愛すれどTigers


後半開幕、久慈サヨナラ打

 オールスター2試合をはさみ、いよいよ後半戦の開幕である。大阪ドームでのオールスター第1戦ではアリアスが先制ホームランを放ち優秀選手賞を、千葉マリンスタジアムでの第2戦では金本が2打席連続ホームランで最優秀選手賞に輝いたほかアリアスが2試合連続ホームランで優秀選手賞、先発の伊良部が3回を無失点に抑えて優秀選手賞を受賞した。ペナントレースの勢いそのままにタイガース勢が活躍したのは嬉しい限り。後半の開幕である甲子園でのカープ戦は2勝1敗と勝ち越してマジックを43とした。SF大会に行っていたためにリアルタイムでは見られなかったが、スポーツニュースの録画や新聞記事でしっかりチェックしましたぞ。後半戦も勢いは衰えない。8月中の優勝もあるかもしれない。

◎カープ15回戦……4−3
 先発藪が初回、シーツの二塁打で先制点を許したが、その裏すぐにカープ先発の長谷川から今岡が今季5本目となる先頭打者ホームランをレフトスタンドに運んですぐに同点。2回にはヒットの片岡を塁に置き、矢野が勝ち越しの2ランをライトスタンドに持っていく。しかし、藪は不安定。3回と5回、シーツに連続打席ホームランを食らい、同点に追いつかれた。タイガース打線は長谷川から3回以降ランナーは出すが要所を締められ得点できない。昨年までのチャンスをピンチとするような硬さが見られる。嫌な雰囲気を吹き飛ばしたのが四番打者、桧山だ。8回裏、センター方向に飛んだ飛球はバックスクリーン横に飛び込む決勝ホームラン。藪が5回を投げて降板した後は、6回を谷中、7〜8回をリガンが無失点で切り抜ける。ヒット性の内野ゴロも今岡や藤本がファインプレーで阻止する。9回表、抑えの切り札ウィリアムスが登板したが、町田への四球、木村拓、緒方への連続死球で2死満塁とすると星野監督は安藤にスイッチ。安藤は好調シーツを三振に切ってとって逃げ切った。リガンは来日初勝利。マジック45。
◎カープ16回戦……1−3
 先発下柳は初回緒方のタイムリーで先制点を許したものの、その後は8回まできっちりと抑えてゲームを作った。一方、カープの先発黒田も毎回奪三振という好投。8回裏、片岡が二塁打を放ち、やっとチャンスを作った。矢野が送ってランナーは三塁へ進む。ここで藤本がきっちりとレフトへ打ち上げて犠牲フライで同点。こういう点の取り方ができるのは今年の打線のつながりのよさを示している。しかし、9回に登板した久保田が前田に決勝のホームランをあびる。球が高めに浮いたところを狙われた。黒田には完投を許してしまう。今季、カープには勝ち越しているものの、内容的には互角かそれ以上にやられている印象が残る。スワローズが勝ったため、マジックは45のまま変わらず。
◎カープ17回戦……5−4
 初回、今岡がブロックからヒットを放ちいきなりチャンス。赤星の投手ゴロをブロックが二塁に悪送球し、チャンスが広がる。すかさず盗塁を狙った赤星だが、石原の好送球で盗塁死。しか、ブロックはここでワイルドピッチという2つめのミスをしてくれて今岡がホームインし先制点をもらう。四球の金本を塁に置き、アリアスが2ランを放って初回3点と突き放しにかかる。3回には金本が浜風に乗るレフトスタンドへのソロホームランでさらに差を広げた。しかし、ムーアは相変わらず不調。4回、シーツの二塁打などでピンチを招き、前田の内野ゴロの間に1点を返され、新井にもタイムリーを許し2点差に詰め寄られた。5回にはブロックのタイムリーで1点差に。タイガース打線も5回裏、3連打でチャンスを作るが桧山、アリアスが連続三振でチャンスを生かせない。ムーアは6回途中、ブロックは7回途中でそれぞれ降板。カープは菊地原、小山田のリレーでタイガース打線を封じ、タイガースもリガン、安藤で逃げ切りをはかる。9回表、本来ならばウィリアムスが登板すべきところを、星野監督は安藤続投という手にでた。これが裏目に。緒方に同点タイムリーを浴び、試合は延長戦に。カープは天野、永川を投入、タイガースもウィリアムスをマウンドに送る。10回表、ウィリアムスは2死から3連打を浴びたが、木村一のヒットで二塁から長駆ホームへ向かった廣瀬をレフト金本が好返球で刺す。これで生き返ったウィリアムスは11回には三者連続三振。そして11回裏、疲れの見える永川から先頭のアリアスが四球を選ぶ。代走に秀太。沖原がバントで二塁に進めたが、矢野は敬遠。守備固めで途中出場の久慈は、前進守備のレフトの頭をこえる見事な二塁打。秀太が一気にホームに駆け込みサヨナラ勝ち。スワローズが敗れたため、マジックは43と減った。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェロード・リガン 中継ぎで好投。結果をきっちり出している。そし来日初勝利。ウィリアムスが不調なだけに、安藤につなぐリガンの働きが光る。
野手……久慈照嘉 常に控え。しかし、出場体勢はできている。だから、サヨナラの場面でもきっちりとランナーを返せる。こういう控えがいるから、強い。

 次節は2位のスワローズと甲子園で3連戦。直接倒して一気にマジックナンバーを減らすいいチャンスだ。二軍ではベテランの広澤や故障上がりの福原が出場し、調整を進めている。ウィリアムスと安藤に少し疲れが見え、打線も必ずしもつながりがいいというわけではないだけに、彼らの復帰もあり得るだろう。

(2003年7月22日記)


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