札幌ドームのベイスターズ戦で2連勝。これで星野監督は監督通算900勝を達成した。続く東京ドームのジャイアンツ戦では1勝2敗。今節は3勝2敗と1つ勝ち越した。1〜3番の打順はもとに戻したが、4番は片岡、広澤、八木と日替わり。その片岡は負傷で欠場し、藪も右肘に違和感があるということで登録抹消した。今が一番ピンチということになるのかもしれないが、なんとかここはしのいで、ピークを日本シリーズに持っていけるように調整していってほしいところだ。
◎ベイスターズ21回戦……3−2
先発のホルトから2回に先制。藤本、久保田、今岡、赤星と4連続ヒットが出て2点を奪った。久保田は初回からとばす。1回と2回はアウト6つは全て三振。しかし、3回裏、石井の二塁打と鈴木尚の連続タイムリーで同点に追いつかれた。ヒットはいずれも会心の当たりではなく、運の悪さも感じられた。そのあとは久保田とホルトの投手戦となる。しかし、7回表、1死から井岡がセンター前にヒットを放ち、赤星が送ってチャンスを作ると、金本がセンター返しのタイムリーヒット。今岡はホームに頭から飛び込む走塁で虎の子の1点を手にした。7回途中からウィリアムス、そして安藤とつなぎ、1点差を守切って連敗をストップさせた。星野監督は通算900勝。マジックナンバーは25に。
◎ベイスターズ22回戦……3−2
豪腕グスマンから今岡が先制打。3回表、藤本を二塁においてバットを降りながらレフト前に運び、藤本を返した。藪は初回から調子はよかったが、4回裏、金城にホームランを打たれて同点に追いつかれた。それでも後は慎重にコーナーをつく投球で逆転を許さない。6回表、今岡と赤星が連打でチャンスを作ると、4番に座った片岡がライト線へ運び、2点二塁打。7回からリガン、9回にはウィリアムスを投入して必勝体勢を作る。そのウィリアムスが9回裏、また金城からソロホームランを打たれて1点差とされるが、反撃もそこまで。後続をしっかり抑えて逃げ切った。マジックナンバーは24に減った。
◎ジャイアンツ19回戦……0−3
上原の前にいいところなく完封負け。とにかくフライが多かった。伊良部は初回に伏兵川中からホームランを打たれ、3回には二岡、ペタジーニのタイムリーで決定的な3点めを入れられた。それでも後続を断って7回までは投げ切った。続く金澤も気合いの入った投球で失点を許さないが、上原からこう打てないのでは仕方ない。しかも片岡が4回にふともものはりをうったえて欠場。ピンチはさらに深まった。
◎ジャイアンツ20回戦……5−1
井川が6回2死までノーヒットピッチング。大記録は代打仁志のヒットでついえ、7回のペタジーニのホームランで1点を失って完封も逃したが、堂々の完投勝利。この試合まで防御率1位だった木佐貫から、初回に赤星が出塁するとすぐに盗塁、金本がすかさずセンター前にタイムリーヒットで先制する。3回には死球の赤星、ヒットの金本を塁におき、打者アリアスのところでダブルスチール。ここで木佐貫はワイルドピッチで赤星がかえって2点目。アリアスが歩くと、野口、中村豊が連続タイムリーをセンター前に運ぶ。この回3点。5回には金本、広澤の連続ヒットでチャンスを作ると、アリアスがあわやホームランという二塁打で1点を追加、井川の投球内容でこの5点めはまさしくだめ押し。井川は15勝目でハーラートップ。さらに防御率も1位にあがった。心配なのは今岡で、5打数ノーヒット。やはり疲れは隠しようがないか。マジックナンバーは22に。
◎ジャイアンツ21回戦……1−6
下柳が初回、いきなり二岡に先頭打者ホームランを打たれる。川相や清原のヒットで満塁とされ、レイサムのショートゴロを併殺に取れず、追加点を許す。4回には二塁に清水をおいてまた二岡がタイムリー。これで下柳は降板。金澤、石毛、吉野とつないでその後はなんとか抑える。タイガース打線は久保の前にチャンスを作りながらあと1本が出ない。ようやく8回、今岡が2試合ぶりのヒットを打ち、金本の二塁打で三塁に進む。ここで久保のフォークはワイルドピッチに。今岡がホームに突入し、なんとか完封は免れた。八木は四球でチャンスは続いたが、代走の秀太が盗塁死。アリアスも三振に倒れて結局この1点のみ。8回、リガンが連打を浴びて3点を失い万事休す。最後はサンタナに9回表きっちりと抑えられた。マジックナンバーは変化なし。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……井川慶 ノーヒットノーランは逃したが、みごとな完投勝利。夏に照準をあわしたという言葉は嘘ではなかった。
野手……野口寿浩 矢野の欠場をバットの面でもよく補っている。こういう事態のためにトレードで獲得した選手なのだ。
次節は大阪ドームに帰ってドラゴンズ3連戦。さらに相性のいいベイスターズ戦も控える。ここは思い切って関本、喜田、桜井といったところを抜擢してみるのも面白いだろう。とくにライトは中村豊、上坂らがよくがんばってはいるが、結果を出し切れていない。日本シリーズを照準に置くならば、ベテランの故障をいい方に向けなければならないだろう。
(2003年8月18日記)