愛すれどTigers


能見プロ入り初勝利!

 東京ドームのジャイアンツ戦は、清原のプロ入り通算500本塁打記録を阻止した上に2勝1敗。横浜球場のベイスターズ戦は天敵三浦にはやられたものの杉山の今季初勝利と能見のプロ入り初勝利で2勝1敗。今節は4勝2敗と2カード続けての勝ち越しで前節失った「貯金」を取り返した。2位には落ちたが、今季通算12勝8敗で首位ドラゴンズとの差は1ゲーム。交流戦になるまで残り9試合、このペースで勝ち星をあげていけば、展開次第では首位を突っ走る状況にもなるだろう。少しずつ波が押し寄せてきた感じである。

◎ジャイアンツ4回戦……8−5
 序盤は下柳と高橋尚の投手戦となった。2回表、今岡、スペンサーの連打でチャンスを作り、鳥谷のライト前ヒットで今岡がホームを踏み1点先制。下柳は6回を投げ切って2安打の好投。特に、5回裏、先頭のローズに二塁打を打たれたが、小久保のライトフライで飛び出したローズをスペンサーがよく見て二塁に送球しダブルプレーに打ち取ったのが大きかった。こういう凡ミスのあと、チャンスはまわってくるものだ。7回表、ついに高橋尚をとらえた。二塁打の金本と四球の今岡を塁に置き、矢野がレフトスタンドへ技で運ぶ3ラン。鳥谷、浅井がそれぞれライト前ヒットで続き、畳み掛けるように赤星が初球をセンター前に打ち返して満塁。こでジャイアンツベンチは高橋尚をあきらめて岡島を投入した。しかし、続く藤本も初球狙いでセンター前に打ち返し、2点追加。さらにシーツが歩いてまた満塁。金本も初球を叩いてライト前タイムリーでさらに1点を加える。とどめは今岡がセンターへの犠牲フライ。この回一挙7点で8−0として試合を決めたかに思われた。二番手の藤川は7回表に二岡、高橋由を連続三振にとるなどしてジャイアンツ打線をあしらったが、8回表に登板した中村泰がいきなり先頭のローズを歩かせる。岡田監督は思い切って中村泰をおろし桟原を投入。ところがその桟原も小久保を歩かせてしまう。キャプラーのヒットで満塁とされ、清水には死球を与えて押し出しの1点。仁志にはライト前のポテンヒットで2点目。二岡にはセンター前の2点タイムリー。桟原に代えて吉野を送るが、高橋由を歩かせて満塁。続いてマウンドに上がったのは橋本。清原をドームの天井に当たるサードフライに打ち取ったものの、ローズにライト前ヒットを打たれてこの回5点目。一発出れば逆転という場面になってしまった。とうとう久保田までつぎこみ、小久保をセカンドゴロに打ち取りこの回を終えた。久保田は9回も三者凡退で締めくくり、なんとか逃げ切ったが、楽勝ムードが一転してあわや逆転というところまで追い込まれてしまうとは。中村泰と桟原はすぐに二軍降格。杉山とダーウィンが代わりに昇格した。
◎ジャイアンツ5回戦……0−9
 開幕から不調の井川をおもんばかり、ローテーションを入れ替えて福原を先発させたが、それが裏目に。初回、いきなり清原に3ランを打たれて先制点を許す。そのあとはなんとか5回まで無失点で抑えたが、相手投手が上原だけに、この3点は重くのしかかった。5回まで1安打に抑えられ、6回にもチャンスを作るがシーツは三振。6回にマウンド上がった橋本は、キャプラーのセンターライナーを赤星が後逸して三塁打にしてしまうと、小田のキャッチャーゴロの間にキャプラーの生還を許して1点を失う。8回表には鳥谷、スペンサー、赤星のヒットで満塁と上原を攻め立てるが、町田、シーツが際どいところを連続見送り三振。岡田監督の抗議も通じない。その裏、杉山がマウンドに上がるが、キャプラー、高橋由、清原にホームランを打たれて5失点。最後は佐藤宏に締められ大敗した。
◎ジャイアンツ6回戦……11−2
 清原が通算500本塁打まであと1本となり、テレビ中継は試合の展開よりも清原のホームランだけで盛り上げる妙な試合となった。先発は今季まだ勝ち星のない井川。初回、先発内海が乱調。3四球で2死満塁とし、スペンサーのセンター前への2点タイムリーで先制。その裏、井川はいきなり仁志、二岡にヒットを打たれてピンチを作り、高橋由の打球もライトの頭上を襲う。しかし、ジャンプ一番、スペンサーがこのフライをフェンス前で捕球。これに助けられ、井川は後続を断ち切った。5回表、先頭の井川がストレートの四球で出塁、赤星、関本とセンター前ヒットで続いて無死満塁に。ここでシーツがレフト線への鮮やかなツーベースで2点追加する。内海はここで降板し、ベテラン左腕の前田を投入。金本と今岡が凡打に打ち取られてチャンスをついえさせるかと思われたが、スペンサーがライト前に2点タイムリーを放ち、試合の流れをこちらのものにした。5回裏、井川は阿部に一発を浴びたが、危なげない投球。6回表には新人の三木から赤星がヒットで出塁し通算200盗塁を決めた。これを金本がセンター前ヒットで返し、失点の直後に得点という理想的な攻撃。7回表には三木を攻め立て無死満塁から赤星が2点タイムリー、関本もライト前ヒットでさらに1点追加。7回裏、井川はまたもや阿部に一発を浴びた。そのあとも内野安打や四球で2死満塁とし、打者は清原。岡田監督は藤川をマウンドに送る。期待に応えた藤川は速球で追いつめフォークで空振り三振を奪った。このフォークに対し、清原は試合後に「ケツの穴の小さい奴、チンポコついてるんか」とさも速球勝負をしてホームランを打たせろと言わんばかりの談話を残し、顰蹙をかうことになるが、この下品な発言についてこの後ずっと釈明も何もしないでいる。8回表、岡島から中村豊がだめ押しのタイムリーを放ち、最後はウィリアムス、江草とつないでジャイアンツ打線を抑え切った。
◎ベイスターズ4回戦……1−3
 天敵三浦の立ち上がりを攻め、藤本のヒットと金本の四球でチャンスを作り、今岡がセンター前に落として1点先制。しかし、その後はランナーを出すが返せない。三浦のフォークにことごとく打ち取られる。安藤は3回裏、二塁打の村田を相川のセンター前ヒットで返されて同点、6回裏、内野安打の佐伯を塁に置いて多村にレフトスタンドに運ばれて決勝点を奪われた。三浦には完投で今季初勝利を献上。今季も三浦には手こずりそうである。
◎ベイスターズ5回戦……3−2
 タイガースの杉山、ベイスターズの土肥とも立ち上がりは快調な投球で投手戦の様相。試合が動いたのは4回表、ライト前ヒットの藤本を置いて金本がライトスタンドポールぎりぎりに飛び込む先制2ラン。さらに6回表、シーツが久しぶりのソロホームランをライトスタンドへ叩き込む。杉山は6回無失点で交代。7回には藤川が満塁のピンチを招きながら石井をショートフライに打ち取ってしのぐ。8回裏はウィリアムスが調子よく三者凡退に切ってとり、万全の体勢で9回には久保田をつぎこんだ。ところが、久保田は多村、そして村田にそれぞれライトスタンドに運ばれ1点差に詰め寄られた。それでも最後は石井を三振に切ってとり、なんとか逃げ切り。杉山は今季初勝利。
◎ベイスターズ3回戦……8−3
 サイドスローの速球派、加藤を初回から攻略。赤星がセーフティバントで出塁し盗塁を決めると、藤本はライト前に弾き返してチャンスを広げる。金本の強烈なピッチャーライナーを加藤は辛うじてグラブで叩き落し、ボールがファールグラウンドに転がる間に赤星が生還した。3回表には藤本、シーツが連打でチャンスを作り、今岡のライト前ヒットで2点目。4回表にはヒットの矢野とお尻に死球の鳥谷を塁に置き、藤本がセンター前に打ち返して2点追加。着々と援護をしてくれる打線に応え、能見はスライダーを自在にあやつり5回まで二塁を踏ませない好投。6回裏に金城の2ランで2点を失い、佐伯にヒットを許したところで藤川に交代。7回表には二番手吉川からシーツの二塁打と桧山のライト前ヒットで2点を奪う。藤川は7回裏に村田に一発を浴びて今季初失点。しかし、8回表には斎藤から赤星がタイムリー、9回表にはクルーンから矢野がタイムリーを放ってそれぞれ1点ずつ加え、ウィリアムス、久保田のリレーで逃げ切った。久保田はセーブのつかない場面だったが、前日の被弾で乱れた調子を直す機会をきちっとものにした。能見は記念すべきプロ入り初勝利。新人王に向け、この後はどんどん勝ち星のをのばしていってほしい。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……下柳剛 前節、2カード連続負け越しと重苦しい雰囲気を背負っての先発でジャイアンツキラーぶりを発揮、チームを調子に乗せた。今季はやくも3勝目で、ハーラートップ。エースは井川でも福原でもない。下柳や!
野手……赤星憲広 プロ入り通算200盗塁を記録。チャンスではライト線に引っ張るタイムリー、先頭打者としてはセーフティバントでの撹乱と役割をきっちりこなす。ジャイアンツの新人三木の癖を2球で見抜くなど、さすがは4年連続盗塁王!

 まだ首位争いというには早すぎるかもしれないが、甲子園に戻ってドラゴンズと3連戦を行う。ここで勝ち越したら順位が入れ代わるだけに、勢いにのって一気に行きたいところだ。そのあとは神宮でスワローズと対戦するが、こちらは低迷中なだけに今のうちに叩いておきたいところだ。ともかく月間での勝ち越しが当面の目標となるだろう。

(2005年4月25日記)


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