甲子園でのスワローズ戦は１勝１敗。横浜球場でのベイスターズ戦は２勝１敗。今節は３勝２敗と勝ち越して、勝率５割まであと３勝と少し戻した。とはいえ、プロ野球の話題は選手会と代表者会議の駆け引き、スト突入か否かというところに集中してしまい、試合を見て一喜一憂する楽しみがなくなってしまった感がある。なぜ公式戦の最中に選手会長たちが集まって野球以外のことで気を揉まなければならないのだ。シーズン中に球団合併だのリーグ編成だのという泥試合をする球団経営者たちに、野球そのものを愛する気持ちなどありはしないのではないだろうか。
◎スワローズ２２回戦……４−１
ゴンザレスから２回裏にアリアスがレフトスタンドへ先制ソロホームランを放つ。井川は３回表に岩村のタイムリーで同点に追いつかれてしまうが、後続を断って同点で踏みとどまった。それに応えるかのように、３回裏、金本がセンターバックスクリーン右へ勝ち越しホームランを放つ。ゴンザレス、そして６回から登板した河端に苦しめられ追加点をなかなか奪えなかったが、その河端から金本がライトポールをまく特大のソロホームランを話し、突き放す。井川は４回以降はストレート主体の投球でスワローズ打線を抑え込み、８回１失点と好投。８回裏には１死満塁のチャンスで４番手の左腕山本から赤星がライト前に打ち返して４点目とだめ押し。９回には久保田が登板し、完璧な投球でスワローズのクリンナップを抑えて逃げ切った。
◎スワローズ２３回戦……０−４
福原は初回に岩村の先制ホームラン、そして２回に２死満塁から真中にライト線へ２点タイムリーを浴び、５回で降板。対するスワローズの先発は高井。速球にのびがあり、２回などは桧山、アリアス、矢野と三者三振に封じ込められた。８回には安藤が鈴木の二塁打でさらに１点を奪われ、７回から登板したスワローズの石井、９回に登板した五十嵐亮のリリーフコンビにきっちりと抑えられて完封負け。勝ってベンチに戻る古田にタイガースファンから声援が。選手会長としての働きに拍手を送ったのだろうが、異常事態としかいいようがない。
◎ベイスターズ２１回戦……５−６
ホッジスは２回に内川の２ラン、３回にはＴ・ウッズのタイムリーなどでさらに２点を奪われ、降板。決め球に欠けるのが難点で、今季限りがほぼ確定した。しかし、打線は苦手の三浦をじわじわと攻め立てる。４回表には金本のバックスクリーンへのホームランで反撃開始。５回表には葛城が振り逃げで出塁し三浦の暴投で進塁、赤星のレフト前ヒットでホームへつっこんだが残念ながらアウトに。しかし、その積極的な姿勢が６回表につながる。２死からＴ・ウッズのエラーで金本が出塁し、桧山の三塁打で２点差に詰め寄る。そして７回表、とうとう三浦をつかまえた。２死から赤星がヒットで出ると、関本、今岡がボールをよく見て連続四球を選ぶ。そして金本のライト前２点タイムリー！ とうとう同点に追いついた。桟原、下や凪、安藤とつないでベイスターズ打線を抑え込んできた投手陣だが、ここで久保田を投入。しかし、８回裏、Ｔ・ウッズ、多村の大砲を連続三振に打ち取った後にすきが出た。金城、内川と連続ヒット、そして相川には低めの球をうまくライトに運ばれて２点タイムリーを許す。タイガース打線は最終回、門倉を攻めて２死二三塁と一打逆転のチャンス。打席には桧山。相川のパスボールで労せずして１点差にするが、桧山は結局三振、惜しくも届かず。これで今季のベイスターズ戦の勝ち越しがなくなった。
◎ベイスターズ２２回戦……５−２
三東と加藤の投手戦。均衡を破ったのはタイガース。５回表に赤星のタイムリーで先制した。しかし、三東はその直後の５回裏に種田のタイムリーで同点に追いつかれ、急遽登板した藤川もＴ・ウッズの内野ゴロの間に三塁ランナーを返して逆転された。それでも６回表、葛城のタイムリーで同点に追いつき、加藤を引きずりおろす。８回表には苦手の木塚から先頭の赤星が四球を選んで出塁し、すかさず５１個目の盗塁。代打の藤本が一塁ゴロに打ち取られたが、Ｔ・ウッズが三塁に送球しフィールダーズ・チョイスで赤星が生きた。今岡がすかさずセンターへの犠牲フライ。とうとうリード。９回には山田から鳥谷と赤星のタイムリー二塁打で２点を追加し、安藤、ウィリアムスをつぎこんで連敗をストップさせた。
◎ベイスターズ２３回戦……１０−３
初回、マレンから１死一三塁のチャンスを作ると、金本が右中間への二塁打で１点を先制。立川が歩いて満塁とし、アリアスのライト線への２点タイムリー、矢野のライト前タイムリー、鳥谷のレフト前へのポテンヒットでさらに１点、いきなり５点を奪う。２回には２死満塁で矢野がレフト前に２点タイムリー、鳥谷もセンター前のタイムリーで続き、藪のセンター返しのタイムリーでこの回４点目を奪う。マレンは２回で降板。藪は２回裏に鈴木尚に２点タイムリーを打たれたものの、そのあとは７回まで快調に投げる。なんと最高１５１kmの速球が記録された。７回表には三番手吉川から金本がレフト前へだめ押しのタイムリーを放つ。８回裏、桟原が多村にホームランを打たれたものの、最後は中村泰がしめくくって２連勝。この連戦で対ベイスターズ戦の負け越しを阻止した。
◎愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……藪恵壹 スタンドで見ていた米メジャーのスカウトたちが絶賛した好投。珍しく大量点を背負い、気持ちよく投げた。
野手……金本知憲 ホームランにタイムリーと自己最多の９８打点を記録。打点トップのラロッカを僅差で追う。打点王に向かって、打て、兄貴！
次節は甲子園でドラゴンズと２連戦。ナゴヤドームでは分が悪いが、甲子園ならば大丈夫。ぜひお返しをしてほしいものである。
（２００４年９月１３日記）
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