愛すれどTigers


福原復活!久々の甲子園で5連勝

 強いタイガースが甲子園に帰ってきた。ロードの無惨な様子はどこへやら。7月までのつなぐ野球が復活だ。第1戦は雨で流したが、ジャイアンツ戦に2連勝。スワローズ戦も3連勝。なんだかんだいいながら、8月の成績は11勝12敗と1つしか負け越していない。マジックも11に減り、いよい優勝まで秒読みである。一気に決めそうな勢いだ。いいぞいいぞ。

◎ジャイアンツ22回戦……6−4
 伊良部は初回に清水と清原のタイムリーで2点を奪われる不安定な立ち上がり。ロードの負け癖が残っていたかと思ったが、1回裏、先頭の今岡が桑田から四球を選んだ。続く赤星は浅いセンターフライ。ところが清水かこれを追いかけようともせずワンバウンドで取りヒットになる。ここで調子が狂ったか、桑田は甘い球をすっと投げる。見逃す金本ではない。完璧な打球がセンターバックスクリーンに。これで一気に逆転だ。2回には二塁打の藤本を伊良部のレフト前タイムリーで返して2点差に。これで桑田はKO。二番手の柏田には無得点で抑えられたが、5回裏、若い林が登板すると赤星がセンター前に弾き返し、すかさず今季50個目の盗塁を決める。金本はライト前に軽打して赤星が返り、3点差に。伊良部は7回表、清水にライトスタンドに、清原にライトポールにあたるホームラン2本を浴びて降板。しかし、吉野、安藤のリレーで後続を断つ。8回にはこの日途中出場の中村豊が前田からタイムリー三塁打を打ってだめ押し。抑えの切り札ウィリアムスが9回を抑えて甲子園の初戦を白星で飾った。勝利の瞬間のナインの嬉しそうな笑顔!星野監督も試合後のインタビューは興奮気味。マジックは16に。
◎ジャイアンツ23回戦……11−0
 ジャイアンツの先発工藤から、初回に4番広澤がバックスクリーンに飛び込む特大先制2ラン! 広澤は3回にも同じ球をレフトスタンドに運ぶ3ランで突き放す。続くアリアスもレフトスタンドに運び、3回でもう6点だ。二番手の十川雄には抑えられたが、3番手の条辺から四球の赤星が51個目の盗塁を決め、金本も歩き、絶好調広澤がセンター返しで1点追加。そしてアリアスが2打席連続の3ランでをレフトポール際に打ち込んで久々のフタケタ得点となる10点目が入った。7回には柏田から中村豊が2試合連続のタイムリーで決定的な11点目。投手では井川が毎回のようにランナーを出しながらピンチをしのぎ、7回を完封。吉野、石毛、三東のリレーで残りの回を無安打に抑え、みごとな連勝。強いタイガースが戻ってきた! マジックは15に。
◎スワローズ22回戦……8−0
 苦手の左腕石川から、2回にアリアスがセンターバックスクリーンに運ぶ特大の先制2ラン。3回には二塁打の金本をおいてアリアスがセンター前にタイムリー。バックホームの間に二塁に進もうとするのを古田が焦ってセカンドへ悪送球。アリアスは一気にホームイン。星野監督曰く「ランニングホームランや」。4回にはヒットの早川と三塁ゴロエラーの藤本を塁に置き、今岡がレフト前に2点タイムリー。石川を4回でKOした。続く本間から5回、猛打賞となる2ランをテスト移籍の早川がセンターバックスクリーンに飛び込む特大2ラン。試合を決めた。下柳は球が低めに集まりスワローズ打線を翻弄。特に主砲ラミレスを3三振に切って取ったのが大きく、2年ぶりの完封勝利。前回も完封ペースだったが途中降板させられた、その悔しさをはらした。カープが敗れてマジックは13と一気に減った。
◎スワローズ23回戦……9−3
 初回、ホッジスから今岡がいきなりライト前ヒット。赤星も俊足を利してサードゴロを内野安打に変える。金本が歩いて満塁。片岡は浅いセンターフライだったが、アリアスのショートゴロは高く弾んだ分併殺を免れ、今岡がかえってまず1点先制した。そして2回、早川が2試合連続のホームランをバックスクリーンに運んで2点目。内野安打の藤本を塁に起き、久保田が送る。そして今岡がレフトオーバーの二塁打を放って3点目。ホッジスは3回でマウンドを降りた。久保田は三振も取るがランナーも出すという内容で、4回、ベッツのタイムリーで2点差に迫られる。しかし、その裏、交代した佐藤秀から矢野が久々のレフトスタンドへのソロホームラン。5回裏には赤星が俊足を飛ばして三塁打を打てば、金本のセカンドへの内野安打で生還。続く片岡の二塁打で1死二三塁とし、アリアスがレフトオーバー2点タイムリー二塁打。矢野はライト線へ運んで三塁打とし、この回4点を追加。試合はワンサイドゲームに。クボタは7回まで1失点でしのいだけれど、8回に四球や内野安打などで2死満塁としてリガンにスイッチ。リガンは城石に二塁打を打たれて2点を奪われたが、最終回まで残りの打者はしっかりと抑えた。8回裏には中村豊のだめ押しのタイムリーが出て、タイガースの圧勝。マジックは12に。
◎スワローズ24回戦……4−0
 福原と鎌田の投手戦。福原が最盛期のスピードボールを捨てて低めにコントロールする好投を見せれば、鎌田も4回まで伸びのある速球でタイガース打線を抑え込む。しかし、5回裏、簡単に2死を取られたあと、福原が三遊間を抜くヒット。今岡もレフト前に運んでチャンスを広げた。ここで赤星がライトの横を抜く二塁打で福原を返し、とうとう先制。続く金本はファールで粘って四球を選び、一転して初球狙いの片岡はライト横を抜く満塁走者一掃のタイムリー二塁打。この回の4点が最後まできいた。福原は大事をとって6回で降板。吉野、安藤、ウィリアムスの必勝リレーで福原が復活勝利を飾った。タイガースはこの試合で苦手スワローズに11年ぶりの勝ち越し。マジックは11に。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……福原忍 下柳の完封もすばらしかったが、ここはやはり福原。昨年10月に肩を手術し、名前通り耐え忍んでの勝ち星に胸がいっぱいになった。
野手……広澤克実・早川健一郎 ジャイアンツ戦で2連発、お立ち台で「日本シリーズで勝ったら(六甲颪を)歌いましょう」と盛り上げた広澤。テスト生から這い上がってきた早川。主力の穴を埋めてあまりある苦労人たちの活躍に今年のタイガースの強さを見た。

 マジック対象のカープと広島市民球場で3連戦。ここで一気にマジックを減らしたら……。その日、その時が近づいている。実をいうと、まだ実感がない。ああ、本当に優勝目前なのだね……。
 ところで、テレビ中継を見ていたら、トラッキーの動きがむやみによい。スタンドに向かって万歳する激しい動きや、ヒーローインタビューの横を走る時の仕草。もしかしたら、トラッキーはもとに戻っているのでは……。だとしたら……。真相はどうなのだろうか。

(2003年9月1日記)


目次に戻る

ホームページに戻る