愛すれどTigers


2004年キャンプイン

 栄光の2003年のシーズン終了から3ヶ月弱。岡田新監督が率いるタイガースが沖縄宜野座で新年度のキャンプを開始した。
 今シーズン、注目の的は早稲田大学出身の鳥谷敬内野手である。新人ながらその力量は群を抜いており、岡田監督も昨年のレギュラーである藤本とショートの定位置を競わせている。いや、この2人だけではない。新外国人のキンケードは内外野を守れる上に好打者というふれこみで片岡、アリアスらとポジションを争い、外野にはブルーウェーブから移籍の葛城が金本、赤星、桧山、濱中らの定位置を狙う。若手の桜井、喜田も一軍キャンプに抜擢され、存在をアピールしている。
 隙を見せた者はすぐに二軍に送られる。交通違反で出頭を命じられながらそれに応じなかった上坂は謹慎、キャンプ直前に故障をした関本も一軍から外された。新人の年にブレイザー監督から競争のチャンスを与えられなかった岡田監督は、自分の経験を生かして少しでも多くの選手にチャンスを与え、自分でレギュラーを奪うようにとしむけている。二軍監督時代に濱中や関本を育てた手腕が一軍でも期待できるところだ。
 投手陣では、ブルーウェーブから移籍の牧野、バファローズから移籍の前川、台湾野球で活躍したモレルらキャリアのある選手が加入した。ムーアを解雇し、ベテランの川尻、谷中を放出してまでして獲得した選手たちだけに、期待がかかる。若手では新人の筒井だけでなく、昨年煮え湯を飲んだ杉山や江草、さらに飛躍が期待できる久保谷に三東などの成長も楽しみだ。また、伊良部など自分のペースをわかっている選手の自主性を重んじている点でも岡田監督の選手を信頼する姿勢が見られる。
 星野前監督とはなにかというと比較されるだろうが、敵に勝つ前にまず味方と戦うという方針は、星野流の先陣を切って引っ張る野球から一歩進んだものだろう。
 開幕までにどれだけの選手が淘汰され、精鋭が揃っていくのか。キャンプ中の動きから目が離せない。チャンピオンチームという栄冠にあぐらをかくことなく、より高いレベルでファンを楽しませてくれる、そんなチームに鍛え上げていってほしいものだ。

(2004年2月2日記)


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