4月1日、大阪ドームにスワローズを迎えて、岡田監督になって二年目のシーズンが開幕する。
今年のタイガースの目玉は、内野の思い切ったコンバートだろう。岡田監督お気に入りの鳥谷にショートのポジションを与え、藤本を二塁に、今岡を三塁に、そしてカープから移籍のシーツを一塁に配置した。オープン戦を見る限り、連係は不十分で、守りにほころびが出ることが予想される。鳥谷の打撃も昨年よりは向上したかもしれないが、はたして競争なしにポジションを与えただけのものがシーズンに入って見られるかどうか。守備でいえばシーツをショートに入れ、関本を一塁においた方がいいのではないかと思う。鳥谷の守備はまだまだ信用できない。打撃に関しても、関本をスタメンで起用しないのはもったいない。
投手陣では、久保田を抑えの切り札に固定し、安藤を先発にまわすという入れ替えを行った。久保田の場合、コントロールに不安があり、ここぞというところでの四球や不用意に投げて長打を食うという場面が目に浮かんでしまう。安藤は先発でなんとかできるだろうし、井川、福原、下柳、安藤とローテーションの軸は固まっている。続く先発投手としては太陽、新人の能美、三東、中村泰、江草、杉山、筒井和ら若手投手の中から調子のよいものを優先的に起用して競わせることになる。これについては期待できそうだ。切磋琢磨する中から昨年の福原のような存在が登場すればよい。中継ぎには吉野、藤川、ウィリアムスらが控えている。ここに適宜、ベテランの石毛や中村泰などをはさむとリリーフ陣にバリエーションができて面白かろう。
今季のポイントは2点。ショートの鳥谷と抑えの久保田が監督の期待に応えられるかどうかというところにかかってくる。それ以外の選手については、実績や可能性に応じて競争させれば十分力を発揮すると見る。
私は、前述したように、現段階では関本を先発で使い、鳥谷は試合の終盤にシーツに代えて出場させるという起用法を取るべきだと思う。岡田監督は新人時代、ブレイザー監督に控えにまわされた経験があり、粘り強く使えば鳥谷も自分のように実績を残せると見ているのだろう。しかし、昨年の終盤にショートを守り続けた鳥谷と、サードを守り続けた関本のどちらが実績を残したか。一目瞭然ではないだろうか。二軍のように選手を育てる場であれば、鳥谷をしつこく使い続けてもいいだろうが、一軍では勝つことが最優先される。鳥谷も結果が出なければ控えにまわすくらいの非情さを持って臨んでほしい。
気にかかることがもう一点ある。それは、矢野の起用法だ。故障で出遅れた分、矢野はまだ場慣れをしていない。開幕からしばらくは野口を先発捕手として起用し、交代でマスクをかぶらせるくらいでいいのではないか。特に、野口は昨年井川と組んでノーヒットノーランを達成させるなど、起用すればちゃんと結果を残した。かつて近鉄バファローズで梨田と有田を併用させたように、たとえば井川と下柳の時は野口を起用するというようにうまくやりくりすべきでないかと思う。
どんなに素晴らしい選手であっても、試合に出場しなければ勘も鈍る。かつて岡田監督が師事した仰木監督のように、選手のやる気を引き出す選手の起用法を見せてほしいものである。そうすれば、必ず活躍する実力のある選手がベンチにはずらりと揃っているのだから。
とにかく、9月になっても優勝争いの一角を占めるような、そういう戦いを続けてほしいもである。
さあ、開幕だ。選手が生き生きと動き回る姿を早く見たい。
(2005年3月30日記)