甲子園でのベイスターズ3連戦は、2連敗してまたも勝てないかと嫌な感じになったが3戦目にとうとう勝利して1勝2敗。ベイスターズ戦の開幕からの連敗は7で止まった。ナゴヤドームでのドラゴンズ戦は打線が全くつながらず、好投していた先発投手陣を見殺しにするような形で3連敗を喫した。今節は1勝5敗と大きく負け越し、とうとう首位の座を明け渡しだけではなく3位にまで転落してしまった。5月の勝敗も5割ちょうどで現時点での今季成績はちょうど5割。投打の噛み合わせが悪い中で、団子レースから飛び出す機会を逸している。
◎ベイスターズ6回戦……2−8
先制したのはタイガース。ベイスターズ先発の吉見から初回、藤本を二塁において今岡が先制のレフト前ヒットを放つ。2回には金本と桧山が連続四球で歩き、関本の一塁ゴロで進塁、吉見のワイルドピッチで2点目をもらった。しかし、相手のエラーに付け込んで大量得点をとるという形ができない。続くチャンスに矢野は三振、藪もセンターフライでせっかくのビッグイニングのチャンスを逸してしまった。そのあと吉見からは毎回のようにヒットは打つのだが、あとが続かない。特に矢野はチャンスでことごとく三振を喫するなど大きなブレーキ。タイガース先発の藪は5回につかまった。種田と中村に連打を浴び、石井が、そして内川が連続タイムリーで同点。さらワイルドピッチで勝ち越しを許す。6回には中村のタイムリーでさら1点を追加されて6回を投げ切ったところで降板した。桟原が続いたが、8回につかまる。金城、種田にヒットを打たれて降板、三東は田中一に四球を与え、石井に二塁打を浴びて2失点、今季初登板の金澤も内川に二塁打を打たれてさらに2失点。負けゲームでの若手投手のリリーフに覇気がないのが気になる。
◎ベイスターズ7回戦……0−4
久保田と三浦の投手戦。しかし、先につかまったのは久保田だ。4回にT・ウッズと金城のタイムリーで2点を先制された。6回にはT・ウッズにソロホームランを打たれたが、8回まで投げ切って3失点ならばKOとまではいくまい。それよりも三浦の前にことごとくチャンスをつぶしていった打線に問題がある。チャンスになると緊張する姿は、一昨年までに戻ったようだ。この試合では桧山と矢野がノーヒットでブレーキに。最終回は二番手の川村を攻め立てて一死二三塁とチャンスを作ったが、佐々木が出てくると新人の鳥谷には荷が重かったか三振、矢野も三振でゲームセット。この敗戦でタイガースは2位に転落した。
◎ベイスターズ8回戦……12−5
ベイスターズにとうとう勝った。先発は井川と新人の吉川。3回裏、矢野のセンター前ヒットを皮切りに、赤星もヒットで続き、藤本がセンター前に弾き返してまず1点。今岡のライト前タイムリーでさらに2点追加して、3点の先制だ。ところが井川は4回表、村田に代打3ランを打たれてすぐに追いつかれると、5回にはT・ウッズの2ランでリードを許した。それでも二番手の門倉から5回裏に今岡が2ランを放って追いつくと、7回には三番手川村から金本がレフトスタンドへ2ランホームラン、さらに8回、四番手の東から鳥谷がセンターにライナーで持っていくプロ入り第1号ホームラン。今岡の二塁打で2点を追加し、とどめは2打席連続となる金本の2ランがバックスクリーンの右側に飛び込んでベイスターズを叩きのめした。よたよた井川は7回まで投げ、8回からは安藤とリガンが抑えてベイスターズからの連敗を7で止め、1日で首位に返り咲いた。
◎ドラゴンズ10回戦……0−2
福原はよく投げた。8回を完投して5安打2失点ならば文句はない。失点は7回裏、井上と渡辺に連続四球のあと、谷繁の二塁打で先制されてしまった。それでもそのあともていねいな投球で追加点を与えなかったのだから言うことはない。打線が山本昌の前に沈黙。桧山と矢野の前によくチャンスがまわってきて、ことごとく凡打。これまで頼りにしてきた打者だけに責めたくはないが、この3連戦、鍵となったのは全て矢野であった。
◎ドラゴンズ11回戦……2−3
今季初先発の杉山が好投した。6回途中まで投げて5安打無失点。ピンチになっても同じない投球には、今後も期待できる。6回表に金本が野口から二塁打を打ってランナーをためヤギが振り逃げで三塁ランナーが生還し先制、若手投手を助ける。ただ、野口からつないだ岡本を攻めあぐんだのがいたかった。このあともランナーをためながら矢野の併殺打でチェンジに。7回裏、安藤が連打を浴び降板、一塁のエラーなどもあって同点に追いつかれ、続くウィリアムスも立浪のタイムリーで逆転を許した。8回にはそのエラーの八木が二塁打を打つなどして1点差に詰め寄ったが野口、久慈が岩瀬の前に三振、矢野も倒れてあと1本が出ない。最後は落合に抑えられて悔しい連敗。
◎ドラゴンズ12回戦……0−1
下柳は完璧。3回表に荒木に打たれた二塁打のみの1安打完封。のらりくらり投法でドラゴンズ打線に的を絞らせない。一方、ドラゴンズ先発のバルガスは2回表には1死満塁、4回表には2死満塁と何度もピンチを迎えるが、とにかく矢野と下柳のところにまわってくるとそこで打線が切れてしまう。6回途中に腕に痺れを訴えてベンチに下がったが、遠藤、小笠原、岡本のリレーでタイガース打線にあと1本を打たせない。そして迎えた9回裏、タイガースのマウンドはウィリアムス。先頭の井端に四球を与え、福留の意表をつくバントを一塁へ悪送球してランナーを三塁まで進め、最後は代打大西に犠牲フライを打たれてサヨナラ負け。ベイスターズ戦で1勝をあげた反動か、とにかく打線が金縛りにあったように打てないのであった。
◎愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 また勝ち星はつかなかったが、D戦の好投は2勝分の価値はある。前回をこえる今季最高の投球内容だったのに、なぜ打線は助けてやらんのだ。
野手……今岡誠 チーム連敗中も毎試合のようにヒットを放ち、連敗ストップとなったベイスターズ戦でも同点ホームランに勝ち越しタイムリー。今岡、孤軍奮闘である。
甲子園のスワローズ戦でなんとか建て直してほしい。久保田が故障で二軍落ちし、片岡の怪我も再発して一軍復帰が遠のいている。ここらあたりでカンフル材として桜井などを上にあげてもいいのでは。初ホームランの鳥谷への刺激にもなるだろう。矢野を1試合でいいから休ませて、野口に先発マスクをかぶらせるという手もあるだろうし。そこらあたりのやりくりはさすがに星野監督に一日の長があった。岡田監督もわかっているのだろうが……。
(2004年5月31日記)