしくない。逆に、どうすれば負けるのだろうというくらいスキがない。勢いというのはこういうことをいうのだろう。「週刊ポスト」誌は今から30年前の江夏の恨みやらドラゴンズの前球団社長のインタビューなどで相変わらず反タイガース路線の記事を書いているけれど、さすがに「タイガースは必ずこける」という論調では書けなくなった。同じ小学館ですからね、「おひさま」は。ものすごく強い虎が自分で勝手にずっこける大男をやっつけるお話を書いて投稿しようかな。没になるか、そんな話。
◎ドラゴンズ15回戦……14−3
先発井川は立ち上がりが不安定。初回に福留の二塁打で先制される。しかし、その裏、タイガース打線は野口を攻略する。今岡がいきなりレフト前ヒットで出塁。しかし、赤星の内野ゴロでフォースアウトに。塁に残った赤星も盗塁失敗でランナーなし。例年のタイガースならここでもう打線は沈黙するのだが、今年は違う。四球の金本を塁に置き、桧山がバックスクリーン横に飛び込む逆転の2ランホームラン! 2回にはこの日先発の八木のヒットと矢野の四球でランナーをため、藤本がバントで送り、井川のセンター前タイムリーでさらに2点を追加する。これで野口は降板。二番手はバルガス。3回には先頭の金本が四球、桧山のレフト線への二塁打でチャンスを広げる。アリアスと八木が連続三振に倒れたが、矢野はピッチャー返しでセンター前に2点タイムリー。点差は6点に広がる。5回からは正津がマウンドに。代わりばなを桧山がライト前ヒット、アリアスのサードゴロは打球が死んでしまい逆に一塁に間に合わず内野安打になる。ここで代打は片岡。左中間深いところへのスリーランとなる。矢野のヒットで正津もKO。左腕の久本がマウンドに。藤本のライト前ヒット、井川のバントでランナーを進める。今岡の敬遠に赤星が燃え、レフト前に流し打って2点タイムリーに。7回から登板した山井には今岡のタイムリー二塁打と桧山の2点タイムリー三塁打でさらに3点追加。この瞬間、桧山のサイクルヒットが達成された。中盤立ち直った井川は最終回、リナレスのツーランホームランで2点を失うが、156球の連続完投勝ち。
◎スワローズ15回戦……13−7
序盤は乱打戦。初回、苦手の佐藤秀を攻略したのはタイガース。ヒットの今岡が佐藤秀のボークで二塁に進み、赤星のセーフティバントで三塁に。赤星はすかさず盗塁。桧山の犠牲フライでまず1点。アリアスのレフト前ヒットで2点目、片岡が歩き、矢野の二塁打でさらに2点追加。しかし、藪はぴりっとしない。2回表、先頭のラミレスを歩かせる。鈴木のレフトライナーを金本が好捕したと思ったら、自分の右足でグラブを踏み付けて外してしまい、二塁打にしてしまう。古田の当たりそこねの二塁ゴロの間にラミレスが生還、1点を返される。さらにベッツにセンター前に弾き返され、点差は2点に。そして3回表、3連続ヒットで満塁とされ、鈴木にライト前ヒットを打たれて同点に追いつかれた。さらに古田のセンター前のポテンヒットで逆転され、ここで藪は降板。二番手は谷中。この谷中がベッツにセンター前のタイムリーを浴び、逆に2点差に。3回裏、球の走らない佐藤秀からアリアスのレフト線のタイムリーが出て1点差に詰め寄ると、片岡のセンター前のタイムリーで同点に追いつく。投手は新人の吉川。二人も四球を出し、満塁に。動揺する新人から今岡がまさかのプッシュバント、これか内野安打となり、再びリードする。マウンドには久保田が上がり、4・5回を3三振のパーフェクトで切り抜け、試合の流れを引き寄せた。5回裏、坂元から矢野と藤本が連続ヒット、今岡はセンターオーバーフェンス直撃の二塁打で2点追加。6回表、リガンが古田にホームランを打たれたが、その裏、新人の高井を満塁と攻め、藤本のピッチャー返しの打球を高井が好捕したものの本塁へ悪送球で2者生還。2試合連続の2ケタ得点となった。7・8回は吉野、安藤でつなぎ、8回裏には片岡がセンターバックスクリーンに飛び込む2試合連続のツーランホームランを河端から放ち、ウィリアムスでしめた。これでスワローズも自力優勝がなくなってしまった。古田の困惑した表情が印象的だった。
◎スワローズ16回戦……7−2
初回、ベバリンから今岡が初級をレフトスタンドに打ち返して先制の先頭打者ホームラン。赤星がヒットで続き、すぐに盗塁。金本の内野ゴロで三塁に進むと、桧山の犠牲フライで2点目の生還。この2点目を取れるところが強い。下柳はランナーを出しながらも要所をスライダーで締める。しかし、4回表、ラミレスに1点差に迫られるソロホームランを打たれた。もっとも、すぐに返すのが今年のタイガース。その裏、片岡の二塁打で再び2点差に。5回裏には今岡が右中間に二塁打を打ち、稲葉がもたつく間に三塁を陥れる。赤星は死球。痛がるそぶりから心配されたが、これは芝居ですかさず盗塁。さすがの古田もだまされた。金本の当たりそこねのショートゴロは飛んだコースがよく三遊間を抜け2点タイムリーに。4点差をもらった下柳だが、6回、古田を歩かせてベッツにセンター前ヒットを打たれたところで久保田と交代。久保田も土橋にショートの頭を越すポテンヒットを打たれて1点を失った。しかし、7回はきっちり抑え、8回には吉野、安藤のリレーでスワローズに反撃を許さない。8回には河端から今岡、赤星の連続タイムリーで2点を加え、9回表にはリガンが登板。ランナーは許したが、併殺で切り抜け、なんとか逃げ切った。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……久保田智之・吉野誠・安藤優也 先発がくずれても、若いセットアップトリオが流れを引き戻す。ウィリアムスにつなぐ最高の形ができてきた。馬力の久保田、揺さぶりの吉野、低めに決める安藤と、その個性の違いが相手を幻惑する。
野手……桧山進次郎 そらね、今節の活躍からいうと、今岡が順当なところかもしれないよ。しかし、ここ一番で確実に放つ犠牲フライが3連勝を支えたことを忘れてはならない。そし、真弓以来のサイクルヒットが決め手だ。
次節、倉敷のカープ戦で勝てば、カープも自力優勝の可能性をなくし、優勝マジックが点灯することになる。おどろいたことだ。さらに甲子園のジャイアンツ戦で一気マジックを減らしてオールスター、なんてことになる。いやもうほんとになにがどうなっているのやら。わけがわからんのである。
(2003年7月7日記)