愛すれどTigers


岡田監督いよいよ出陣

 4月2日より東京ドームで読売ジャイアンツとの3連戦が始まる。いよいよ岡田監督の初陣である。
 キャンプ、オープン戦を通じて、打線は実によい。今岡が死球で出遅れると、藤本が二塁を守り思い切りのよいバッティングをみせる。アリアスはメジャーとのオープン戦でホームランを連発し、金本もつなぐバッティングを徹底させていた昨年と違い、飛距離ののびる打法で4番打者の貫禄を見せる。オープン戦では調子を落としていた桧山も、開幕が近づくにつれ持ち味の左右に打ち分けるバッティングを見せるようになってきた。赤星、矢野はもちろん開幕に向けて調子をあげてきている。未知数なのはキンケードと鳥谷だが、この二人が不調でも片岡、関本らが虎視眈々とレギュラーの座を狙っている。代打も右に八木、沖原、そして左に葛城、平下と実績のある選手が控えている。
 なによりも、自信に満ちあふれたバッティングを全員がしている。ヒットを続けていけば自然に相手は焦り、大量得点につながるということを熟知しているのだ。ヤンキース戦でもその特性はいかんなく発揮された。一発を狙うあまり手玉にとられたジャイアンツ打線とは好対照である。こと打線に関しては不安材料はない。岡田監督の目指す競争原理が的中したといっていいだろう。
 問題は投手陣である。先発は井川、伊良部、下柳、福原、前川といったところだろうが、井川を除いて絶対安心できるという安定感には欠ける。自慢のリリーフ投手たちも、オープン戦終盤で安藤やウィリアムスが打ち込まれ、不安を露呈した。むしろ先発投手陣の方が少しずつ調子を整えているといっていいくらいだ。
 キャンプが始まった頃は、今年は優勝しなくてもいいとさえ思っていた。昨年の優勝で燃え尽きたとしても、それは仕方ないと思っていた。しかし、開幕を迎えて、連覇できるのではないかと思うようになってきた。最有力候補といわれたジャイアンツは、打線が打てども打てども投手陣がそれ以上に打たれるという悪い関係をとうとう改善できないまま開幕を迎えている。優勝というのは実力もさることながら、流れをつかんだ者の前に待つゴールだと思う。タイガースの方が、ジャイアンツよりもよい流れを作っていると感じるのは私だけではないはず。
 今年も楽しいシーズンになりそうな、そんな予感がしている。そして、今年で自信が本物になったら、万年最下位どころか強豪チームとして私たちをこの先10年は楽しませてくれることになるだろう。
 岡田監督はそれができる指揮官だと、私は信じているのである。

(2004年4月1日記)


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