愛すれどTigers


前半戦5割でターン

 倉敷マスカット球場でのカープ戦は勝ったものの、広島市民球場では2連敗。今節は1勝2敗。これでオールスターまでの前半折り返し時点でちょうど5割となった。勝つ時はギリギリだが負ける時はもどかしいというすかっとしない展開が続いた前半戦だが、片岡、伊良部、濱中、藪、リガンと故障者続出の中での5割維持だけに健闘はしているといっていい。思えば昨年の今ごろはマジックナンバーが点灯し独走体勢だったのだ。一昨年は3つ勝ち越しで3位、3年前は負け越しながら4位につけていた。問題は後半戦息切れしないようにということ。幸今年は団子レース。後半戦次第では連覇もあり得る。
 オールスター戦では福原が新人賞を獲得。オールスターで活躍した選手は後半戦も期待ができる。アリアスと今岡がそれぞれ打点をあげたことだし、派手ではないがなんとか食らいついていくという展開になりそうだ。あ、元タイガースのSHINJOが第2戦でホームスチールをしてMVPに輝いたな。あやかりたいものです。

◎カープ13回戦……4−2
 初回、カープ先発高橋からいきなり今岡が二塁打。赤星のセカンドゴロで三塁に進み、それを金本がライトフェンスぎりぎりのライトフライで返す。さらに3回、赤星と関本が連打で出塁すると、金本がライトスタンドに飛び込む2試合連続の3ランでリードを広げた。下柳はランナーを許しながらも3回まで0点に抑える。4回裏、新井のタイムリーで、5回裏にはラロッカのホームランで2点を失った。これが限界と考えたか、岡田監督は6回から小刻みな継投。金澤、マイヤーズ、安藤とつなぐ。対するカープも小山田、玉木、澤崎とリリーフをくり出し、とくに7回表は玉木から赤星、関本、金本が三者連続三振を奪われるなど、だめ押し点が奪えない。9回裏、ウィリアムスが締めて8セーブ目。下柳は前半戦を6勝1敗という高勝率でしめくくった。
◎カープ14回戦……3−12
 福原が今季最悪の出来。必勝を期して送りだした監督の期待に応えられなかった。初回、いきなり緒方に二塁打を打たれ、ラロッカのタイムリーで先制点を許すと、2回には自らのバント処理の失敗もあって無死満塁のピンチを招く。緒方の犠牲フライで2点目を失うと、ラロッカの2点二塁打、嶋、そして新井のタイムリーなどでこの回だけで7失点。対するタイガース打線はベイルの高速スライダーに苦しめられ、4回にやっと金本の3試合連続の2ランで一矢報いる。二番手の桟原は無失点で切り抜けたが、続く吉野はエラーがらみで2失点。6回表には桧山のタイムリーで1点返すが7回には牧野が緒方のホームランで、9回には金澤が浅井の代打タイムリーでそれぞれ1点ずつ失い、9点の大差をつけられた。最終回は天野に三者凡退に切ってとられて連勝ならず。
◎カープ15回戦……2−4
 初回、3番でスタメン復帰した片岡がプロ入り初先発の林からライトスタンドへ独特の放物線で飛び込むホームラン。しかし、井川は緒方、ラロッカにヒットを打たれてピンチを作り、嶋のタイムリーで同点に追いつかれた。それでもここは栗原を一塁ファールフライに打ち取って傷口を広げない。2回には木村拓のタイムリーでリードを許したが、そのあとは6回までなげてこの2点にとどめ、エースらしく試合を作った。カープは3回途中で先発の林をあきらめて玉木にスイッチ。5回からは初戦に先発した高橋を投入した。6回表、その高橋から金本がライトスタンドに突き刺さる4試合連続の同点ホームランを放つ。岡田監督は7回の攻撃で井川に代打を出す賭けに出たが代打で登場した関本は凡退してしまった。エースに預けた前半の最終戦ならば、最後まで投げさせるべきだったのでは。タイガース打線は8回に天野をつかまえかけた。先頭の金本が四球で出塁し、2死のあと矢野がレフトオーバーの素晴らしい当たりを放つと、金本は一気に本塁を突く。しか、中継のシーツが本塁にストライクの好返球。金本は憤死。チャンスをつぶすと、次にはピンチが訪れる。結局8回に安藤は2四球でピンチを作って降板。ウィリアムスは木村一を三振に打ち取ったが代打朝山に死球を与えて満塁とし、緒方を追い込みながら真ん中に速球を投げ込んでセンター前に打ち返され、2点を失った。最後は大竹にきっちり抑えられ。悔しい連敗。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……該当者なし 唯一勝ち投手になった下柳も内容はそれほどよくなかったし、リリーフ陣も全体にぱっとしなかった。内容的には井川だが、満点とはいえない。残念ながら該当者なしということになってしまった。
野手……金本知憲 前節に引き続き4試合連続のホームランでチームを引っ張っている。打線全体が夏バテ気味なだけに、4番打者の活躍は頼もしい。

 今節はオーナー会議か開かれ、ライオンズ堤オーナーのさらに1球団合併発言で球界は揺れた。選手会はスト突入も覚悟している。ファン不在の中、オーナーたちの勝手な理屈で長年応援してきた球団が別物になってしまうということが許されない。選手もファンも試合に集中しにくい状況は続く。後半戦は甲子園で首位ドラゴンズとの3連戦から始まる。ペナントレースを落ち着いて楽しめる状況に早くなってほしい。答えはただひとつ。ブルーウェーブとバファローズの合併を一旦白紙に戻し、一から議論をやり直すことである。そのためには、ジャイアンツ渡辺オーナーのつまらぬ恫喝に誰もが屈しないことだ。

(2004年7月12日記)


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